ダイヤのAたち!   作:傍観者改め、介入者

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隠語になってないけど、まあ今回はこんなタイトルです。




第74話 躍動のSS

全国が注目する甲子園決勝。

 

「柿崎の体の開きがやや早いな。沖田がそれを逃すはずはないか」

大前は、これまで活躍を続ける沖田が、そんな隙を見せている柿崎を叩きのめす彼の姿にあまり驚いていない。

 

「ああ。連投の影響か、柿崎の投球に狂いが生じている。強打の青道にそれは致命的だな。」

 

「投手としての視点だが、立て直すのは相当難しいな。ここで連打を浴びれば、試合が決まる可能性も出てきた。」

 

 

試合はすでに3回に入る。3回までヒットを打てていない光南。対する青道は初回の3連打で2点を先制。続く結城はフォークに三振、御幸が上手くカーブを捉えるも、痛恨のライナー併殺打に終わり、後続も倒れた。

 

さらに3回表一死から小湊、沖田の連打でチャンスメイクしたものの、チェンジアップでタイミングを外された結城が凡退、続く御幸はまたしても二死の場面で好機を逃し、波にのれない。

 

そして、薬師高校でも

 

「投手が多いと、調子を崩すリスクも減るからなぁ。ったく、羨ましいぜ、ホントによぉぉ!」

轟監督は、沢村を万全の状態でマウンドに託し、対する光南は3連投の柿崎。2年生の投手では体力が持たないことを予期していた。

 

「秋大会でスタンドに放り込んでやる。というか、奴らが負けるところも、勝つところも見たくねぇ。」

三島は、沢村が好投している現実に目を逸らしたい気持ちがあった。西東京代表がここまで勝ち上がっているのは凄いが、それでも、あそこに立ちたい気持ちが強かった。

 

――――エースで4番、俺の求める理想は――――

 

 

「沖田の打棒が止まらないですね。雷市のスイングには及びませんけど、ミート力と、一球に対する集中力が違いますね。俺の時もそうでした」

真田は、沖田と雷市の違いに、一球に対する集中力と推察する。

 

轟はそのセンスを活かし、好投手たちを打ってきた。だが、ムラがあり、一球で仕留めそこなうケースもあった。

 

しかし沖田は違う。すべてではないが、真田のボール球を仕留め、甲子園の好投手を打ち崩す一打といい、好機に強い。

 

『空振り三振~~~!!! 淡白な打撃でこの回も3者凡退!! ランナーを出せません!! これで3つ目の三振を奪います、マウンドの沢村!!』

 

 

『球持ちがいいのか、やはり相当打ちづらそうですね。さらには癖球を駆使しているので、まともに捉えきれていないですね。前で捉えて、変化する前に捉えるべきか、後ろで引きつけて打つしかありませんね』

 

 

3回を終了した青道高校。沢村の好投も光り、優位に試合を運んでいる。

 

――――俺が、俺が投げ勝つんだ!! 

 

甲子園の栄冠。それを意識し始めた時、何かが変わり始めた。

 

―――――全国の高校球児が目指す頂に何が見えるのか――――

 

 

 

 

柿崎は、3回から投球を建て直し、緩急を使った投球で次の得点を許さない。

 

「ナイスピッチ、沢村!!」

 

「落ち着いているなぁ、沢村!!」

1年生野手陣からは称賛の声。王者を追い詰めている。

 

「沢村、回を追うごとに、リードも変えていくぞ。光南に流れを渡さないためにな」

御幸は打撃では調子がまた落ちているが、それでも好リードで沢村を引っ張る。

 

―――――けど、上手くいっているのに、怖い。なんだ、この感じは

 

御幸は、沢村の様子にやや不安を感じる。スライダーという決め球を覚えてから、安定感と威力が格段に上がった。だが、それ以来活躍に活躍を重ねている。

 

だが、甘くはなかった。スライダーは宝徳戦、もしかすれば妙徳戦から完全に見切られている。

 

 

――――スライダーをあまり使わずに、どこまでもつのか。それを考えると、今は得点が欲しい。

 

 

 

今の沢村には、軸になるウイニングショットがない。それを自覚しているからか、彼の表情がさえないように見えたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

4回表、光南は打順返って1番の島村。前の打席は高速パームで三振を奪われている。しかし当然、

 

――――粘ったらチェンジアップが来る。引き付けて引き付け、打つ。それにスライダーはフォームで分かる。

 

 

「どんどん、投げ込んでいけ、沢村ァァア!!」

 

「打たせていけ!!」

 

外野の伊佐敷、内野の結城からも沢村を盛り立てる声が続く。沢村も、2巡目を当然警戒しており、御幸のサインを注視する。

 

――――初球ボール球のチェンジアップ、見せていくぞ

 

「ボールっ!!」

初球反応した島村、しかしバットは出さない。

 

――――反応した、ここで、ムービング。緩急に加え、癖球で凡打なら―――

 

ズバァァァンッっ!!

 

「ストライクっ!!」

しかし、島村またも手を出さない。

 

――――――――初球から手を出してくると思ったが、打席を変えた?

 

御幸は表情には出さないが、島村が何かを変えてきたことを感じていた。

 

――――遠慮なくムービングで攻めさせてもらう

 

「ストライクツーっ!!」

 

 

カァァァンっ!!

 

「ファウルッ!!」

 

3球続けてのストレート系に最後は手を出す島村。だが、カウントは悪いまま。待ち球もよくわからない。

 

――――ここでスライダーだ。打ち取るぞ。

 

御幸のサインに頷く沢村。

 

 

――――外角のスライダー。低目なら見逃して――――――

 

 

 

カキィィィンッッッ!!!

 

 

 

痛烈な打球が、沢村の真横を通り過ぎた。

 

 

「っ……!」

思わず打球方向を見る沢村。もはや見慣れた光景。スライダーが今度は全く通用しない。

 

 

 

甘く入ったとはいえ、真芯で捉えられた。外角にボールになるコースを要求したが、うちに入ってしまったのだ。

 

 

 

―――――ベルトの高さは、振り抜くっ!!

 

『センター前に抜ける!! ここでようやく初ヒットの光南!! 先頭打者を出してチャンスを拡大できるか!?』

 

 

続く、2番布施。

 

――――やはり狙い目は広く開いた一二塁間。守備範囲の広い沖田に守備機会を与えるのは愚策だ。

 

布施は、沖田の好守における貢献度を考え、彼の方へと打球を打たないことを心掛けた。

 

 

 

ズバァァァンッッッ!!

 

 

「ストライクっ!!!」

アウトコースのストレート。徹底的に引っ張らせない配球。御幸もそれは解っているのだ。だからこそ、リードも絞られてくる。

 

 

――――先ほど、スライダーが甘く入ったとはいえ、まだ信用は失われていないはず。なら、

 

 

御幸は明らかに顔色が変わった沢村にサインを送る。

 

――――今のは甘く入ったスライダー。切り替えていくぞ、カウントは稼げるはずだ。

 

 

「ボールっ!!」

際どいコースがボールになり、初球ボール。

 

 

――――コースも良いところはついている。大丈夫だ。

 

球威も制球も落ちているわけではない。まだ沢村に勢いはある。目線を変えるだけでもスライダーには使いようがある。

 

 

 

カキィィィンッッ!!

 

『三塁線抜ける~~~!!!! レフト線長打コースっ!!!』

 

 

続く二球目のムービングボールを逆らわずに逆方向へのヒッティング。増子の横を通り過ぎる打球により、島村が一気に三塁、打った布施も二塁に到達。

 

―――――打撃を変えてきたのか!?

 

前でさばく、ポイントを前にすることで、ムービングする前に弾き返しに来た光南打者。

 

 

『4回表、光南チャンス到来!! 連続ヒットで無死二塁三塁!! ここで3番の南野!! 前の打席はチェンジアップを捉えた当たり!!』

 

 

――――チェンジアップ系はストライクに投げられない。外角低め、ボールになるチェンジアップを投げるぞ。

 

 

しかし、安全に打ち取ろうとする御幸の上を行く、経験のある3年生南野。

 

 

カキィィィィンッッッ!!!

 

「!!!!」

沢村のボールになる変化球を強引に打ち返し、二塁小湊の頭を超えるヒット。ボール球をあそこまで飛ばされた沢村に動揺が走る。

 

 

――――なんで!? ボール球なのに、何であそこまで――――っ!!!

 

打たれた方向を見ているほかない沢村。それだけあの球を打たれたことがショックだった。

 

 

『二塁の頭を超える!!! 三塁ランナーホームイン!! 二塁ランナー三塁ストップ!! ここで光南追撃のタイムリーヒットで差を1点差とします!!』

 

 

「しゃぁぁぁ!!!」

3年生の意地の一打。一塁ベースでガッツポーズをする南野。

 

 

さらに――――――

 

 

『ランナー走る!!! 送球はどうだ!?』

 

沢村がとにかく自分で考えたクイック投法のチェンジオブペースで打者を打ち取ろうとするが、選択を間違えた。これは追い込んだときに使うといいのだが、初球から使うモノではない。だが、今の徐々に落ち着きを失いつつある沢村には厳しい。

 

 

本塁への突入もあり得る中、御幸も迂闊には投げられない。

 

 

 

『盗塁成功!! これで無死二塁三塁!! またしても同じシチュエーションが出来上がりました!!』

 

『一気にチャンスメイクしましたね。これでどうなるか』

 

 

――――甘い球はダメ、スライダーが打たれた? 軸になる球はどれに―――

 

 

沢村の頭が混沌としてきた。

 

 

――――くそっ、ここでパームを投げるべきか、もう選択の余地もない!

 

御幸は初球からパームを要求する。この球が、何かを変えてくれるかもしれない、そう信じて。

 

 

カァァァァンッッ!!

 

 

 

「ファウルっ!!!」

 

 

「!!!」

いきなり当てられたことに、沢村はまたしても衝撃を受ける。今まで磨かれたこのウイニングショットが当てられている。

 

――――パームなら……!!

 

「ボールっ!!」

続くパームが外れ、1ボール1ストライク。苦しい表情の沢村。

 

 

―――ここで、インコースのカットボール。前進守備でホームゲッツーが取れれば――

 

 

ここで青道は内野前進を選択。とにかく詰まらせて、内野ゴロを打たせる。それでゴロゴーにも対応する。

 

 

――――ゴロゴー警戒か、なら詰まらせてくるボール。インコースのムービング、アウトコースのムービング。緩い球はまずまともに投げてこない。

 

とにかく詰まらせてくると考えた垣屋。どちらのコースも厳しく来ることが解っている。

 

 

『無死二塁三塁!! 同点、逆転のピンチ!! マウンドの沢村、凌げるか!? 青道は前進守備を取ります!!』

 

 

ここで、垣屋は守備位置で配球を予測。緩い球はないと判断する。

 

 

――――何とか、この場は――――

 

 

 

――――ミートすれば、振り抜けば頭は超えられる。

 

 

カァァァァンッッッ!!

 

「詰まった!?」

 

『ショートの頭を――――!!』

 

 

「ちっ!!」

 

パシッ!!

 

だが、沖田がジャンプ一番、ダイビングキャッチでファインプレー。抜けたと思ったあたりを捕球してくれた彼に、驚いた沢村。

 

 

『ショートジャンプ一番~~~~!!!!! 捕りました!! ここで青道にいいプレー!! ランナーそれぞれ慌てて帰塁します!!! 大きいですねぇ。』

 

『いい当たりでしたが、沖田君の素晴らしい反応がはばみましたね。ジャンプのタイミングもほぼ最高のタイミング。余裕もありましたね。』

 

 

 

『ここで青道、初めてのタイムを取ります!』

 

 

内野陣が集まり、青道側がまずタイムを取る。

 

「力み過ぎだ、沢村。決勝の舞台だけど、今までどおりでいいんだよ」

 

「うっす――――」

 

「沢村、1点差は確かに少ない。だがむしろ、今は開き直って投げろ。俺達がそれ以上に得点する。」

結城が諭すように、そして沢村に落ち着きを取り戻させるために、開き直ることを勧める。

 

「そうだよ。これはお前のゲームじゃない。この試合の命運を、お前だけに背負わせないよ」

小湊も、厳しいことを言うが、その言葉の次に、彼を元気づけるための言葉を投げかける。

 

 

「は、はい――――」

沢村はそれで少し笑顔を取り戻したが、まだ笑顔が堅い。失点し、尚も一死二塁三塁のピンチ。やはりそう簡単に切り替えることが出来ていないようだ。

 

 

タイムの時間が終わり、それぞれ守備位置に戻る青道ナイン。マウンドに残るのは沢村一人。

 

 

青道ベンチでは、

 

 

「――――川上と丹波の準備を急がせろ。川上から行くぞ」

片岡監督は、この回で沢村が崩れた場合、川上を二番手として登板させることを決意する。

 

「そ、そうですね……沢村が一巡を過ぎた後に、ここまで捉えられるとは―――」

原因が分からない。相手が慣れているわけではない。沢村のボールもコースに決まり、その場合は打たれていない。

 

原因は、チェンジアップを投げ切れていないこと。この局面、相手は当然当てに来る。だからこそ、緩い球を簡単に当てられる可能性が高い。さらに金属バットでは内野の頭を越えられる可能性も高いのだ。緩急を武器とする沢村には致命的なケースである。パームの切れがかろうじてあるからこそ、まだ持ち直しているが、いつ崩れてもおかしくない。

 

 

 

1点リードをしているが、1点など簡単に追い付かれてしまう。だからこそ、御幸も冷静さを失っていた。

 

一気に二人の投手が抜けたのだ。投手力の低下は避けられず、捕手の彼にはより慎重なリードが求められる。

 

迂闊に緩い球を投げて、傷口を広げては、この回で戦局がひっくり返ることもあり得るのだ。

 

 

『さぁ、4番垣屋の当たりは好捕されましたが、まだ一死!! ここで5番の巌岳!!』

 

 

ククッ、ギュオンッ!!

 

「ボールっ!!」

高速パームが外れる。苦しい沢村を見透かすかのように、光南の打者は冷静だ。

 

琉球特有の、応援歌が甲子園に響く。その圧倒的な存在感が、青道を、沢村を追い詰める。

 

――――――なんだよ、この歓声―――なんなんだよ、これ――――

 

沢村は、甲子園に魔物に呑まれつつあった。厳しい場面、周りの物すべてが敵になっているような感覚で、体を脱力させようにも、緊張で力んでしまう。

 

 

――――表情が硬い、けど、遊び球を要求すれば苦しくなる。

 

御幸の頭にも、あのスライダーがちらつく。だが、

 

――――ここで、相手がスライダーを待っている可能性もある。迂闊には投げられない。

 

「ボールツーッ!!」

しかし、カットボールが外れる。巌をのけぞらせることは出来たが、外れる。

 

 

『ストライクはいりません!! 苦しい表情の沢村!!』

 

 

そして3球目、

 

―――――もう一球カッター。今ので感覚が解ったはず。今一番感覚が近いのは―――

 

青道はここで中間守備。打球によって、一点は仕方ないと言った陣形。

 

 

―――ここで、食い止めるぞ。俺もお前も、腹を括るしかない!

 

御幸の熱い激が、サインに現れている。それを見た沢村も、

 

――――っ!! 逃げたくないッ!!

 

 

内に僅かに入ったカットボール。それを巌が捉える。

 

 

 

カァァァンッッ!!

 

 

打球は上がらない。だが、真芯で捉えられたこの打球が三遊間に転がる。

 

 

『打ったァァ!! 三遊間深いところ抜け――ない!!』

 

 

ここで守備範囲の広い沖田の好捕。

 

その打球に対する反応も早い。表情こそ苦しげだが、深い位置に転がる鋭い打球を外野に抜けさせない。

 

 

 

『ここでまた沖田が取り――そのまま本塁転送~~~!!!!』

 

 

 

打球に追い付いた沖田は走り込みながら難しい体勢で、送球するという暴挙に出る。

 

――――なっ!?

 

打った巌は驚愕した。あの体勢で本塁捕殺を断行したのだ。しかもその送球は――――

 

 

本塁突入する三塁ランナーを憤死させるには十分過ぎるほど正確なモノだった。

 

 

――――これが、一年生の肩なのか!?

 

目の前で矢のような送球が御幸のミットに収まった光景を見せつけられた布施。当然結果は、

 

「アウトォォォォぉ!!」

御幸の鬼気迫る猛追で、あえなくタッチアウト。そして一塁ベースへと懸命に走る巌を見た御幸。

 

『本塁クロスプレー!! タッチアウトォォォ!! 沖田のファインプレー!! あっと、一塁転送どうかぁぁ!!?』

 

――――後輩ばかりに、頼ってちゃ――――

 

ギュインッッッ!!!

 

強肩捕手、御幸も沖田に続く。彼のセールスポイントを活かしたその武器が、光南の攻撃を食い止めるべく、この甲子園の大舞台で炸裂する。

 

――――いけないでしょ!?

 

 

「アウトォォォォォォ!!!!」

巌は間に合わず、ここで光南痛恨のホームゲッツー。強硬策に出たものの、沖田と御幸の強肩の前に、一瞬にしてスリーアウト。

 

 

琉球の応援歌が一瞬にして萎んだ。

 

 

『アウトォォォォぉ!!!! 一塁もアウトです!! この局面で青道にいいプレーが出ました!!! 1年生、ショート沖田! 再三沢村を助けるファインプレー!!! キャッチャー御幸の強肩も合わさり、一瞬にしてスリーアウト!!!』

 

『よくあの体勢で強い送球を投げましたね。あれは余程スナップに自信がないとできませんよ。三遊間深いところから、間髪入れずに送球するところは、やはり高校生離れした守備ですね』

 

『光南高校、同点、逆転のチャンスでしたが、結局1点どまり!! 1年生沢村を盛り立てます、青道守備陣!!』

 

「―――――――――――」

一塁へと激走を見せた巌。しかし、結果はホームゲッツー。その立役者である沖田を見つめるが、どうすることも出来ない。

 

――――あれが何で抜けない!? というより、なんで俺はアウトになったんだ……

 

 

1年生の守備範囲ではない。打撃で派手さを見せる沖田だが、攻撃以上に守備での貢献が大きい。

 

 

――――高校野球最高のショートストップ。

 

 

『いやァァァ、よく捕りましたね、あそこまで深い打球で、二つアウトを取りましたよ』

 

『打撃面で評価を得ていますが、守備範囲とこの強肩はチームにとって大きいですね。鉄壁と言った方がいいですね』

 

『ショートに打球が飛ぶと、望みが薄くなります』

 

 

 

 

 

「お、おぉぉぉぉ!!!!!」

目の前で物凄いプレーを見せつけられた沢村。思わずうなってしまう。自分の中で追い詰められていた感情が吹っ飛び、沖田と御幸に声をかける。

 

「わ、悪ぃぃ!! 助かったぜ、沖田―――」

 

「ったく。ちょっといいボールが打たれたぐらいで動揺し過ぎだ、バカ野郎」

困った顔で、沖田は沢村の核心をつく。

 

「うっ、でも―――あれは―――」

 

「どんな球も、打たれないことなんてない。もう一度投球の原点について考えろ! 色々な球種を使って抑えるのが投手だろうよ! 特にお前はそういうタイプなんだから!」

 

 

「ははっ、言いたいことを全部言われちまったなぁ。俺も、どうかしてた。すまん」

御幸も、冷静さを無くしていた。カッターを二球連続で要求し、熱くなり過ぎていた。沢村は本来躱す投手なのだ。

 

 

 

――――熱くなり過ぎた、空振りが奪えない以上、詰まらせるするしかないと思い込んでいたな

 

 

 

 

『無死二塁三塁から一点どまりの光南!! これは大きいですねぇ!!』

 

『特に沖田君のあの守備は、チームに勢いを与えますね。1年生ながら、華のあるプレーで甲子園を魅せますね。これが3年生になればどうなるのかが楽しみです。』

 

前半戦から接戦、緊迫した場面の続く甲子園決勝。果たして、栄冠を手にするのはどちらか。

 

 

 




沖田君さすがすぎる。先制打に好守2連発とかなんだこの内野手。


大塚、沢村、沖田、轟、降谷、黒羽の中から誰が欲しいと言われたら・・・


作者は沖田ですね。打てて守れる若いショートとか、争奪戦不可避。野球界でも人材不足ですし

最近ダイヤのAが再開されましたね。ちょっと巨摩大のところを修正しようと思います。

変更点は

横浦の初戦の相手を巨摩大に変更。スコアは変わらず。

大阪の相手を横浦の初戦の相手に変更。スコア変わらず

にしたいと思います。作中最強の打線なので、巨摩大の名前ありキャラをフルボッコにするには十分かなと。

原作とは違い、坂田と黒羽にフルボッコされ、1年生リリーバーコンビ(風神雷神っぽい)に封殺された苦い記憶を持ってもらいましょう。

まだ情報もあまりないのに、この設定が確定するのは酷い話ですけどね

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