魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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最近、花粉飛び過ぎです。バイト先の先輩がティッシュボックス腰につけて仕事しててシュールでした。


幼馴染みと妹と婚約者と雪花…と母

水波ちゃんのことは魔法の才能を認められて養子になったってことにした。ぼくが澪さんと仲が良いことをあーたんは知っているし、どうやらリーナは水波ちゃんが魔法を使えることを知っていたようで二人とも納得顔だ。

 

 

「水波ちゃんは分かったけど、それでどうしてセッカと兄妹になるのよ?」

 

「ぼくも高校を卒業したら五輪に入るつもりなんだ、養子として」

 

「……その話も私、聞いてませんが」

 

「ああああ後で話そうと思ってたよ!?でもまだ決まった話じゃないし、そうなるかもって段階だからさ!ちゃんと決まったら話すつもりだったよ!?」

 

 

なんでか今日のあーたんは怖いよ!チョコをくれた時まではこんなじゃなかったのに!

 

 

「そろそろ九時になりますが、お二人とも時間は大丈夫なんですか?」

 

 

九時といえばぼくの門限でもある。と言っても一人で出歩く時の門限は六時だけど。水波ちゃんとか沙世さんとかと一緒じゃないと夜は出歩いちゃいけないことになっている。

 

 

「私、そろそろ帰らないと」

 

 

あーたん家に門限とかあるのかは知らないけど魔法が使えるとはいえ女子高生が出歩くには少々危険な時間だろう。なんせ『吸血鬼』なんてものがいるんだから。

 

 

「じゃあ私も今日のところは帰ろうかしら」

 

 

あっまた来る気満々なんですね。いや歓迎するけど。

 

 

「セッカ、あれやって」

 

 

リーナが両手を広げて立っている。うん、これはシールズ家に住んでいた頃、寝る前に必ずやっていたアレだね。

 

ぼくはリーナを抱き締める。懐かしい。何年か前、身長を抜かされた時は落ち込んだものだ。抱き締めるとき露骨に分かっちゃうからね。セッカ縮んだ?って聞かれたときの悲しみは言葉では表せないね。あっ、ちなみに夜寝る前に抱きつくのはUSNAでは普通のことらしい。リーナから教えてもらったし、シールズ家のメイド達も抱きついてきたから間違いない。

 

 

「雪花くん、私にもやってください!」

 

 

何やらリーナと火花を散らしているあーたんがそんなことを言う。ぼくとしてはあーたんに抱きつくのは嬉しい限りなのでリーナと同じようにぎゅっとする。

 

 

「はわ、はわっ」

 

 

口から意味のない言葉を発して真っ赤になってしまったあーたん。可愛い。やっといつものあーたんが戻ってきた気がする。まあ怒ってるあーたんも可愛いけどね!ちょっと膨れてて!

 

 

「お兄ちゃん、私も」

 

 

お兄ちゃんと呼ばれれば断ることなどできるわけもなく、水波ちゃんもぎゅっとするわけだけど…力強くない?ちょっ加減ってものがあるじゃん?動けない。全然動かない。

 

 

「セッカ、水波ちゃんだけ長くないかしら?まさか雪花までシスコンだ、なんて言わないわよね?」

 

「違うよ!水波ちゃんが離してくれないんだよ!あと流石にぼくも兄さん程じゃな…痛い!水波ちゃん力強めたでしょ!?いよいよ夕飯が出ちゃうよ!」

 

 

むぎゅっというよりぐぎゅって感じだ。潰れそう。なんかメシメシ言ってるし!これヤバイ音だよね!?

 

ぼくの話を聞いてぼくを引っ張るリーナ。そんなに引っ張ったら千切れちゃうから!ぼく、ぬいぐるみ並みの強度しかないから!

 

涙目で訴えるもあーたんまで参戦。抱き締める水波ちゃんからぼくを引っ張るリーナとあーたん。もはや意識も飛びそうになってきて、あっ死ぬかもと思った瞬間だった。

 

ガチャリっとドアが開けられる。

 

 

 

「………私、仕事思い出したわ……えーっとごゆっくり」

 

 

 

が、すぐにドアを閉めようとする。ピシッとスーツを着た気まずそうな、いたたまれないといった様子の女性。

 

 

「母さんちょっと!見捨てないで!助けて!」

 

 

母さんだった。いつもより少し早めに帰宅した母さんだ。

 

 

「母さんを自分の修羅場に巻き込まないで!自分で解決しなさい!」

 

「修羅場!?意味分からないよ!このままじゃぼく、殺されちゃうよ!」

 

 

ぼくはどうにか母さんを味方に付けるべく精一杯助けを求めた。




母、参戦?
戦いは終わらない!雪花くん、修羅場はそんなに甘いものじゃないのだよ!

さて、明日も0時に投稿します。

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