鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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バイト先でリア充カップルがエロDVDを物色していた・・・・

もげろ・・・・もしくはアソコから抜けなくなって病院へ行け


黎明の少女達

「全ては三か月前・・・・私が魔法少女の契約をした時から始まった」

 

黒の魔法少女 ― 和紗ミチル ― は語り始めた

世界から見捨てられた「野良猫」になった顛末を・・・

 

 

全寮制の学校

私立で学費も非常に高価な名門学校

老齢の祖母を一人残すのは気が引けたが、グランマからの勧めもあり和紗ミチルは見識を広げるためそこに通っていた

宿舎に鳴る電話のベル

淡々と幸せな時間の終わりを告げる

 

「グランマが・・・・倒れた・・・」

 

 

ミチルがあすなろ市の邸宅に着くと既に遅く、彼女の祖母は危篤状態になっていた

 

「グランマ!グランマ!ミチルだよ!!!帰ってきたんだよ!!!!!」

 

目を瞑り、まるで寝ているかのようなグランマはしかし声を発することはなかった

ただただ死を待っているかのように・・・・

医者が事務的に延命処置をするかどうかをミチルに尋ねる

 

「延命はしません・・・人らしく死にたい・・・それがグランマの意思だから」

 

暗い闇

光の落ちた部屋

そこにはミチルが一人座っていた

その胸を去来するのはグランマとの思い出

両親と死別した彼女を引き取った時

合格が決まった日に喜んでくれた時の笑顔

全てが掛け替えのない思い出で・・・・・

彼女は必死に涙を堪えていた

泣いてしまったら、涙と一緒にグランマとの思い出が流れ落ちてしまうように感じていた

 

『キミは何故泣かないのかい?人間はこういう時には泣くものだと学習しているんだけど』

 

ミチルが顔を上げると青い夜の闇の中、赤い瞳が彼女を見ていた

 

『僕はキュウベェ。キミにお願いがあって来たんだ」

 

人語を話す奇怪な存在

しかしミチルにそれを訝しむことはなかった

キュウベェが繋いだ言葉が彼女を捕えた

 

『僕と契約して魔法少女になってよ。そしたら何でも願い事を一つだけ叶えてあげる』

 

 

「私は願ったグランマが死ぬ、その時までグランマのままでいさせてと」

 

キュウベェの触手がミチルの胸に吸い込まれる

身体の奥底から何か大事なものが吸い出されるような感覚と共に黒曜石のような漆黒の宝石が抜き出された

 

『手にするといい。それは君のソウルジェム・・・・君の願いの結晶さ』

 

彼女が黒い宝石 ― ソウルジェム ― を掴んだ時だ

 

~ 何・・・・・コレ・・・・ ~

 

世界が歪んで消えた

 

― チャオ!死にたがり屋のみんなたち!! ―

 

エプロンを模した「活動的」な衣装に身を包む自分の姿

そして、飛び降りる寸前でリボンで止められた少女達

 

~ これは私?あの子たちは一体・・・ ~

 

ミチルの疑問に答えが出されず、舞台は変わる

 

― 私達7人でプレイアデス聖団結成だよ!!!!! ―

 

ミチルとあの時助けた少女達

少女達もミチルと同じく、非常に「活動的」な衣装を着用している

それはもう一人の「和紗ミチル」の物語

かつて「かずみ」と呼ばれた彼女の希望と・・・絶望の物語

 

― そんな・・・・魔法少女が魔女になるなんて!! ―

 

~ 魔法少女が魔女?一体・・・・・ ~

 

 

― みんな・・・ゴ・・メン・・ナサ・・・イ ―

 

見慣れた家を破壊しながら現れた異形

手足は黒々とした触手へと変わり

三角帽は身体と一体化している

しかし、それは素体となった「少女」の面影を残していた

異形の瞳がミチルを見つめる

 

― マダマニアウ・・・ソノタメニハ・・・・ ―

 

~ 何?! ~

 

異形の触手がミチルに向かって放たれる

それは手にしていた彼女の魂「ソウルジェム」に吸い込まれる

膨大な魔力

そして全ての発端である「白い悪魔」と他ならぬ自分自身の手で絶望に引き込んでしまった掛け替えのない仲間達の記憶

 

― スベテヲアナタニ・・・・・・ ―

 

全てを終えた後異形は悲しげに吠えた

友たちを絶望の未来に導いてしまったことに

運命を変えるために「もう一つの自分」に全ての重荷を背負わせたことに

異形に流す涙はなかった

 

 

「・・・お前も同じだったんだな」

 

あいりが呟く

 

「お前も未来を変えるために・・・・・」

 

「ユウリのことは仕方なかったとはいえ、救うことができなかったのは事実だ。だから、私はそうなる前にユウリを助けた」

 

「そんなのおかしいよ!!!!!」

 

「ユウリ・・・・・・!」

 

「ミチルさんもあいりも!自分とは違う人の記憶に踊らされて!!!私を見て!!」

 

ユウリが立ち上がる

 

「私は今も生きている!!!」

 

明るい黎明の光に照らされ、金のようなユウリの髪が風に靡く

そこにあるのは一人の戦士

尚も希望を抱く魔法少女の姿だった

 

 

 

 

NGシーン

 

ミチルはユウリとあいりと別れ、朝焼けの街を歩いていた

あいりという、もう一人の「転生者」

あいりのことはユウリに任せた

彼女は「前世」で救えなかったユウリを救うために、ミチルの命を狙った

彼女のしたことは許せない事だ

しかし、果たして彼女を責めることが自分にできるのだろうか?

「姉妹」達を助けるために罪なき人々を手にかけてきた自分に?

彼女の心に去来するもの

それは彼女達と笑いあった至福の日々・・・・・・?

 

 

ミチルの目の前には首のもげたビスクドールのような魔女

かつてミチルが倒した「古代の海の魔女」通称クラゲポンプのようにこの魔女の使い魔を倒すのは容易いが、その破片から新たな使い魔が誕生してしまう

おまけに本体にダメージがいくと使い魔を「喰い」ダメージを回復するなど、非常に厄介な魔女だ

しかし、今のミチルには背中を託す仲間が・・・・・

 

「あ~あ、またあの頭悪いセリフを言わないといけないのかしら・・・」

 

「そういうなよ海香。あ、終わったらとんこつごまだれチャーハンよろしくな。か・ず・み」

 

明らかにやる気のない群青色の髪の少女と宥める様子でありながら、かずみ ― 和紗ミチル ― を強請る橙色の髪の少女

 

「ねぇねぇ、かずみ!あの人形一つ持って行っていっていい?」

 

中学生とは思えない巨乳の少女が無邪気に声を掛ける

 

~ 使い魔なんだからダメでしょ!!!!! ~

 

「げへへ・・・・・魔法少女はやっぱりパンチラしてナンボでんがな!」

 

よだれを垂らしながら業務用カメラをかずみのスカートの中に突っ込むショートヘア―の少女と、

 

「ぼくのさきちゃんぼくのさきちゃんぼくのさきちゃん・・・・・」

 

サキと呼ばれた少女を抱きしめる黒パン黒ブラモロ出しピンク髪の少女

 

「ちゃんとカメラのレンタル代払ってね?サキ」

 

下衆な笑みを浮かべるTバック軍服少女

 

~ みんなごめんなさい・・・・・ ~

 

 

「変態」化するプレイアデス聖団

それを喰い止めることができず・・・・・絶望に飲まれたかずみは魔女となった

 

 

「皆を救う!主に自分のために!!!!!」

 

黎明の街に彼女の悲壮な決意を知る者はいない・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作にある「とんこつごまだれチャーハン」ってどんな料理なんだろ・・・・

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