砲雷撃戦(物理)するには提督は必要ですか? ~はい。提督は脳筋仕様の化け物です~   作:elsnoir

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壱拾弐話 大規模遠征

●艦娘の日記?

side:加賀

 

 私の司令官はどうしてあんな人なの?彼の頭はどうかしているのかしら?

 

side:日向

 

 着任したと思ったらとんでもないところに着任したな。あんな人が提督だとこれからが不安だよ。

 

side:川内

 

 夜戦させてくれるならいいけど、ちょっと驚いたなー。

 

side:神通

 

 ちょっと驚きました。少し心配ですね…提督のご無事であることを祈ります。

 

side:利根

 

 深海棲艦相手に物理攻撃とは不思議な提督じゃのう…吾輩も驚いたぞ。少し心配になるのう…

 

side:暁

 

 一人前のレディを指揮するのにあんなのじゃだめよ!もっと紳士らしくしてほしいわ!

 

side:響

 

 恐ろしい司令官だった。深海棲艦相手に物理攻撃。そして被弾しても大したダメージはない…人間なのだろうか…だけど私たちには優しいようだ。

 

side:島風

 

 あの提督は敵を倒すことは速いのね!それ以外はあまり速くないけど…。

 

side:陸奥

 

 変わった人ね。ちょっと面白そうな人だけど同時にいろんな意味で怖い人ね…。

 

side:隼鷹

 

 いやー、派手にやる提督だね。あんな提督なら楽しくやっていけそうだよ。

 

 

★鎮守府 廊下

side:加賀

 

 先ほど出撃した。だが問題は一点。どうしてこうなってしまったのか。

 

「あ、加賀さんお疲れ様です」

「お疲れ様です」

 

 廊下で蒼龍に出会った。

 

「…蒼龍さん、頭のいかれた提督がいます。一人では手に負えません」

 

 つい先ほどの出撃での感想を述べた。

 

「…あー…そうね…提督に関してはあきらめた方がいいと思いますよ…」

 

 蒼龍が目をそらした。

 約一時間前のこと。

 

 

★鎮守府正面 海域

 

「ブロオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 深海棲艦相手に単装砲付きの拳でブローを繰り出す提督がいた。呆然としながらその光景を見つめつつ攻撃を開始する自分たち。

 

「……発艦初めてください」

 

 弓を引き絞り矢を放つ。放たれた矢が無数の艦載機へと変貌し、深海棲艦に攻撃を仕掛けた。

 

「………こんな提督で大丈夫でしょうか…」

 

 戦果は彼が大きく上げていた。先日着任した新しい艦娘全員で出撃だが、みんなして難しい顔しながら砲弾や魚雷、艦載機を放っていた。

 

 

★鎮守府 執務室

side:渚

 

「これは大変だ…」

 

 戦力は増強できた。だが資材が大きく減った。資材がある状態でかつ、戦力を増強したかった。資材と戦力は繋がっている。それを今知った。

 

「………遠征か……どこか資材のある場所………まてよ?」

 

 一つだけ思い当たる場所があった。もしかしたらどんな場所より資材があると思われる場所。

 

「…………大規模な遠征でも開くか。榛名矢矧を筆頭に軽巡駆逐を組み合わせた大規模な遠征」

「提督、それは一体どこですか…?」

 

 大淀が口を開く。その声に答える。

 

「そ、それって?」

「今は無人となっているはずだ。使われなくなったものを使うんだ。怒られはしないさ」

 

 

 大淀に作戦を伝え、了承を得たところで、艦娘全員を集めた。

 

「そろったな。じゃあ、作戦を伝えよう」

 

 艦娘全員がごくりと唾をのむ。

 

「明日、大規模遠征作戦を開始する!榛名、矢矧を筆頭に軽巡駆逐の艦娘は全員参加の作戦だ」

「遠征任務にどうして榛名さんを入れる必要があるんですか?」

 

 蒼龍が口を開いた。

 

「いい質問だ。それは遠征先にあるんだ」

「どこですか?」

「それは、榛名と矢矧がいた鎮守府だ」

「「「「「!!??」」」」」

 

 艦娘全員が驚いた。

 

「いまは廃墟となった鎮守府だ。誰もいないのが当然だ。そしてそこには使われなかった資材がある。そこでその資材を得ようという作戦だ」

「なるほど。でも、二人が許すかしら?」

 

 加賀が言う。二人とは榛名と矢矧のことだ。

 

「いいわ。ちょうどもう一度行ってみたかったし」

「ええ。榛名も行ってみたかったです」

「決まりだな。明日駆逐艦、暁、響、雷、電、吹雪、朝潮。軽巡、矢矧、五十鈴、夕張、川内、神通。そして榛名」

 

 このメンバーでの出撃となった。

 

 

★榛名と矢矧のいた鎮守府 玄関

 

 深海棲艦の攻撃を受け、ボロボロとなった鎮守府。波の音しかしない静かな場所。そこに轟音が響く。

 

「さて買い物の時間だ」

 

 両手に持つ連装砲で玄関を吹き飛ばした渚だった。


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