鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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鏡の~中のマリオネット♪

いや、意味はありませんが


壊れたマリオネット

真紅のタイトスカートを身に着けた少女が自身を中心に無数の注射器が展開する

 

「おとなしく料理されな!!!」

 

ドシュッ!ドシュッ!ドシュッ!!!!!!

 

以前の彼女に似つかわしくない攻撃的な言葉とともに、無数の注射器が「無貌の僧侶」無数の魔獣へと降り注ぐ

魔力弾による飽和攻撃

経験の浅い魔法少女が陥りやすい「罠」だ

一斉に攻撃を加えることで早期終結を目指す、極めて愚かな攻撃

なぜならこれら「飽和攻撃」は一見派手ではあるが熟練が必要される繊細な攻撃だ

撃つしか方法がない場合、弾幕を突破された場合は非常に危うい

おまけに銃の具現化は魔力を多く使う

窮地に陥って、それ以外の攻撃方法がなく途方に暮れる、なんてことはよくある

以前の彼女では魔力の残量を見誤りことがあったが、現在は使うべき時に魔力を使用している

彼女の師匠である「道化の魔法少女」曰く、「金と命には賭けどころがある」

それを着実にモノにしていた

 

彼女の注射器が突き刺さった魔獣が膨れはじめる

彼女の隠し技「トゥルヌド・ロッシーニ」だ

この技は注射器型の魔力弾を使って魔力を注入した魔獣を即席の爆弾にして、爆発させることによって他の魔獣を仕留める

これなら少ない魔力で最大の結果を出すことが可能だ

あらかじめ設置しておくことでトラップとしても利用できる

恐るべき技だ

 

ギュァオアァオアァオアァオアアォアォ!!!!!!!!!

 

幾つもの呻き声を残し、魔獣はその身をグリーフシードへと変えた

 

 

「ありがとうございます!!!師匠!!」

 

集めたグリーフシードを手に少女 ― 飛鳥ユウリ ― は満面の笑顔で師匠である、和紗ミチルに感謝を告げる

 

「これだけ集められたのは師匠のおかげです!!!!」

 

彼女は師匠である道化仮面の少女にグリーフシードを差し出した

 

「私は何も恵んでもらうために教えていたわけではない。お前はそれを使ってやりたいことがあったのだろう?」

 

「・・・・はい」

 

「ならそうしろ。ただお前に教えたことは忘れるなよ?」

 

「命に優先順位をつける・・・・ですか」

 

「そうだ。お前の固有魔法は献身。魔力を他人に贈与することによって病を治す、つまりは助けるべき対象を見誤ると・・・・魔力枯渇で死ぬことになるぞ?」

 

ユウリの脳裏に魔力枯渇を起こして死神の手を待つのみだった、かつての自分の姿が浮かぶ

 

「わかっています・・・」

 

「なら私から言うことはない。献身の魔法少女飛鳥ユウリよ!その願いを示せ!」

 

「はい!!」

 

少女は魔力で強化した真紅のナースキャップに全てのグリーフシードを仕舞うと、夜の街へと駆け出した

その姿を真紅の瞳が見つめていることに気付かぬままに・・・

 

 

ガサッ・・・・

 

「何だ?まだかえっていなかったのか」

 

「道化」の魔法少女こと、和紗ミチルが背後の気配に振り返った

くるぶしまである艶やかな長い金色のツインテールが目に付いた

それは今しがた別れたはずの彼女の弟子である「献身」の魔法少女 ― 飛鳥ユウリ ― だった

自らにかけられたミチルの言葉に彼女からの返事はない

 

チャッッ

 

返事の代わりに彼女の手には黒光りする銃が握られていた

全てを吸い込むブラックホールような、黒々とした銃口がミチルを捉える

 

「死んでくれよ・・・・・かずみ!!!」

 

― かずみ ―

 

二人の道化をつなぐ言葉

「前世」の因果に縛られた二人は相対する

自らの全てを賭けて

 

 

 

NGシーン

 

見滝原を巡る環状線

そのガード下に、似つかわしくない二人の少女がいた

 

「お願いほむらさん・・・もう一度!もう一度だけでいいから!!」

 

金色の巻き毛の少女が黒髪の少女に縋る

 

「・・・・言ったわよねマミ?アレは中毒になるからよしなさいと」

 

「ええ・・・。最初は興味本位だったわ・・・・でも私アレがないと生きていけない!!!!」

 

巴マミ

見滝原を守る魔法少女グループ「マギカ・カルテット」を率いる聖少女の面影はない

あるのは自らの欲望を満たすことしか考えられない一人の少女だった

 

「あなたのこの姿を見せられたら・・・佐倉さん・・いや真さんはなんて思うかしら?」

 

嘲るような笑みを浮かべながら黒髪の少女 ― 暁美ほむら ― は変身した

そしてその手をマミに翳した

光りが収まる

マミに変わったところはない

しかしそれは魔力を持つものだけ

彼女はほむらに礼を言うと、目の前のラーメン屋ののれんをくぐった

彼女がなぜこのような事をしたかと言うと・・・・

 

 

「大将!!!特製とんこつらーめん、麺はりがね、全乗せ大盛りで!!!」

 

「威勢がいいね!あんちゃん!!!」

 

厳つい顔の店主が見知った常連に声をかける

今彼の前にはふつうのおっさんが座っている

そして誰もそのことに異常を感じない

 

ほむらの固有魔法「認識操作」だ

 

巴マミのイメージ

それは「ケーキと紅茶」

彼女自身もそれに満足していた

戯れに食べた、あの「ラーメン」と出会うまでは・・・・

 

「やっぱりラーメン○朗のラーメンサイコー!!!!!!」

 

ズズズ!!!

 

至福の笑みを浮かべながら麺を啜るその姿に「淑女」たる彼女のイメージはない・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




らーめん二○ってホント中毒になりますね・・・

一月に一回は食べに行っています
バイト先の古本屋に近いんで・・・

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