1回戦は甲子園の記憶にも残るあの高校がモデルです。
8月4日。ついに青道野球部は甲子園入りを果たし、その野球の聖地を前に、その闘争心を高めていた。
「………ここが、甲子園………」
伊佐敷は、初めて見る生の甲子園に鳥肌が立っていた。
「ここが………俺達の目指していた場所」
小湊も、初めてくる甲子園に胸を躍らせていた。
「………………」じーん
結城は言葉にすることもなく、その球場を見ていた。
「どこまで自分の投球をするか………俺に必要なのは、それだけだ」
丹波は、この中で意外に冷静だった。自分が予選を投げていないという事もあり、丹波には絶対に勝つための投球をするという強い心があった。
「……………父さんも、ここで投げたことがあるんだよね………」
大塚和正は、甲子園に4度出場した。だが、甲子園の魔物によって準優勝どまり。
サヨナラフィルダースチョイス。無援護。二番手の失点。
まさにトラウマに近い敗戦を経て、プロで躍動した大塚和正。制球への意欲は、その挫折からかなり意識したという。
父が果たせなかった栄冠。自分はどこまで栄冠に近づけるのか。
「…………ああ。凄い投手だった」
片岡監督も、彼の現役の姿に憧れた。だが、自分にはまねできない投手であることはすぐに分かった。
「すぐに宿に向かうぞ。このまま運転手を待たせるわけにはいかん」
一同は宿舎へと向かうことになり、ほんの少しだけ、甲子園を後にした。
この夏で一番、多くの試合をするために、今は英気を養うのだ。
そして宿舎にて、
「……………」ポチポチ、
沢村はメールが来たらしく、返信作業を行っていた。倉持はその動きに、頭の中で何かが光る。
「ムムムム…………沢村めぇ…………」
彼の顔をよく見ると、なんだか照れくさそうにしながら、文字を打ち込んでいた。ほぼ間違いなく。
―――若菜か!!!! 若菜なんだな!! ちくしょぉぉぉぉ!!!!
「あらら………」
御幸も何気に沢村が可愛い彼女を作っていること、遠距離でも全然赤い糸が切れていないことを羨ましく思っていたりする。顔には自信があるが、なぜか同年代の女性が来ないことに悩んでいたりする。
「俺も何でモテないのかな………」
「テメェの性格だよ!! テメェの!!」
倉持が突っ込む。
しかし、沢村がリア充なのは部内での周知の事実。特に何かをするつもりもなく、倉持はある決意をする。
「……………やるぞ、御幸…………」
倉持が何かを言った。
「甲子園で活躍して、モテる………絶対モテてやる………」
「動機が不純すぎだろ………」
下級生に先を越され、倉持にラブパワーが付加された。甲子園で彼はきっと活躍してくれるだろう。
「甲子園もいただくのは当然だし!!」
「大丈夫かな………吉川さん………」
大塚はついそんなことを口にする。自分が見ていないとやや不安ではあるのだ。先に宿舎に来て、後からやってくることは解る。だが、その道中でトラブルがなければいいのだが。
「心配し過ぎ。道中で10回目」
隣の席の降谷が大塚の言葉にそう反応する。彼もあの少女があぶなっかしいのは知っているが、ここまで心配することなのだろうかと。
「沖田はなんかその話をすると、人外の言葉を発するし、東条君は苦笑いするだけだし、春市は黒い笑みを見せるし、沢村はリア充中だし………」
大塚が他の1年生の状況を説明すると、
「僕は呆れた言葉を君に返すよ」
降谷も大塚のいつもの頼りある姿ではない今に、嘆息する。
「こうなったら到着後に御幸先輩に相談しようかな。」
「…………勝手にすればいいと思う(あの人、案外モテないからな)」
かなり失礼なことを考えている一年生コンビだった。
なお、到着後の落ち着いた時間帯、御幸、倉持に春乃の様子が心配だと反射的に名前呼びした大塚は、倉持に追いかけられる模様。
「何で怒っているんですか!!!!」
「寝言を言うからだ、ヒャッハァァァ!!!!(泣)」
「マジで疲れるなぁ、泣けるなぁ………」
御幸の言葉は切実だったと、白洲、川上は語る。
初めての夏初日は、なんだか騒がしかった。
「この大舞台を前にして、緊張感がありすぎるのもな。締めるところは締めてくれるだろう。」
片岡監督は、迷惑行為がなければ傍観する模様。
「初戦の先発は対戦相手が決まってから、ですね」
「ああ。少しでも長く、アイツらに野球をやらせたい。」
自分にとっても久しぶりの甲子園。故に、その聖地の味を、最後まで味あわせてやりたいのだ。
そして運命の抽選会。毎年番狂わせが起こりかねない抽選。強豪校との潰し合い、ジャイアントキリング。ここから甲子園のドラマは始まるのだ。
そのドラマの幕開けは、大阪市北区のOSAKAフェスティバルホールで行われる。ここには全国の予選を勝ち上がってきた猛者たちが一同に集い、各チームの主将が抽選を引くことになっている。
一方、残りの一軍メンバーたちは、座席にてその様子を見守っていた。
「……………」
緊張した面持ちの伊佐敷。
「どこと当たっても、結局はやり合うし、強い奴を先に潰すのが楽かな」
挑戦的な言葉で余裕を見せる小湊。
「…………(さてさて、どこと当たることになるやら)」
御幸も壇上から目を逸らさなかった。
「………主将………」
沖田は師匠でもある結城のくじ運を何気に信じていたりする。
「登板間隔を考えると、優勝候補を先に潰しておきたいんだけどね」
大塚も小湊と同意見のようである。
「どこも何か一味違う………これまでの奴らとは………」
沢村は強烈なプレッシャーを感じていた。強敵揃いの予選だったが、ここにいる選手たちの雰囲気はどこか違う。全国からやってきたチームは、予選で当たってきたチームと何かが違う。
予選でも青道を苦しめたチームは2チームいたが、その雰囲気とも違う。
「まあ、ここにいるチームは、全員あの予選を勝ち上がったチームだからな。」
御幸が沢村の疑問にそう答える。
「だが、お前たちはあの激戦区を勝ち上がったんだ。自信は持っていい」
クリスの言葉に、沢村は
「うっす………」
自分に気合を入れるように、声を出すのだった。
ついに始まる。
「ただいまより第93回全国高等学校野球選手権大会の組み合わせ抽選会を行います。私PWテレビアナウンサーの堂前一郎です。本日はよろしくお願いします」
次々と番号を取っていく各チームの代表。結城もそれに倣い、番号を取り出す。
その結果――――
「なっ!!!」
伊佐敷は立ち上がり、
「そう来たか」
小湊、大塚は笑みをこぼす。
その日程はなんと、大会初日の開幕試合。そして対戦するのは―――
「………佐賀の作間西高校か。」
佐賀の古豪、作間西高校。予選から接戦に強いチームと言われ、前評判を覆したチームの一つ。
初戦の相手は全国区での強豪ではなかった。だが―――
「難しい試合が待っているな…………」
御幸の顔はすぐれない。順当通りにいけば―――
2回戦は岡山の観西高校と愛知西邦の勝者。西邦には佐野修造という強打者がいるが、彼だけのチームではない。
3回戦はどこが来るかもわからない程拮抗している。
恐らく、準々決勝では―――
「神木鉄平…………」
勝ち進めば、前橋学園のエースにして、プロ注目の今大会注目の右腕と名高い男。予選でも進化を見せ、球速は151キロまで上がっている。その上彼の最大の特徴は球速ではなく、その制球力。成宮よりも明らかに格上の投手であり、立ち上がりの隙もあまり見せない。
本格派にして、制球力もあるハイブリット投手。
練習試合とはいえ、青道を序盤は抑え込み、沖田の読み打ちがなければロースコアだった投手だ。
準決勝は間違いなく、横浦と巨摩大の勝者がやってくるだろう。プロ注目の神奈川県下の投手の全てに対し、自責点6以上を与える打線。神奈川県下で最速147キロのプロ注目の速球派投手相手に8点を奪う猛攻、後続の投手からも得点を重ね、その試合は17-1で完勝。
巨摩大にも有望な選手はたくさんいる。青道に匹敵する投手陣を前に、横浦がどこまで食いつくかは、今後の参考になるのは間違いない。
どちらも優勝候補、あまりにも早い対決に、甲子園ファンは衝撃を受けた。しかも準々決勝で大阪桐生と対戦するかもしれないのだ。
青道とは逆のブロックには、広島光陵高校が入る。そして、その光陵が順当通りに勝てば、準決勝では今年の選抜を制した琉球旋風――――
選抜優勝校の沖縄光南高校。あの前橋学園のエース、神木と決勝で対決。決勝は延長11回の死闘の末、2-0で投げ勝った大会ナンバーワン左腕の2年生エース柿崎則春を擁している。
彼の最速は150キロで、140キロ前半の球を平常時に投げ込んでくる。球種はスライダー、カーブ、フォーク、ツーシーム、カットボールと、多彩な変化球で的を絞らせない。多彩な変化球を誇るが、神木と比べると、制球力は雲泥の差。圧倒的な決め球はないというのがクリスの見解だ。
だが、彼には投手としての幅が広く、その切り替えの早さが売りである。制球力や球威だけではない。
投手としての実力は、あの神木に匹敵する。
打線は春選抜の大会記録を更新する勢いだった光南。1番から6番までが強打者であり、横浦高校の恐怖の3番4番には劣るが、それぞれが長打を誇るバッターで組まれている。
更にその打撃力は、ベスト8の市大三高の真中を相手に6得点をあげるなど、並の投手では抑え込めない。その試合は市大三高が10-3と大敗を喫している。なお、柿崎は7回無失点で降板しており、あの市大三高が一点も奪えなかった。
しかし、その自慢の投手力も、横浦打線の前に12失点を喫するなど、青道の最大の敵は横浦であるのかもしれない。その選抜の試合ではその柿崎が6回途中6失点で降板している。特に坂田久遠には2打席連続で長打を浴び、うち1つはホームラン。スリーランホームランを打たれている。結局その試合は16-12で辛くも光南が勝利した。
つまり、準決勝でぶつかる横浦は、全国最強の打線であること、そのディフェンスも、ルーキー捕手の黒羽によってカバーされている。
世間の目では、横浦が光南の春夏連覇を防ぐとみられている。
「いいじゃねぇか」
伊佐敷はこの抽選は不利だと感じているのが普通だと思うが、逆にチャンスでもあるという。
「強い奴を倒してこそ、王者じゃねェのか?」
「ははっ………そうだよね。そうだよ、純」
小湊も、伊佐敷の物言いに共感する。
「………俺達が踏ん張れば、負けはしない………」
大塚は無失点で抑えられるとは思っていない。だが、チームに勝利を与えられる投球をすることに徹する。
こうして、日程が決まり、宿舎へと戻る一同。クリスの解説が始まる。
「初戦の相手は佐賀の作間西高校。とにかくスモールベースボールで、ミート、走塁重視のチームですね。大きいのはこの3番の大泉、5番の立川、6番尾崎以外はいません。」
3番と5番は左打者。6番は右打者。主軸からは右打者と左打者のジグザグ打線。継投もしにくい。
「エースは3年の大田原。マックス142キロのストレートに、スライダー、シンカーを投げますね。良い時はいいですが、悪い時は所々制球がかなり甘くなり、イニングごとに調子がかわるようです。」
スコアを見ると、四死球の酷さが見て取れる。大塚は思わず、
「酷いな…………これは………フォームはどうなんです?」
フォームがばらばらなのか、それとも体に染みついたフォームが悪いのか。大塚の言葉に、
「お前からすれば、卒倒ものだ。あまり意識はするなよ。」
クリスもさりげなく毒を吐き、大塚は意識するなと忠告する。
「1番2番はスモールベースボールというだけあって、かなりの俊足です。選球眼については、追い込まれてから粘る傾向ですね。後は1塁にランナーがいる場合は、徹底して送りバントです。予選の犠打の数もかなりのモノで、大体の打者が俊足といっても過言ではないでしょう。」
小技と足技を絡めた攻撃で、相手のリズムを崩しに行くタイプなのだろう。
「………先発は沢村で行く。点差がつけば丹波を投入し、何事もなければそのまま行かせる。」
初戦開幕試合。先発は1年生の沢村。目安は恐らく7回まで。だが、セーブして投げることを言われ、次戦に向けての連投の準備もしてほしいとのこと。川上、降谷はリリーフとしてピンチを摘み取ってもらう。
「解りました! ボ……監督!!」
1回戦は佐賀西。
8月9日。その青道の初陣、開幕戦がやってくる――――
『さぁ、今年もこの夏の甲子園でどんなドラマが起こるのでしょうか。夏の甲子園一回戦第一試合。西東京青道高校対、佐賀の作間西高校の試合。今年の西東京、まさに総合力で勝ち上がってきた青道高校。今大会ナンバーワンのチーム投手成績を引っさげ、この夏にやってきました!』
一塁アルプススタンド側のベンチから出てきた青道ナインと、三塁アルプス側から選手を送り出す作間西高校。明らかに、佐賀代表は西東京を意識していた。
『今大会の初陣に、青道は1年生投手を送り込んできました!! 背番号11、沢村栄純!! 予選では市大三高の真中を打ち破った薬師打線を無失点に抑え込み、続く仙泉学園戦では5回を無失点、8つの三振を奪う力投!! 青道一年生の3本の矢の一角!! ついに甲子園デビューです!!』
マウンドには、冷静な表情で淡々と投球練習を行う沢村。気負いもなく、焦りもない。
『予選での詳しい成績をご紹介しましょう。3年生の丹波は、予選での登板がありませんでした。2年生の川上はリリーフ登板が多く、いずれも無失点。』
まずは上級生の成績が紹介される。背番号1の丹波は予選での成績がない為、表示はされないが、川上は主にリリーフ登板。準決勝、決勝戦は登板機会がなかったが、安定感は抜群。
そして―――
『そしてマウンドの沢村。予選では驚異の防御率0点台! 後ろに控えるは最速153キロの剛腕、降谷暁!! その伸びのあるストレートで、強打者をねじ伏せていきました。』
ベンチで待機している降谷がアップされ、最後に――
『今大会注目の1年生投手、大塚栄治!! 初戦はベンチ入りですが、果たして登板機会はあるのか!?』
その後、作間西高校の紹介が流れ、
『さぁ、始まります。夏の甲子園開幕です!!』
けたたましいサイレンの音とともに、甲子園の戦いが始まる。
初回先頭打者に対し、西東京の強打者を抑えてきた根幹、沢村の変則フォームが牙をむく。
球持ちの良いストレートがいきなりアウトコースに入る。最初の先頭打者は、フォームに翻弄され結局、
「ストライクっ!! バッターアウトっ!!」
外角のストレートに手が出ず三振。その前のサークルチェンジにタイミングを狂わされた右打者の一番遠い所に、キレのあるストレート。
続く右打者にはカットボールで詰まらせ、ゴロに打ち取ると―――
―――ここは要注意だぞ、沢村!
マークしていた3番の大泉。左打席に立ち、沢村を睨んでいる。御幸としても、予選で当たっていた打者であるこの男に甘い球は禁物だと、低めのジェスチャーをする。
―――まずは、インコースムービングで出方を見る。ボールでいい。厳しいコースに投げ込んで来い!!
「ボールっ!!」
内角に僅かに外れたムービングファースト。しかし、そのあまりの暴れっぷりに、思わず大泉はのけ反った。
―――これが、沢村の癖球か………ッ!
続く2球目は大塚の見様見真似のパラシュートチェンジ。タイミングを狂わされ、バットは空を切る。
――――ここで高速パームだ。タイミングを外して、ゴロを打たせる。低めのボール球。お前のパームは―――
ククッ、ストンッ
「!!!」
大泉もバットを出した瞬間に感じ取った。
―――角度があればあるほど活きるってな!!
「セカンッ!!!」
小湊への力のない打球。難なくさばき、この回は素晴らしい立ち上がりの沢村。
そして初回の裏―――
先頭打者の倉持が内野安打で出塁し、小湊が送りバント。続くのは右の強打者、沖田道広。
ストレートが外れて二球目の変化球を―――
カキィィィィンッッッッ!!!!!
スライダーが甘く入り、レフトスタンドへと叩き込んだ沖田。ライナーでその打球は吸い込まれていった。
『入ったァァァァ!!!! 1年生沖田の、先制ツーランホームラン!!!! 青道先制!! 2-0!!』
さらに続く結城も、
カキィィィンッッッッ!!!!
『ライト伸びる!! 伸びる、伸びていく~~~!!!!!! 二者連続ホームラン!!! 3番4番脅威の破壊力!!! 初回からエンジン全開の青道高校!!! ホームラン攻勢で3点目!!!!!』
小さくガッツポーズをしながら、結城はベースを回っていく。
結局この回は3点を取り、一年生沢村を援護する心強い得点。これでさらに力みが取れたのか、緩急自在の投球を披露する。
「ストライクっ!! バッターアウトっ!!!」
『4回終わって、まだヒットを打たれていない沢村!!! 奪った三振は5つ!! 素晴らしい投球を続けています!!』
未だ四死球もゼロ。
しかし5回二死。
カァァァン!!
『ああっと!! 沢村の股間を擦り抜けたセンター返し!!! 遂に初ヒットの作間西高校!!』
一塁ベース上で、沢村に打ったぞ、と吠える6番打者。しかし続く7番打者には――
クク、ギュインっ!!
ここで、沢村の宝刀が右打者に炸裂する。右左関係ないこの決め球は、右打者のインコースに迫り、同時に泣き所へと進んでいくのだ。
『落ちたぁぁぁ!!! 空振り三振!! 沢村の決め球、スライダーにバットが出てしまった森木!! この回初ヒットでしたが、スリーアウトチェンジ! 一年生沢村を攻略できません!!』
その後、6回にムービングに慣れ始めた作間西高校。連続ヒットで一死二塁一塁のチャンスを作り、バッターは2番山口。右打者として打席に立つが、
『打ち取られた!! 詰まらされた!! 6-4-3のゲッツー!!! この得点圏で強硬策の作間西!! チャンスを生かし切れませんでした!!!』
沢村の内角をえぐるカットボールに詰まらされ、痛恨のショートゴロゲッツー。得点圏で後一歩が出ない。
打線も初回から相手エース大田原を捉え、7回表終了時に8点を奪う猛攻。すでに太田原は6回で降板。結城の打棒が止まらない。
ワンサイドゲームで、攻略の糸口すらつかめない作間西高校。7回も沢村自慢のスライダーにバットは空を切り、9つの三振を献上してしまう。
そして8回―――
――――青道高校、選手の交代をお知らせします。沢村君に変わりまして、川上君。投手、川上君。背番号10。
ここでサイドスロー川上をマウンドへと送り出す片岡監督。変則投手を次々に投入し、作間西に的を絞らせない気である。さらに言えば、降谷、大塚を温存したいというのもあった。
川上はシンカーを軸に、左打者にも臆せず挑み、パーフェクトリリーフとはいかなかったが、1回を1安打無失点。1つの三振を奪う力投。最期は丹波がこの夏最初の登板、合宿の時の丹波に戻っており、三者凡退で試合終了。
打撃陣も最後までアクセルを緩めず、11点の猛攻で圧勝。結城の4打点の活躍もあり、初戦の重圧を力でねじ伏せた。
沢村 7回3安打無失点 9奪三振。
川上 1回1安打無失点 1奪三振。
丹波 1回無安打無失点 2奪三振。
打撃陣
結城 5打数3安打4打点。2ホーマー&猛打賞。一気にドラフト候補に。
沖田 5打数4安打3打点。1ホームラン。大型内野手として一躍全国区へ
試合は青道終始リードの展開。6回までに3本のホームランが飛び出し、大量得点を奪った青道。作間西のエース大田原は6回でKO。一方対照的に1年生左腕沢村は快調なピッチング。7回3安打無失点で川上、丹波にバトンを渡し、完封リレー。11-0で西東京の代表の強さを存分に見せつけた。
これは酷い。
しかし、横浦の方が情け容赦がないので許される筈。
結城さんがハッスルし過ぎてヤバい。そして何食わぬ顔で三凡に抑える丹波投手。
取りあえず、酷い誤字と失敗を見た by作者