バカと人間とオルフェノク   作:成龍

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第40話 源二の過去と気まずい空気

第40話 源二の過去と気まずい空気

 

源二に昨日何があったのか

聞こうと思い

源二の休んでいる

部屋の近くに来ていた雄二

秀吉も何かを持って近くに来ていた

 

「秀吉どうしたんだ?」

 

「む?雄二か…

昨日何があったのか

気になっての…

ついでに朝食も渡そうかと

思っての!」

 

「そ…そうか」

 

秀吉は源二が

オルフェノクだって事は

知らないだろ

源二も誤魔化すのが大変な筈だ

コイツは嘘見破るのが

得意だからな…

 

「雄二はどうしたんじゃ?」

 

話しながら源二の部屋に近付く二人

 

「まあ…俺も似たようなもんだが…」

 

出来れば源二と二人で話したいんだが…

 

「二人だけで

話したい事でも

あるのかの?」

 

エスパーかよコイツ

 

「目を反らすからじゃ」

 

気付けば源二の部屋の前に来ていた

中からは三人の話声が聞こえる

 

あの声は明久と…結花か?

 

『ねぇ源二

昨日何があったの?』

 

明久だな…

不味いな源二は

どう誤魔化す?

 

雄二はドアの横に立って

二人が出ていくのを待つ事にした

 

秀吉も何かを察したのか

直ぐには入らず待っていた

 

雄二SideOut

 

明久Side

 

源二はまだ

左肩は痛そうしていたが

すっかり元気になっていた

明久と結花は

源二の休んでいる部屋で

事情を聞いていた

 

「ねぇ源二

昨日何があったの?」

 

「……………明久には

まだ話してなかったな…

俺は二度人を殺した事がある…」

 

「…っ?なんで人間を

アハハ…源二が

そんなことするわけないでしょ!

冗談でしょ?」

 

冗談であって欲しいと

明久は決めつけるように言った

 

「…」

 

「落ち着いて下さい明久君」

 

「初めて君と出会った時言ったよな

俺は…家族と一緒に殺されたって…」

 

そういえば…そうだよね…

 

「事故とかならまだ分かる

人によっては

人はいつ死ぬか分からない

今日は不運だったんだ…

相手はわざと殺したわけじゃない

で済ませられるだろう

まあ俺がそう思っているだけだが…

でも…俺たち家族は

ソイツらの自己満足の為に

わざと無差別に殺されたんだ…

最初は喉にナイフを突きつけられた

両親から殺された

アイツらは人殺しを楽しんでいた」

 

回想

 

『この子達だけは逃がしてくれ』

 

『お願い』

 

『そんな事したらチクられんだろ』

 

『バカだなぁ…』

 

そう言って犯人は喉を斬った

だがそれだけではもの足りず

腹や胸を滅多刺しにする

 

『キャアア止めて…嫌』

 

怯える優李

 

『マジスカッとするな』

 

『本当にな!超楽しい』

 

次に俺が殺され

 

『優李に…妹に手を出すな』

 

『いや、出すけどな

可愛い悲鳴あげちゃって』

 

『貴様…』

 

千藤の胸ぐらを掴む源二

 

『無駄無駄』

 

気付けばナイフが腹に深く

刺されていた

 

『優李…に手を…出す…』

 

その言葉を最後に気を失った

 

「!?」

 

「守りたかった大切な妹は

俺が死んでいる間に裸になって

殺されていた…」

 

そう言った源二の顔は

怒りと悔しさと悲しみの

涙に満ちていた

 

「そんな事が…」

 

「俺は目覚めた…

死んでいる両親と裸で

涙を流しながら

死んでいる妹を見ながら

オルフェノクとして甦った」

 

「源二君…もうこれ以上は…」

 

これ以上言えば源二が

辛さを思い出すだけだ…

結花が引き留めるように源二に言う

 

「犯人は

既にいなくなっていたが

匂いが部屋に染み付いていた

ずっと忘れなかった

犯人は二人いた

その内の一人は確実に殺した

もう一人も殺した筈だった…

ソイツら以外の人間には

恨みは無いから

手は出さなかったが…」

 

そんな事があったら

憎んで当然だよね…

犯人も自業自得というか

そういえば結花さんの時も…

手遅れだったけど

あの人達を助けるのには

抵抗があったなぁ…

 

「「…」」

 

「だがソイツは

オルフェノクとして

甦っていた

そして昨日出会った

殺した俺に逆恨みし

襲いかかってきた」

 

「そんな…

悪いのはアイツらなのに!

倒したの?」

 

「邪魔された

邪魔してきたオルフェノクは

ただのオルフェノクじゃない

負傷を負いながら

戦える相手じゃないんだ

だから逃げてきた」

 

「そうだったんだ…」

 

「誰かいるのか?」

 

源二が人の気配に気づいた

外からは逃げていくような

足音が聞こえた

二人の足音は

それぞれ違う方向に向かっていた

 

「聞かれていたか…

話しに夢中で気づかなかったな…」

 

「追った方がいいかな?」

 

「いや、あの二人は

俺の正体を知ってる

一人は秀吉だろうな」

 

「もう一人は?」

 

明久SideOut

 

雄二Side

 

『誰かいるのか?』

 

マズイ逃げないと!

雄二は秀吉に

アイコンタクトで伝える

秀吉は頷き走り出した

雄二も逆方向に走っていく

 

 

自分の部屋に戻った雄二

 

まさかあの二人は

源二の正体を知っていたのか?

誤魔化さずに話すから

ビックリしたぜ…

しかし源二に

そんな過去があったとはな…

だが源二を殺した犯人に心当たりが…

 

ドアをノックする音が

聞こえてきた

 

『雄二!いるかの?』

 

「ああ…秀吉か!入れ」

 

秀吉が入ってくる

 

「雄二は源二の正体を

知っていたのかの?」

 

「ああ…そうだが…

お前は知っていたのか?」

 

雄二は心配そうに聞いた

 

「知っていた

雄二と源二が出会う前からじゃ

多分陽向も…」

 

「なんだと!?」

 

意外だった

 

「ワシは…

前にオルフェノクに

襲われた時に

別のオルフェノクに

助けてもらったんじゃが…

その時に助けてくれた

オルフェノクの知り合いが

源二だったんじゃ」

 

「なるほどな

陽向は源二に助けられたのか…

だが明久と結花も

源二の正体を知っているのか?」

 

「多分明久達も

助けられたんじゃろ

じゃがさっきの話しは

盗み聞きするべきでは

なかったのぅ…」

 

後悔するように秀吉は言った

 

「雄二は…どうするんじゃ?」

 

心配そうに聞く秀吉

 

「源二は昔の事だとはいえ

人を殺したじゃろ?

雄二はあのケースに入ったベルトで

源二を倒すのか?」

 

「知っていたのか

ベルトのこと」

 

「うむ…それで…

どうするつもりじゃ?」

 

「どうするもなにも…

戦えねえよ…

過去に過ちは起こしたが

アイツは人間だ!」

 

少し不安そうではあったが

自分に言い聞かせるように

雄二は言った

 

「ならいいのじゃが…」

 

秀吉はまだ不安そうだった

 

「とにかく早く飯食って

勉強しようぜ!」

 

雄二は気まずいのか

突然話題を変える

 

「そうじゃな!」

 

雄二SideOut

 

優子Side

 

朝10時

 

いつも通り勉強会を始めたのだが

 

「源二君だいぶ元気になったわね」

 

「まあね!みんな心配かけてゴメン」

 

みんな源二に気にするなと

返事を返すがどこかぎこちない

 

「ねぇ…優子」

 

「何よ?」

 

「なんか…暗くない?」

 

翔子と康太も

暗い空気に押され

居づらそうに座っている

 

「そうね…

みんなどうかしたの?」

 

「多分みんな疲れてるんじゃろ」

 

「そ…そう?

ならいいんだけど…」

 

「優子さんここ教えて!」

 

突然場の空気を壊すように

明久が元気な声で言った

その声を合図に

雄二達も勉強を始める

 

「そこ昨日も教えたじゃない!」

 

「ゴメン…

ちょっと忘れちゃってさ

お願い!」

 

「しょうがないわね」

 

今日はなんか変ね…

 

そんなこんなで

またいつも通りの勉強会が始まった

 

優子SideOut

 

Open your eyes the next Faizφ

 

 

 

 

 

 




今回はシリアスすぎましたかね?
もっとギャグも入れていきたいんですが…
いつになったら
クラス分けに行けるんだろう苦笑

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