砲雷撃戦(物理)するには提督は必要ですか? ~はい。提督は脳筋仕様の化け物です~   作:elsnoir

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★主人公
朝霧 渚(あさぎり なぎさ)
男性 19歳
身長 180cm
髪  白
瞳色 黒

★特徴
脳筋
筋肉モリモリマッチョマンの変態ではない



壱話 提督の役目

●朝食

 

★廊下

side:渚

 

 執務室を出た渚は廊下で一人の艦娘と出会った。今の時点で戦闘ができない艦の一人。鮮やかなピンク色のの長い髪が特徴で少し活発そうな表情の女性。

 

「あっ、提督。おはようございます」

 

 明石。名前だけは知っている。正確に言えば名前しか知らされていない。それと自分は現時点で戦闘ができないということを。あと何人か戦闘ができない艦娘がいたりする。そのうち2人は戦闘向きでなく、1人は艤装と呼ばれる装備がないだけで、艤装さえあれば戦える艦娘はいる。

 

「おはよう明石。今日は冷えるな」

 

 ネタ交じりで言ってみた。

 

「…提督、私より厚着して寒いなんてことは絶対ありません。それに私ちっとも寒くありません」

「……………マジレスすんなよぉ…」

 

 ネタで言ったつもりなのにここまで言われると思わなかった。彼女はボケ殺しなのか?

 

 

★小宴会場

 

 ここはもともとあった旅館を改造して作られたそうだ。昔はオーシャンビューがきれいということで、かなり人気だったそうだが、連中が攻めてきたおかげでそんな観光に行けるような場所ではなくなった。そこで海もよく見えるこの場所に鎮守府を作るということになったわけだ。ここは400人以上泊まることができるかなり大規模の旅館。客室の8割が艦娘の部屋ということになるのだが、今はまだ空室ばかりだ。ここには今のところ5人の艦娘と提督しかいない。今その艦娘たちが全員そろっている。

 自分の右隣にいる、茶髪の髪を後ろで縛った大人しそうな少女。自分が初めて出会った艦娘。名前は電。艦種は駆逐。ちょっとドジで優しい子。悪夢にうなされたときも心配してくれた。左隣には眼鏡をかけた女性。名前は大淀。彼女が艤装さえあれば戦うことができる艦娘。艦種は軽巡。大淀曰く任務や自分のサポートに回るのが基本的な仕事らしい。大淀の隣に明石。明石の隣には割烹着を着た茶髪の女性。名前は間宮。給糧艦と呼ばれる艦種で、基本的には戦わない。簡単に言えば、文字通り食料を与えてくれる。だが対象は基本艦娘だ。そして間宮の隣にいるのが同じく割烹着を着た黒髪の少女。この子も給糧艦。名前は伊良湖。計6人で大きなちゃぶ台を囲んでいる。

 

「いただきます」

 

 目の前には白いご飯、味噌汁、焼き鮭、卵焼きに海苔。いたってシンプルな和食だ。むしろそれがいい。私だって日本人だ。

 今はこうやってちゃぶ台を6人で囲んでいるが、後々ラウンジに移動して食事をとる予定だ。ちなみにこのちゃぶ台にあと2人ぐらいは座れると思う。それまではこの小宴会場で食べるつもりだ。

 

 

●提督の仕事その1

 

★執務室

side;渚

 

「さて、これから何をすればいいかだ」

 

 シンプルな机と椅子と資料しか入ってない古びた本棚しかないこの部屋でつぶやいた。

 

「では、まずこれを」

 

 大淀が一つのタブレットを差し出してきた。画面には任務リストというタイトルで大量にミッションのようなものが表示されていた。その中に「初めての開発」、「初めての建造」という項目にチェックがついていた。

 

「このチェックしてある項目をやればいいんだな」

「はい。ではまず工廠に行きましょう」

 

 

★工廠

 

 工廠は旅館とは別館になっている。工廠の中には資材の倉庫、無数のクレーン、工具などなど。そして溶鉱炉もあった。その溶鉱炉のせいでかなり蒸し暑い。そんななかでありえない世界が広がっていた。普通じゃありえないサイズの人?らしき生物が資材を持って走ったり、荷物を持ったり、作業している。

 

「なあ、なんだあれら。俺はいったいいつからファンタジーな世界に迷い込んだ」

「失礼ですね。妖精さんです。皆さん、集合お願いします」

 

 妖精と呼ばれた小人はこっちに集まってきた。

 

「こちらの方は今日から新しく着任した提督です」

「ああ、朝霧 渚だ。階級は大佐だ」

 

 妖精たちがびしっと敬礼する。

 

「この子たち妖精は艤装と呼ばれる武装の妖精であったり、この工廠の妖精だったりします。それでこの子たちに開発、もしくは建造を依頼すれば仕事を始めます。では早速依頼してみましょう」

 

 妖精たちの中で白衣を着た目立つ妖精がいた。どうやらこの子がトップらしい。手にボードとペンも握られている。

 

「…とりあえず、資材あまり持ってないからそれぞれ30で建造を頼む」

 

 そういうと先ほどの白衣を着た妖精がそれぞれの要請に指示を出した。皆せっせと走ったり荷物を運んだり、工具を扱ったりとしていた。同時にタブレットには残り一時間の文字が表示されていた。

 

「一時間後に新しい艦娘がやってくるということか」

「そういうことです。ではそれまで雑学ときましょう」

 

 脳筋の自分にとっては雑学ほどつらいものはないが、仕方ないと自分に言い聞かせた。

 

 

 1時間後、ふたたび工廠に戻ってきた。そこで一人の少女が待っていた。だいたい15~18ぐらいの子だ。藍色のツインテールが特徴だった。

 

「初めましてだな。俺は朝霧 渚。階級は大佐。先日着任したばっかだから、わからないことも数多くある。これからよろしくな」

「五十鈴です。水雷戦隊の指揮ならお任せ。よろしくね」

 

 お互いに握手を交わした。

 五十鈴。データベースによれば艦種は軽巡。対空、対潜にステータスが高いようだ。彼女が二人目の戦力となる。今電は部屋の掃除をしているが、後で紹介しなければならない。


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