ハイスクールD×D 最強の天才   作:不安全ピン

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自分の力では、原作沿いは難しいと思ったので、方針を変えることにしました。
でも、主要キャラが死ぬことはないのでご安心ください。


天才とは

side リアス・グレモリー

 

私――リアス・グレモリーは今、私を呼び出した張本人である、兵藤一誠君を悪魔の駒(イーヴィル・ピース)で下僕にして、後始末をしている。

 

「それにしても、七つも駒を使うことになるなんて」

 

彼のことは前から知っていた。スケベなことで有名だけど、運動能力や学力は至って普通だったはず・・・

 

「やっぱり、神器(セイクリッド・ギア)の所為かしら・・・」

 

兵藤君には神器が宿っている。どんな能力なのかは分からないけど、それが原因で堕天使に狙われたと考えるのが自然でしょう。

 

「可哀想に・・・ん?」

 

その時、近くに一つの気配があるのに気付いた。だいぶ弱っているけど、まだ生きている。

私はそこまで行ってみることにした。

 

「この子は確か・・・」

 

そこに倒れていたのは、天井才斗君。

兵藤君とは違って目立たない普通の生徒だった。

けれど、私は彼のことを知っていた。

以前、ソーナから彼のテストを見せてもらった。点数は300点。特に低くも高くもない点数で、それだけなら注目すべきところはなかった。

でも、答案が問題だった。

最初の三枚は文句のない満点、でも残りのテストはすべて白紙。明らかに、手を抜いている。

 

「面白い子ね・・・」

 

彼の怪我を見てみると、重傷ではあるが兵藤君程ではない。今治療すれば、なんとかなるでしょう。

でも、私は転生させてみることにした。ここで会ったのも、何かの運命かもしれない。

 

「一つで足りるかしら?」

 

私は懐から、さっき使わなかった、最後の兵士(ポーン)を取り出した。

それを、天井君に使おうとしたら、突然、悪魔の駒が光りだした。

 

「なっ、これは!?」

 

変異の駒(ミューテーション・ピース)、前にも一度使ったことはあるけど、変化の瞬間を見るのは初めてだわ。しかも、見たことない形状・・・

 

「面白い」

 

本当に面白い。まるで駒が彼を求めているように感じる。一体どれだけの潜在能力を秘めているのかしら・・・

私はまだ知らなかった。彼の存在が私の運命をどう変えていくのか・・・

 

 

 

 

side 天井才斗

 

ピピピ ピピピ

 

目覚まし時計の音で、俺の意識は覚醒した。

目に映るのは見慣れた自室の天井。

 

「夢だったのか・・・」

 

いや、ありえない。そもそも俺は夢を見ない。となると、誰かが俺を治療して家まで運んできたことになる。

 

「治っている・・・」

 

腹の怪我が完璧に無くなっている。いくら致命傷を外したとはいえ、一晩で治る怪我ではなかった。

 

「でも、まあ・・・」

 

よかった。俺の怪我が治ったてことは、イッセーも無事な確率が高い。

 

「本当によかった」

 

それだけが今、確実に言える唯一のことだった。

 

 

 

 

俺はとりあえず、学校に行くことにした。

外に出てみて気付いたが、朝日が辛い。寝起きは悪いほうだったが、それにしても眠い。

重い体を引きずって、登校して教室のドアを開けたら、変態三人組が騒いでいた。

 

「才斗!お前は夕麻ちゃんのこと憶えてるよな!?」

 

とりあえず、イッセーが無事なことに安堵しながら、情報収集をすることにした。

 

「ああ、憶えているけど、それがどうした?」

 

俺の答えを聞いてイッセーは安心するような表情をして、事情を説明した。

俺と同じで、朝目覚めたら自分の部屋で怪我は治っていたそうだ。最初は夢かと思ったが、記憶がはっきりしているので、ケータイの記録や友達に確認してみたら、写真やアドレスは消えていて、誰も彼女のことを憶えておらず、不安になっていたときにやってきたのが俺だそうだ。

 

「聞いたかお前ら!才斗は憶えてるぞ!」

 

自慢げにしているイッセーには悪いが、俺も証明はできない。ここまで大がかりだと対策の仕様がないし、自分の体の変化だけで手いっぱいだ。

 

 

 

 

あの後、ホームルームが始まって、席に着いた。

授業中ずっと体の異変について考えていたが、結局はっきりとした答えは出なかった。

いくつか可能性は絞れたんだが・・・

今は帰り道のスーパーで、夕飯の買い物をしている。

親は小さなころに死んだので、自分のことは自分でしなければならない。まあ、もう慣れたが。

うるさかった親族に適当に親の遺産を握らせて、今は一人暮らしをしている。生活費は株で稼いでいる。俺にかかればその程度容易い。

 

「すっかり暗くなったなぁ」

 

切れていた洗剤などを買っていたら、すっかり遅くなってしまった。

この後、見たいテレビあるんだよなぁ・・・

 

「・・・走るか」

 

俺は足が速い。面白半分で測ってみたら、短距離の日本記録を超えてしまったことがある。

なのでもともと自信はあったが・・・

 

「なんだこれ・・・」

 

さすがにこれは異常だ。両手に買い物袋持った人間が出せる速度ではない。

それに、視力や聴力も飛躍的に上がっている。

これじゃ、家まであっという間――

 

「っ!?」

 

その時、俺の全身に悪寒が走った。今まで感じたことのないような殺気が、前方から襲ってくる。

 

「あなたは・・・おかしいわね、始末したはずだったのだけど」

 

そこにいたのは、彼女――天野夕麻だった。

 

「ん?・・・そう、悪魔になったのね」

 

彼女は何かに気付いたように呟いた。

悪魔?それが俺の体の変化の理由だろうか?

 

「まあ、いいわ。あなた程度、どうとでもなるし、こんな地方にいる悪魔なんて、大した主でもないでしょう」

 

彼女は昨日と同じように、手元に光の槍を生み出した。

 

「今度は、跡形もなく殺してあげる」

 

それを俺に向けて振りかぶり、

 

「死ね」

 

投げた。

彼女が投げた槍は、俺に突き刺る――

 

「よっと」

 

ことはなかった。

俺がよけたからだ。

 

「なっ!?たかが下級悪魔が私の攻撃を避けるなんて!」

 

なんか驚いているが、俺にとってはどうってことはない。

あいつの攻撃は二回見た。イッセーを攻撃した時と、俺を攻撃した時だ。

それだけ見れば、癖やどこを狙っているか大体予測できる。

それに加え、身体能力も上がっている。

 

「・・・あなた、危険ね。私の計画の邪魔になる前に、消させてもらうわ」

 

今度は両手に槍を生み出して投げてくるが、これも当らない。

普通の人間だったら絶体絶命だろう。

相手の正体や力は分からず、こちらの力も把握しきれていない。

だが――それがどうした。

いつもと同じだ。足りないものを頭脳で補う。

万全の状態でしか戦えないのは凡人だ。

昨日は実力差がありすぎたが、今日は大丈夫。

この状況、俺なら――天才なら、切り抜けられる。




戦闘?は次回に続きます。
申し訳ございません。

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