魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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キリが良かったのでちょっと短め。


ピクシー④

翌日の朝。

USNA海軍所属の小型戦艦が日本の領海を航海中、機関トラブルにより漂流していたところを防衛海軍に保護された、というニュースがメディアを賑わした。

当然、兄さんが無関係なわけもない。もっと詳しく知りたいニュースがではあったのだけど、そんな余裕はぼくにはなかった。寝てない。昨日から一睡もしていない。

 

ピクシーにお願い(・・・)されていた機能を開発していたからだ。朝までかけて作ったぼく、マジ頑張ったと思う。誰か褒めて!

 

 

『雪花たん、クンカクンカ』

 

 

こんな奴のために一睡もせず、新機能開発という無茶をやり遂げ、朝早くからこうして学校に来て、改造を行っているぼくを誰か褒めて!

 

 

『雪花たんモフモフ!このサイズ、この柔らかさ、この可愛さ……愛でるために生まれてきたのか、雪花たんは…なんてこった。神はとんでもないものを生み出しおったで』

 

 

その通りですね!なんでこんな変態を生んじゃったんでしょうね!そしてその関西弁は何!?

相手にしても疲れるだけなので内心でツッコミをしておく。あっ雪花たん呼びにについてはもう諦めました。うん、もういいよそれで…。

 

 

「はい、たぶんこれで声は大丈夫だと思う」

 

「あー、あー、おお!話せる!話せるぞ!さすが雪花たん!私たちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 

 

ピクシーの声はとてもロボットとは思えない自然な感じに仕上がっている。変声機能もつけたので声は自由に変えられる無駄ハイスペックとなっている。

 

 

「そして、表情も」

 

「こいつ…動くぞ!表情が動く!」

 

 

うん、良い仕上がりだ。実に自然な表情、ただ顔パーツのほとんどを付け替えることになったため、車一台買えそうなくらいの費用はかかった。

 

うん、喜んでいるのは良いんだけど、悪化してるよね、ピクシーの変態性。考えないようにしてたんだけどね、もう目を反らせないくらいの壊れっぷりだからどうしようもなかった。

 

 

「ピクシーさん、ピクシーさん、ぼく昨日から一睡もしてないからそのハイテンションちょっと着いていけない」

 

「奇遇ですね、私も昨日はスリープモードに入ってません」

 

「なんで?」

 

「ちょっと動画投稿サイトにハマって見てたら夜が明けてました」

 

 

はいアウト!いやぼくもシールズ家にいたころなんかはやったことあるけどさ!影響を受け過ぎだよ!もうぼくじゃ庇いきれないよ!庇う気もなかったけど!

 

 

「雪花たんはお友だちだからこんな感じで話しているだけですよ。達也様の前ではしっかり猫を被ります」

 

 

お友だち、と言われれば悪い気はしない。うん、兄さんの前でしっかりしているなら良いんじゃないかな。ぼくもそれなら怒られないし。

 

 

「さて、ピクシー、ぼくもう行くよ。授業が始まっちゃうし、今日は一時間目から体育なんだ」

 

「素朴な疑問なんですけど、雪花たんは男子、女子、どっちの更衣室で着替えるんですか?」

 

「えっ?男子更衣室に決まってるじゃん」

 

 

でも何でか、ぼくが着替えようとすると、皆更衣室の外に出るんだよね。紳士がどうとか言って。いじめ?いじめなの?

ぼくがそのことをピクシーに相談すると、器用にも、困り笑顔を作って言った。

 

 

「……その、同じクラスの男子生徒は苦労が多そうですね」

 

 

意味が分からなかった。

 




シリアスさんどこー?
ピクシーは本当に暴れたい放題です。次話から結構登場しそうなので、不安でいっぱいです。


さて、明日も0時に投稿します。

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