ペルソナ3 The second world with You 作:harbor
受験やら定期考査やらで投稿が遅れました。
ごめんなさい。
─side 鳴上
───ポロニアンモール
学校帰りに、昨日順平に連れてきてもらったポロニアンモールに寄ってみた。
と、いうのも。
「案外どこにでもあるもんだな、このドア。」
目の前には例の青いドア。
もちろん、周りのハイカラな店も気にはなるが…
一昨日試したところ、テレビには入れなかったので、どこにシャドウが現れるのか、あの鼻に聞かなければならない。
「さて…。」
ポケットから契約者の鍵を取り出すと、ドアは勝手に開いた。
───ベルベットルーム
「ようこそ、我がベルベットルームへ。」
「やぁ、イゴール、マーガレット。」
「今日はどんな御用ですかな?」
「シャドウはどこに集まっているんだ?テレビには入れなかったぞ。」
「あらあら、夜の街を見て回らなかったので?貴方は優等生すぎはしないかしら?」
「?つまりは夜出歩けばわかる、と?」
「左様に御座います。全ての時が留まるその時、自ずと行く先は解りましょう。」
「そうか。……あぁ、それともうひとつ。現実世界でもペルソナは召喚出来るのか?」
「問題はないはずですぞ。ただ、この街のペルソナ使いの方々とは少し召喚方法が異なりますが…」
「できればそれでいいさ。用はそれだけだ。助かったよ。じゃあ、また。」
「お気をつけて…」
───ポロニアンモール
夜の街、か…
ゲームセンターも、カラオケもあったな…
………少し、本気を出すとしよう。
────6時間後
少し本気を出しすぎたか。
もう日付が変わろうとしている。
少し街を回ってから帰ろう。
そう思ってポロニアンモールを出た、その瞬間。
周囲の風景が一変した。
空気は重く、息苦しく。
空は薄気味の悪い緑に。
美しかった噴水はおぞましい血の色に。
そして…何よりも。
「人が…いない…?」
人がいたはずの場所には柩のようなオブジェが立っていた。
「これは…趣味が悪いな。」
早く街を見て回ろう。
「……え?」
モノレールが動いていなかった。
バスも、車も同様に。
見て回るには…
「歩き、か。」
しかし、あの鼻はすぐにわかると言っていたが…
シャドウらしきものは見当たらない。
むしろ、動くものは何もない…
あるのは、柩のようなオブジェと、血のような水溜まりと、塔と、家屋だけだ。
ん?
塔?
……なるほど、すぐにわかる、か。
向かおう。
───タルタロス
ひたすら塔を目指して歩いていたはずだが…
着いたのは学校の正門だった。
いや、正確には"学校だったもの"の、か。
昼間世話になった学校は今や不気味な塔へと変貌を遂げていた。
これが、シャドウの集まる場所なのだろうか…
─side 有里
畜生め。
この死神、明らかに前回のニュクスより強いじゃないか。
ファルロス、負けてるよ?良いの?
『ボクはまだあと三回の変身を残している…』
三回どころじゃなかっただろ。
『細かいこと言わないでよ、男でしょ?』
だが断る。
僕にだってツッコミの権利くらいはあるだろ。
『雑談してる場合じゃない…と思うよ?』
は?
前を見て気づいた。
行き止まりだった。
──ジャラリ。ガシャッ。
「……はは………畜生め!!!!!」
召喚器を引き抜き、意識を集中する。
「タナトス!!ブレイブザッパー!!」
あ、ダメだ、効いてない。
あ、ロングバレルがこっち向いてる。
死んだかな、僕…
正直、諦めていた。
ある意味余裕があった。
だからこそ、僕はあんなにおかしな声を上げたのかもしれない。
「有里ォッ!!!」
「へ、へぁ!?」
「助けに来たぞ!!」
いやいや、嘘でしょ。
イレギュラー過ぎるよ、君。
「にゃ、鳴上!?」
痛い。噛んだ。
「伊邪那岐大神!!メギドラオン!!!」
吹っ飛んだ。痛い。
っていうか…
「召喚器なし!?」
─ジャラリ。ガシャッ。
「効いてないのか…話は後だ、有里!!伊邪那岐大神、ランダマイザ!!」
あら、動きが遅くなった。
「逃げるぞ!!」
「う、うん!」
「どこにいけばいい!?」
「緑の丸い機械見なかった!?」
「あった、ついてこい!!」
───タルタロス 1F エントランス
もう…二度とアイツと鬼ごっこはしたくない。
死ぬほどキツい…
「ねぇ…鳴上?」
「どうした?噛み里?」
「う、うるさい!……ペルソナ使い、なんだよね?」
「あぁ。」
「召喚器、使わないの?」
「…………は?」
おまけ─タルタロスエントランスにて
「………これが召喚器。」
あれ…鳴上が固まった。
ゆっくり手を挙げ…?
「拳銃じゃないよっ!?」
「噛んだことの口封じされるのかと。」
「違う違う。鳴上、ペルソナ召喚してみて?」
うわ、なんか降ってきた。
……カード?
「へぇ…」
「有里は?」
召喚器を構え、撃ち抜く。
「こう。」
「………怖っ((((;゜Д゜)))」
「ねぇ鳴上?そのカードどうやって出してるの?」
「なんかこう…イメージだ。」
「うーん…?」
タロットカードが降ってくるを思い浮かべてみた。
降ってきた。
「んで?」
「砕く。終わり。」
「へぇ…オルフェウス!」
「(>そっとしておこう)」
「透けてる…」