鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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いつもの投下行きます


希望と絶望の狭間で

舞台の上でのカーテンコールを終える

真と杏子の顔は笑顔であるがその心は暗澹たる思いが渦巻いていた

 

 

「キミは・・・真くん・・・だよね?それもミチルも」

 

真は慌てて仮面を付けようとするが、時既に遅かった

 

~ 杏子さんに応援を・・・駄目だ!今は舞台の上だ ~

 

彼ら「マギカ・カルテット」が昼間で魔獣の討伐を行う場合は結界を張るのが前提だ

これは一般人を守るということもあるが必要以上に一目に自らを晒さないための処置ともいえた

とは言え絶対ではない

だからこその認識阻害魔法なのだが、今回は予定よりも真のダメージが深く結界の維持と魔獣討伐に意識がいっていたため、認識阻害魔法はその意味をなくしていた

真の混乱を余所に浅海サキの意識は傍らの魔法少女に向けられていた

 

「どうして私達から離れたんだミチル・・・・?」

 

ミチルからの答えは沈黙だった

 

「・・・・・・・・」

 

「答えてよ!!ミチル!!!!!!」

 

サキがミチルに縋りつく

ミチルは手を振り上げ・・・・

 

「・・・・・・・?」

 

サキの髪を撫でた

 

「全てを教える・・・・・・私の全てを」

 

 

~ ったく!何でアタシも真もそのミチルって露出狂の暴露に付き合わなきゃいけなんだ!!!! ~

 

~ ごめんなさい・・・・見られたのは僕だけですから杏子さんは・・・・ ~

 

~ またこれかよ!いいか? ~

 

杏子が念話を中断し真の首元を掴む

 

「アタシはアンタの先輩だ!ならヘタうった後輩のケツを持ってやるのも仕事のうちだろ!!!」

 

「ありがとう・・・ございます」

 

杏子の不器用な優しさに真は微笑んだ

 

 

公会堂地下

稽古場

いつもは姦しいここも冷え冷えとした沈黙に包まれていた

プレアデス聖団の皆も、衣装を着たままだ

最初に口を開いたのは真だった

 

「皆さん・・・見ていてください」

 

真は懐からソウルジェムを取り出す

すぐさまオパールのような真のソウルジェムから虹色の泡が真を包み込み「少年」宇佐美真から、「鉄仮面の魔法少女」宇佐美真へと変化した

 

「これが僕です」

 

青いプリーツスカートと白いシャツとマント、銀色のガントレットと膝までのレッグアーマーを装備した真がそこに立つ

目の前で魔法少女の変身を見せたのだ

皆が驚愕に染まる

 

「・・・・・だからあんなに自然な演技を」

 

牧カオルが呟く

 

ガタッ!

 

ピンク色の髪の少女「若葉みらい」が椅子から立ち上がり、真の前まで進む

 

「みらいさん?」

 

そしておもむろに・・・

 

モニュッ!

 

みらいが真の胸を触る、というより鷲づかみにする

 

「やったぁ!あたしたちにもできないことをやってのける!そこに憧れる!痺れるぅ!」

 

「真ちゃん里見よりも胸があるよ!!!」

 

「真剣な話をするつもりなのに何でナチュラルに胸を揉むのぉぉぉぉぉぉぉ」

 

真が抗議の声をあげる

 

「真くん、私は何もキミを責めるつもりはないよ。ただ、真実を知りたいだけさ」

 

浅海サキが優しく声を掛ける

 

「サキ・・・・・」

 

「ミチル。君も真くんと同じなんだろ?・・・・言いたくないならそれでもいい。でもいつか話をしてくれないか?友人として」

 

~ 未来なんてない、あるのは今だ ~

 

ミチルの脳裏に黎明の光の中に立つ一人の少女の姿が浮かぶ

 

「全てを話す。だが、約束してくれ。安易な同情や迎合はしないと!」

 

 

ミチルは全ては話した

危篤になったグランマが意識を取り戻すことを願い、「妖精」と契約して魔法少女となったことを

そして、魔法少女となった少女は闇に潜んで「魔獣」を狩る運命にあることを

 

「魔獣は人の悪意の塊だ。誰かがそれを狩らない限り悲劇は繰り返される」

 

ミチルは言葉を区切った

 

「だが、魔獣はなくなることはない。ずっと・・・・戦い続けなければならない。魔法少女になるということはたった一つの願いを叶える代わりに全てを諦める事だ」

 

「でもそれはミチルが絶対にしなければならないことなのか?」

 

浅海サキがちらり僕らを見る

その内にあるもの

それは「僕らに全てを任せる」ができないのか?ということだ

 

「真君も杏子さんも、あすなろ市ではなく見滝原市の魔法少女だ。たまたま居合わせたから助けてくれただけだ。・・・・人の善意に頼ってはいけない」

 

真がミチルの瞳を見る

そこにあるのは決意と寂しさだった

 

~ 愛しいからこそ、仲間にさせちゃいけない ~

 

真にはミチルの瞳がそう語っているように感じた

 

 

 

 

NGシーン

 

「これが今の私の姿だ」

 

ミチルが翳したソウルジェムから黒い光が溢れ出し、彼女の全身を包んだ

そして、光の中で服が無くなる感覚と同時に、一瞬全裸になり、今まで着ていたボーイッシュなパンツとブラウスとは違う服の感触に包まれる

端が広がった袖が装備され、エプロンを模した上着が空中から現れて彼女を包む

そして、それを彼女が黒いリボンで止め、エジプト十字 ― 「悪魔」を現すエジプトの象形文字 ― をあしらった、身の丈ほどある杖を掴む

 

だが!

 

「ミチルさん!パンツ!パンツ!!!!」

 

真が自らの目を隠しながら叫ぶ

 

「へ?」

 

ミチルが自らの下半身を見る

黒いタイトスカートがあるべきところになく、黒いレースの白いショーツが露わになっていた

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その場にしゃがむミチル

しかし悲劇はそれだけで終わらなかった

 

ブシャァァァァァァァァァァ!!!!

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!僕のサキちゃんがぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

滝のように鼻血を噴射して卒倒する浅海サキを「自称サキちゃんの妹」若葉みらいが受け止める

 

~ こんなお宝シーンが毎日拝めるなら・・・魔法少女になってもいいかも ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふと思ったこと
かずみマギカ一巻のパンモロシーンだが、あれは普段からかずみが着用しているパンツなのだろうか?
教えてエロい人

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