ペルソナ3 The second world with You 作:harbor
本年度も当作品をよろしくお願いいたします。
では、更新。
──巖戸台分寮
「君か、お帰り。岳羽から伝言だ。今日はタルタロスには行けないそうだ。」
桐条は読んでいた本から目を上げ、そう声をかけた。
「わかりました。」
「君たちはどうする?」
しばし考え込む彼。
「無理にいかなくても良いんだぞ?」
優しい笑みを浮かべる桐条とは裏腹に…
「いえ、行きます。」
彼─有里はニヤリと笑ってそう答えた。
─side鳴上
ポロニアンモールってなんでも売ってるんだな…
いや、正直呆れたが、まぁプラモが買えたから良しとしよう。
今日はジュンぺーも体調悪いみたいだし、久々にじっくりプラモを…
「なーるかーみくーん?」
なんか来た。
仕方がないから、ドアを開けると、そこには…
「ちょ、ちょっと!?なんで閉めるの!?」
「……悪巧みしてる顔にしか見えないからだ。」
命の危険を感じた。久々に去年の一年間で築いた本能が警鐘を打ち鳴らしている。
危ない。
これは危ない。
「心外だな…タルタロスにいこうと思っただけだよ…」
「…………二人でか?」
「行けるとこまで行ってみない?」
──タルタロス内部
─side有里
イヤイや言ってる鳴上を引きずって第二層…
障害がないと張り合いないね。
「大丈夫?鳴上?」
「余裕だ、精神以外はな。」
「なんで精神が死ぬのさ…」
「男二人で深夜に学校に入って何が楽しいんだ!!潤いの欠片も…!?」
流石にこれ以上言わせるとマズイので口を塞いじゃいました。
「鳴上、会話は桐条先輩にも聞こえるんだからね?」
{あー…オホン。どうかしたのか、鳴上。まさか女子がいないからモチベーションが上がらないなどと不埒な事は言っていないよな…?}
「ハ、ハイ!!勿論です!」
{そうか、よかった。もしそんな事を言っていたら処刑しなければならなかったからな…}
「「………………」」
『暗に次はないって言ってる?』
ソウダヨファルロス。
『大丈夫…?』
ダイジョブダァ。
「………行こう、鳴上。ちょっと何も考えたくない。」
「異論無しだ。行こう…」
─NO side
二人は随分と進み、遂には第二層の中腹までたどり着いた。
{二人とも、気を付けろ!!強力なシャドウが居る!!}
多少弛緩していた二人の間に、緊迫した桐条からの通信が入る。
「"死神"か!?」
「いや…違うよ。鎖の音がしない。…桐条先輩、方向は?」
{すまない、今調べて…ッ!!後ろだ、有里!!}
桐条が叫んだのと同時に、シャドウによる氷魔法─ブフが発動した。
そしてそれは、有里を、本来の威力を遥かに超えて吹き飛ばした。
「有里!?」
{クソッ、弱点だ!!鳴上、回復とフォローを!!奴には物理攻撃が有効だ!!}
「わかりました!!ペルソナ、コウリュウ!!メディアラハン!」
鳴上はペルソナに指示を飛ばしつつ、自分は得物を上段から大きく振り降ろし、まず一体を両断。
続く薙ぎ払いでもう二体を撃破すると、有里へ駆け寄った。
「有里!!おい!!大丈夫か!?」
{……生命反応に異常なし…恐らく、気絶だな。今日はもう切り上げよう。鳴上、有里を連れて帰還してくれ。}
「…わかりました。」