孤独と共に歩む者   作:Klotho

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短めです。

スランプです。

多分修正入るかもです。


『蠱毒と境界』

 

 

 

 明るい日差し、美しい草花、優しく吹き抜ける風……未だ人の手が一切入れられていない自然の

中から、複数の唸り声と息遣いが聞こえて来た。

 

「ウゥゥ……ゥ」

 

 まるで人間の様な声を出す彼等は、今はまだ妖怪に変化している最中なのだろう。元が狼だった

のか何か別の動物だったのかは分からない。それでも彼等は群れで相手を囲み、追い詰める様にし

て狩る知能を持っていた。

 

「……」

 

 その視線の先には一人の少女。黒い着物に紫色の糸で動物があしらわれている服を着た少女は周

囲の獣達を見据え、ウンザリとした表情で溜息を吐く。

 

「……いい加減諦めたら?」

 

「……」

 

 獣達が少女を標的にしたのは今日では無い。実は、今この状態も含めて彼等は今までに少女を四

回取り囲み、逃げ場を無くす様にして襲い掛かっている。総勢で二十と三匹、一人の少女を殺して

食い散らかすには充分過ぎる数だ。

 

では何故、少女は何度も逃げ果せているのか――

 

「ッガルゥ!」

 

「ガァッ!」

 

突如、背後と正面に居たに二匹が飛び掛る。

 

「その戦法も四回目」

 

前方一匹の首根っこを右手で掴み、後方の一匹は少女の体から出た()に絡め取られる。

 

「……流石に、これ以上手加減はしないよ」

 

 ドサリと二匹を纏めて投げ捨て、少女は周囲の獣達に手招きをする

 

「これで、懲りてくれると良いんだけど」

 

「――」

 

 

一斉に飛び掛る彼等を見つめ、少女は再び溜息を吐いた。

 

 

 

 

「よいしょ、と……」

 

 最後の一匹を掴み上げ、他の獣達と同じ様に地面へと転がす。死んでこそいないが、彼等が

再び動き出すにはそれなりの時間を要する事だろう。その間に此処を離れる、そうひよりは決

心して彼等に背を向けた。

 

「さて、次は何処に――っ!?」

 

 その直後、咄嗟に働いた自身の勘を頼りに全力で前方へと跳躍。途中で翼を広げて空中で体

の向きを後ろに変え、少女は先程倒した獣達が居る方向に向き直った。

 合計で二十三匹、地面を埋める程転がっていた筈の獣達は、皆忽然と姿を消していた。ひよ

りの感触では、恐らく数時間は動けないと思ったのだが――

 

「……誰?」

 

――行き着く答えは一つ、何者かの手によって彼等が()()にかされた。

 

「……」

 

 ひよりは周囲を警戒したまま、静かに足を後ろへと運んでいく。自身の勘も中に居る蟲毒達

も未だひよりに警告を促している、速やかにこの場から離れるべきだろう。

 

「……無駄か」

 

 後ろに運びかけた足を止め、何時でも回避出来るように身構える。あれだけ警戒して気配す

ら掴めない相手なら、きっと逃げ切る事は出来ないだろうという判断だった。

 

そうしてひよりが姿勢を崩さないまま、数分――

 

「――見事なお手並み、感服致しました」

 

 

目前に広がる草原の空中に、縦に黒い亀裂が入った。

 

 

 

始まりは、妹紅とひよりが鬼退治をした数ヶ月後――

 

 

「ちょっと、萃香?居るんでしょう?」

 

 スキマを開き、私は見知った友人の顔を捜す。友人の名前は伊吹萃香。種族は妖怪の中でも

最強と言われている鬼で、彼女はその鬼達を纏めている立場にある少女だ。

 

そして、私の思想に賛同してくれる数少ない妖怪の一人でもある。

 

「んん?……なんだ、誰かと思えば八雲か」

 

 スキマから降り立った私を迎えたのは星熊勇儀だった。普段通りの格好、普段通りの様子で

何時もと違う場所で飲んでいる紅い角の鬼に私は少なからず違和感を覚える。

 その疑問を心の中で留め、私は周囲を見回しながら友人の姿を探す。

 

「御機嫌よう……萃香は何処に?」

 

 萃香と同じ()()である彼女なら知っている筈だ、そう思って尋ねた私に勇儀はクイと洞窟の

中を指した。

 

「あぁ、奥にいるよ。今は()()で色々忙しくてね」

 

そういって洞窟の奥を指差す勇儀の腕には真新しい包帯が巻かれていた。

 

「準備?」

 

段々と違和感が確信へと変わり、私の中で何か合点が行く直前に勇儀は口を開いた。

 

「そ、準備。引越しするっつってた」

 

……はて?

 

「ちょっと、今なんて――」

 

「――そうさ、引越しだよ。私達鬼のね」

 

 私が彼女の口から先の発言を聞き直すよりも先に洞窟から声が聞こえて来た事で私は口を噤

む。見ると、洞窟の暗闇から見知った影が此方に歩いて来るのが見えた。

 

「どういう事かしら萃香?」

 

頭から一対の角を生やした鬼……伊吹萃香に私は問う。

 

「そのまんまの意味、私達は此処を出て別の場所に行くよ」

 

 萃香は簡素な荷物を背負い、遠くに居た鬼達にも声を掛ける。私はその背を見つめ、そして

やはり状況が理解出来ず、背後に居た勇儀へと話しかけた。

 

「如何いう風の吹き回し?」

 

「勝負に負けた条件でこの場所から離れるって決めてたそうだ」

 

「勝負?萃香が?」

 

「あぁ、それと私もな」

 

勇儀が自嘲気味に包帯に巻かれた腕を掲げる。

 

「……で、負けたの?」

 

「私も萃香も負けちまったよ」

 

 笑いながら酒を煽る勇儀を見て私は絶句した。この二人は、私が知っている妖怪の中でも五

本の指に入るほどの実力者だ。正直、二人同時に相手はしたくない程である。

 

「誰に負けたのかしら、神?それとも陰陽師の集団?」

 

 自然、私の興味は二人を倒した人物とやらに向く。強力な一個人か、それとも力を集めた集

団か……そんな私の想像を裏切るかの様に、萃香はゆるりと首を振って口を開いた。

 

 

「うんにゃ、変な妖怪と奇妙な人間の二人組みさ――」

 

 

 

 

 そして、私の目の前には萃香の言う通りの見た目をした少女が居る。黒い布地に紫色で動物

が描かれた着物、肩よりも下まで伸びた黒髪、綺麗な花の髪飾り、そして黒い瞳。

 少女は突然現れた私の一挙一動を見張る様に身構え、視線を逸らそうとしなかった。

 

「――上出来」

 

「……?」

 

少女が私の呟きに首を傾げた。私は続ける。

 

「小妖怪とはいえあの数を同時に相手して勝利、尚且つ私の微かな妖力にも反応した……どう

やら萃香の言っていた事は本当のようね」

 

萃香、そう私が口に出した瞬間少女の顔が強張る。

 

「伊吹萃香、覚えているでしょう?貴女達が退治した鬼の名前よ――『蠱毒のお嬢さん』」

 

「……」

 

 警戒が殺意と敵意に変わり、少女は私を射抜く様に睨む。その視線を軽く受け流し、私は少

女に向けて優雅に一礼した。

 

「私は境界の妖怪『八雲 紫』よ。萃香とは古い知り合いって所かしら」

 

「……仇討ちにでも来たの?」

 

少女が初めて口を開き、直ぐに噤む。どうやら此方に情報を渡す気は更々無いようだ。

 

「いいえ?私は萃香を倒した人間と妖怪が気になって来ただけよ」

 

……そう、私は気になって()()本人に会いに来たのだ。

 

「でも、本人から話を聞く必要が出て来るなんて思わなかったわ。出生不明、経歴不明、突然

萃香の前に姿を現して、後は用件だけを言い残して消えた――」

 

今度は私が少女を睨む。私は既に彼女を油断のならない敵として捉えていた。

 

「――そんな貴女達は、一体何者なのかしら?」

 

お互いの放つ妖気で空気が歪み、強い風が吹き抜ける。

 

「それは貴女に話す必要の無い事」

 

少女はそう言い切り、私と正面から対峙した。

 

「そう、話す気はないのね……でも、状況は分かっている筈よ。私が今此処で貴女を殺す事は

造作もない。貴女よりも、私の方が純粋に強いのだから」

 

 そこ等の妖怪よりも断然強い。それでも今まで戦って来た妖怪達の中に居た程度の強さ。

遠回しにそう言って私は少女に自白を促した――が、

 

「……」

 

それでも少女は口を噤んだまま開く事は無かった。

 

「……良いわ、その事については追及しないことにしましょう」

 

 これ以上は無駄と感じ、私は早々に話を打ち切る。怪訝そうな表情をする少女を見つめ、私

は此処に来た本当の用件を言う為に口を開いた。

 

 

「――貴女には、私と共に来て貰うわ」

 

唐突に、傲慢に、それでいて強力に。

 

 

 

 見た事が無い紫色の服装に身を包んだ女性が出て来た瞬間、私の中の彼等が一斉に騒ぎ始め

た。私の勘と身体も、未だ嘗て無い程に私に警告を促している。正直言って、今私が置かれて

いる状況は史上最悪と言っても過言ではない。

 

八雲紫と名乗った女性は、奇妙な裂け目から降り立って私と向き合った。

 

『伊吹萃香、覚えているでしょう?』

 

 間違いなく、私の事は萃香から聞いたに違いない。案の定、八雲紫は妹紅の事も既に情報と

して持っていた。どうやら妹紅を見つける事は出来なかった様だが、彼女を見てそれが幸いと

なった事を理解した。

 

『私は萃香を倒した人間と妖怪が気になって来ただけよ』

 

 何故、知り合いが倒された事よりも私達の方に関心が行ったのか?……それが恐らく彼女が

私と妹紅を探していた理由に当て嵌まるのであろう。

 

「……良いわ、その事については追及しないことにしましょう」

 

八雲紫が私への言及を諦め、一旦口を閉じた。

 

「――貴女には、私と共に来て貰うわ」

 

「……」

 

 これが本命、彼女が此処まで私に会いに来た目的。先の態度とは裏腹に、八雲紫は高圧的な

態度で私にそう言い放った。

 

「断る」

 

 私は八雲紫にハッキリとそう言った。

 八雲紫から恐ろしい程の妖気が放たれるが、私とて譲る事は出来ない。もうこれ以上ぬえや

村紗達を待たせる訳にはいかないのだ。

 

「なら、此処で死ぬか共に来るか選びなさい」

 

 八雲紫は背後に先程の裂け目を出現させて私にそう問うた。これ以上私が渋るようなら、彼

女は何かしらの能力を使って私を殺すつもりなのだろう。既に彼等も私の勘も、諦めたように

形を潜めてしまっている。

 

「……貴女の力は、中にいるその者達の感情によって強大になっていく。本来の蠱毒は、その

感情の暴走によって引き起こされる呪いを利用して対象の者を殺害する術式。

でも、貴女の中に居る者達に感情の乱れは一切見られない……いいえ、貴女がそうさせている

のね」

 

「……」

 

「実に見事よ、貴女は本物の『蠱毒』として自己を確立させている」

 

八雲紫は少しだけ、私の事を本当に尊敬した様な顔で此方を見た。

 

「だから、欲しい?」

 

私の問いに八雲紫は正直に頷いた。

 

「……えぇ、正直に言えば貴女の様な稀有な妖怪を殺したくはないわ。でもそれ以上に、私の

勘が貴女を殺した方が良いと警告してくるのよ」

 

 ――殺気、それは八雲紫が私の目前に現れてから終始私が感じていた物だ。彼女は平然と私

に語りかける一方で、隙があれば私を殺害するつもりだったのだろう。

 

「……言いたい事は分かった」

 

確かに、彼女の言う通り私の力は危険だ。

 

「なら――」

 

「――私は、貴女と共に行く気はない」

 

それでも、私達は誰かに縛られる事を善しとしない。

 

「……残念ね」

 

 八雲紫が片手を上げる。恐らくあれが振り下ろされた瞬間私は死ぬ事になるのだろう。私は

中に居た彼等に軽く別れを告げ、そして――

 

『私達は、何時も貴女と繋がっているから』

 

――全ての生命を、体内から解き放った。

 

「――っ!?」

 

 驚愕の表情を浮かべる八雲紫の背後へ、横へ、私の背後へ……様々な生物達が物凄い勢いで

私の身体から出現し、周囲の森や草原へと姿を消した。

 

 

残ったのは、私一人。

 

 

 

「何を――」

 

掲げていた手を下ろし、私は一瞬で彼女の元まで移動する。

 

「何をしたっ!?」

 

 私の手は寸分違わず彼女の襟を掴んだ。()()の少女は抵抗する事なくその小さな身体を宙へ

と浮かせる。先程まで彼女が放っていた妖気は、最早零と言っても良い程までに消え失せていた。

 

その、身体の中に居る筈の気配すらも。

 

「……まさか」

 

 私は地面に少女を降ろし、そして周囲を見回す。先程彼女の身体から出て行った生物達は、

既にその姿を何処かへと眩ませていた。

 

『私はもうひよりじゃないよ?』

 

地面へと降ろされた人間は、ニッコリと微笑んで私と向き合った。

 

『私達は、もう既にあの子の身体を離れて方々へと別れた。一人一人が私で、私達で、あの子

なの。もし殺したいなら、全ての私達を殺し尽くすしか手段はない』

 

「……貴様っ!」

 

私は素早く少女の首を掴んで締め上げた。

 

『漸く素が出たね。ほら、早く殺した方が良いよ?』

 

ボキリと少女の首の骨が折れる音がしても、少女は笑ったままだった。

 

「く……」

 

 完全な手詰まりだった。彼女の言う事が本当なら、もう『ひより』を殺す事は不可能だ。彼

女はあらゆる方向のあらゆる場所に、様々な動物の形として散り散りになってしまったのだか

ら。……それも、ほんの僅かの妖力しか発しない状態で。

 

『どうする?ひよりに代わろうか?』

 

首の折れた少女は、ケタケタと笑いながら私に問い掛けた。

 

「……何を考えているの?」

 

 何故、今自分達を殺そうとした者にひよりを差し出そうとするのか?そう尋ねる前に、人間

の少女は自分から口を開いた。

 

『私達はあの子を中心に動いてる。あの子が望む事は、私達が望む事。あの子の望みは封印さ

れた妖怪の友達を助ける事……その為には、此処で時間を使う訳にはいかないって言ってた』

 

「……なら、代わって貰えるかしら?」

 

失敗の中から見えた一筋の光、私は迷わずに手を伸ばした。

 

『殺さないよね?』

 

ひよりの顔で怪訝そうにそう尋ねる彼女に、私は肩の力を抜いた。

 

「まさか、もう諦めたわ」

 

 少なくとも、今は――そう心の中で付け加えて。

誰でもない彼女は立ち上がり、自身の首を真っ直ぐに抑えながらゆっくりと瞳を閉じた。

 

そして、数秒。

 

「……何の用?」

 

 首を離し、『ひより』は再び私の顔を見た。その表情に先程まで居た彼女の様な明るさはな

く、先程までの無機質なひよりへと戻っている。

 

「交渉を、させて貰えないかしら?」

 

「……交渉?」

 

 私は極めて慎重に彼女にそう持ちかけた。もう失敗する事は許されない、一度命を狙われた

彼女がこうして戻って来てくれる事が既に奇跡に近いのだ。私は頭の中で言葉を整理してから

口を開く。

 

「貴女から聞いたわ、友人が封印されていて困っているのでしょう?私としても封印を解いて

上げたいし、貴女と此処で別れてしまうのも危険だと思っている」

 

「……」

 

「だから、私の手伝いをする代わりに封印されている場所を教える……というのは如何?」

 

 聡明な彼女ならどちらの方が効率が良いかは分かっている筈だ。私に常日頃命を狙われなが

ら目的の場所を探すか、私に暫く協力して目的を達成するか――

 

「……貴女が封印されている場所を知っているという確証は?」

 

「正直に言わせて貰うなら、今尋ねられてもきっと答えられる」

 

 ひよりは暫く沈黙して何かを考え込んでいる。その姿を見ると、やはり彼女を殺す必要など

無かったと()()()思わせられる気がした。

 

「……私の夢は、『人と妖が共に生きる事が出来る世界』」

 

ほんの少しだけ、彼女を信用して私は本音を話す。ひよりが此方を黙って見つめた。

 

「貴女には様々な場所を回って人と妖の双方と共に生きて欲しい。それが、私から貴女に頼み

たい手伝いの内容よ」

 

それと雑用も少しと付け加えて私はひよりを見た。

 

「無理だとは思うけど――」

 

「……」

 

「まぁ、手伝う位なら良いよ」

 

ひよりはハッキリと、それでいて何処か懐かしむ様にそう言った。

 

 

 

「後悔はしてるよ、間違いなく」

 

思い出し、急に気分が悪くなってきた。

 

「あら、急にどうしたの?」

 

 隣に座っていた不調の原因が此方を覗き込み、私は視線を逸らしながら溜息を吐いた。

彼女と約束を交わしてから数年、各地を歩き回って自分でも情報を集めていた私の元に紫は様

々な雑用を持って訪れていた。

 

曰く、天狗達の住む山に行くとか――

 

人と妖が共に住む里へ行って欲しいだとか――

 

妖怪が治める国を見に行きたいだの――

 

「……何でもない」

 

それでも、少し位は私の為にもなった気がする。

 

「なら良いけど……あ、これ貰うわね」

 

勝手に私が焼いていた魚を手に取り頬張る紫。

 

「……はぁ」

 

 

私は本日二度目の溜息を吐いて、新しい魚を串に通した。

 

 

 

「ほら、これが証拠だ」

 

 ドサリと妖怪の牙や爪が入った袋を台へと置く。倒してきた数が五十を超えている為か、

袋を置いたカウンターがギシリと悲鳴を上げた気がする。

 

「おう、相変わらず早ぇな妹紅……袋は重いから乗せんな」

 

バシリと袋を弾き落とし、都の重役である男はカウンターの下から別の袋を取り出した。

 

「ほらよ、報酬だ」

 

男の手から投げ渡されたソレを受け取り、私は男に背を向ける。

 

「さんきゅ、また来るよ」

 

私は一度振り返り、私の持って来た袋の中身を確認している男にそう言った。

 

「……あぁ、また頼む」

 

男は全く違う方向に手を振り、再び数を数えるのに没頭した。

 

 

 

 

「さーて、これで暫く食うには困らないな」

 

 手にした袋を弄び、妹紅は都の中を歩き回る。道往く人々が偶に声を掛けてくれるのを少

し嬉しく感じながら妹紅は自身が寝泊りしている小屋へと歩いていった。

 

「妹紅ねーちゃん!」

 

家へと入ろうとした妹紅の背に、何者かの声が掛かる。

 

「……ん?」

 

振り向いた先に居たのは小さな少年だった。

 

 

 

 

 

 

 

 


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