砲雷撃戦(物理)するには提督は必要ですか? ~はい。提督は脳筋仕様の化け物です~ 作:elsnoir
★榛名と矢矧のいた鎮守府
side:渚
両手に持つ20.3cm連装砲で玄関を吹き飛ばした渚だった。皆が静止する前に砲撃を行っていたのだ。
「さすがね(白目)」
「ハラショー(白目)」
「榛名…感激です(白目)」
「さ、さすがですね!司令官!(白目)」
「そうだろう」
矢矧、響、榛名、吹雪が同時に声を出した。当然だ。到着したと思えばただでさえボロボロな鎮守府に追い打ちをかけるかのように破壊行動を起こしたのだ。大きな穴の開いた重圧な玄関の扉が転がっている。
「さ、行くぞ。榛名、矢矧、案内頼む」
それぞれ持ってきたドラム缶を背負い、榛名と矢矧に案内され、鎮守府を歩いた。
「変だな」
少し歩いていると渚が声を出した。
「変…とは?」
彼の声に答えた朝潮。
「榛名と矢矧の話を聞いた限りでは大火事になっていたはずだ。なのに倒壊すらしていない。火事になったにはあまりにもきれいすぎる。スプリンクラーでも働いたか」
「きれいすぎる…ですか」
「ああ。もしかしたら誰かいるのかもしれないな」
「「「「「!?」」」」」
全員が渚を見て驚いた。
「なんだ?あくまでの話だ。まさか幽霊でもいるというのか?」
「「「「「っ!!!」」」」」
全員がびくりとする。
「…まあ、女の子だしそれくらいは怖いよな。で資材保管庫はどこだ?」
「あの先です」
古びた扉。どうやらここに資材があるようだ。扉に手をかけ押す。ぎぃと音を鳴らし重圧な扉が開く。
「おお」
「すごい…」
資材の管理はここの提督と榛名がやっていたようだ。それ以外の人は入ることはできず状況を知らなかった。ここにあったのは想像してたよりずっと多くの資材の数々。
「よし、それぞれ資材をドラム缶に詰めろ!」
全員ドラム缶をおろしそれぞれ資材を詰め込んだ。数が多すぎて全部詰めるかどうかわからなくなってしまった。
「詰め終わった子から外に向かってくれ!」
「「「「了解!」」」」
多くの資材を詰めていく。多くの資材を詰め込んだ。それでもまだ詰め切らない。
「一度で入りきらないか。また別の日だな」
黙々と資材をドラム缶の中に入れていく。そして始めてから五分、
「よし、終わった」
ドラム缶を背負い、歩き出そうとした。
「動かないで!!」
「!?」
どこからか声が聞こえた。出口に一人の人の影がある。目を凝らしてみる。白い服に大きな赤いシミが幾つかついていた。
「………あんた……ウソだろ…!」
誰もいないとか思っていたが、ここに人はいた。だが普通の人なら驚くことはない。そこにいたのはまさしく幽霊と言っても過言ではなかった人物。