砲雷撃戦(物理)するには提督は必要ですか? ~はい。提督は脳筋仕様の化け物です~ 作:elsnoir
●艦娘の日記?
side:加賀
私の司令官はどうしてあんな人なの?彼の頭はどうかしているのかしら?
side:日向
着任したと思ったらとんでもないところに着任したな。あんな人が提督だとこれからが不安だよ。
side:川内
夜戦させてくれるならいいけど、ちょっと驚いたなー。
side:神通
ちょっと驚きました。少し心配ですね…提督のご無事であることを祈ります。
side:利根
深海棲艦相手に物理攻撃とは不思議な提督じゃのう…吾輩も驚いたぞ。少し心配になるのう…
side:暁
一人前のレディを指揮するのにあんなのじゃだめよ!もっと紳士らしくしてほしいわ!
side:響
恐ろしい司令官だった。深海棲艦相手に物理攻撃。そして被弾しても大したダメージはない…人間なのだろうか…だけど私たちには優しいようだ。
side:島風
あの提督は敵を倒すことは速いのね!それ以外はあまり速くないけど…。
side:陸奥
変わった人ね。ちょっと面白そうな人だけど同時にいろんな意味で怖い人ね…。
side:隼鷹
いやー、派手にやる提督だね。あんな提督なら楽しくやっていけそうだよ。
★鎮守府 廊下
side:加賀
先ほど出撃した。だが問題は一点。どうしてこうなってしまったのか。
「あ、加賀さんお疲れ様です」
「お疲れ様です」
廊下で蒼龍に出会った。
「…蒼龍さん、頭のいかれた提督がいます。一人では手に負えません」
つい先ほどの出撃での感想を述べた。
「…あー…そうね…提督に関してはあきらめた方がいいと思いますよ…」
蒼龍が目をそらした。
約一時間前のこと。
★鎮守府正面 海域
「ブロオオオオオオオオオオオオ!!!」
深海棲艦相手に単装砲付きの拳でブローを繰り出す提督がいた。呆然としながらその光景を見つめつつ攻撃を開始する自分たち。
「……発艦初めてください」
弓を引き絞り矢を放つ。放たれた矢が無数の艦載機へと変貌し、深海棲艦に攻撃を仕掛けた。
「………こんな提督で大丈夫でしょうか…」
戦果は彼が大きく上げていた。先日着任した新しい艦娘全員で出撃だが、みんなして難しい顔しながら砲弾や魚雷、艦載機を放っていた。
★鎮守府 執務室
side:渚
「これは大変だ…」
戦力は増強できた。だが資材が大きく減った。資材がある状態でかつ、戦力を増強したかった。資材と戦力は繋がっている。それを今知った。
「………遠征か……どこか資材のある場所………まてよ?」
一つだけ思い当たる場所があった。もしかしたらどんな場所より資材があると思われる場所。
「…………大規模な遠征でも開くか。榛名矢矧を筆頭に軽巡駆逐を組み合わせた大規模な遠征」
「提督、それは一体どこですか…?」
大淀が口を開く。その声に答える。
「そ、それって?」
「今は無人となっているはずだ。使われなくなったものを使うんだ。怒られはしないさ」
大淀に作戦を伝え、了承を得たところで、艦娘全員を集めた。
「そろったな。じゃあ、作戦を伝えよう」
艦娘全員がごくりと唾をのむ。
「明日、大規模遠征作戦を開始する!榛名、矢矧を筆頭に軽巡駆逐の艦娘は全員参加の作戦だ」
「遠征任務にどうして榛名さんを入れる必要があるんですか?」
蒼龍が口を開いた。
「いい質問だ。それは遠征先にあるんだ」
「どこですか?」
「それは、榛名と矢矧がいた鎮守府だ」
「「「「「!!??」」」」」
艦娘全員が驚いた。
「いまは廃墟となった鎮守府だ。誰もいないのが当然だ。そしてそこには使われなかった資材がある。そこでその資材を得ようという作戦だ」
「なるほど。でも、二人が許すかしら?」
加賀が言う。二人とは榛名と矢矧のことだ。
「いいわ。ちょうどもう一度行ってみたかったし」
「ええ。榛名も行ってみたかったです」
「決まりだな。明日駆逐艦、暁、響、雷、電、吹雪、朝潮。軽巡、矢矧、五十鈴、夕張、川内、神通。そして榛名」
このメンバーでの出撃となった。
★榛名と矢矧のいた鎮守府 玄関
深海棲艦の攻撃を受け、ボロボロとなった鎮守府。波の音しかしない静かな場所。そこに轟音が響く。
「さて買い物の時間だ」
両手に持つ連装砲で玄関を吹き飛ばした渚だった。