鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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やっと出せた・・・プレイアデス聖団
そして素で「プレイアデス聖団」を「プレアデス聖団」と間違えていた

「改変された世界」だからいいよね!


劇団「プレアデス聖団」

キュウベェが真の秘密を暴露して数日後、二人は見滝原を離れて隣接するあすなろ市にいた

真自身、演劇は父親の影響で興味があり参加を決めた

とはいえ、基本面倒くさがり屋の杏子が自分から参加すると言い出したことに真は不安を抱いていたが・・・

 

― あすなろ市 ―

 

真達が住む見滝原市に接するここは、古くから文化事業に熱心で市民が自由に利用できる公会堂もある

その一つ、あすなろ市公会堂に杏子と真がいた

 

「キミ達が巴マミが言っていた、宇佐美くんと佐倉さんね。私は浅海サキ、この劇団のとりあえずのリーダーかな・・・・」

 

やや紫がかった銀髪をベリーショートにした長身の少女が二人を出迎える

凛とした表情

そして、そのクラシカルなデザインの眼鏡も相まって彼女の真面目な性格を表わしているかのようだ

 

― この人が劇をしているなんて、想像がつかないな ―

 

真がぼんやりとそう思っている時に、杏子からの念話が届いた

 

~ おい!何鼻伸ばしてんだ! ~

 

念話と共に、傍らの杏子が真を小突く

 

~ 考え事をしていただけだよ! ~

 

~ うんにゃ!絶対視姦していた ~

 

「ふたりとも見つめあって仲がいいんだね。でもついてきてくれるかい?」

 

見ると、浅海サキが二人の先で彼らを待っていた

 

「「今行きます!!!!」」

 

 

「マミから詳しい話を聞いている?」

 

稽古場までの長い通路を歩きながらサキは二人を見る

 

「ええっと、確か今度の演目に欠員があって急遽役者を探しているってことを聞きました」

 

「・・・・正確にいうとね、私達の劇団の看板女優だった子が劇団を辞めちゃってね」

 

そういうとサキは顔を伏せた

真は、彼女の悲痛な表情から彼女とその女優の関係が透けて見えるように感じた

 

「そう・・・だったんですか」

 

「ミチルちゃんもおばあちゃんを亡くしたばかりだったし・・・・」

 

ミチルというのがその辞めた女優の名前らしかった

 

「でも、僕はあまり演劇のことを知らなくて・・・」

 

「キミは自分のことを僕って言うんだね。大丈夫だよ、いきなり舞台に出すようなことはしないから」

 

そういうとサキは真に微笑んだ

 

― やさしそうな人で良かった ―

 

何時の間にか彼ら三人の目の前には重々しい扉が現れていた

微かに聞こえる甲高い声

そしてリズミカルに何かを踏み鳴らす音

今まさに、役者同士の真剣勝負の場に足を踏み入れる

夢のような手品のタネを伝授されているような、不思議な昂揚感が真に満ち溢れる

 

ドクン!ドクン!

 

真の心臓が高鳴る

 

ギィィィィ・・・・・

 

重々しい扉が開き、そこには・・・

 

 

「ちょっとカオル!もうちょっと足を引込めなさいよ!」

 

「サッカー部員の足は大根足って言いたいのか?里見こそ、その牛のような乳を何とかしなさいよ!」

 

「ひっど!アタシの胸は巨乳じゃないわ!美乳よ!牛じゃないわ!!!」

 

「・・・蜜柑うまい」

 

こたつに入り、蜜柑を食べている3人の少女と・・・

 

「名作の予感がワっ来る・・・・ワっ来る!わっくる神よぉぉぉぉぉ!!!!」

 

鬼面の表情でノートパソコンを叩く、群青色のロングヘアーをした少女がいた・・・・

 

「・・・・・・・・」

 

「コント集団・・・・・」

 

杏子がそのままの感想を口にする

 

「あはは・・・・」

 

劇団という、神聖なイメージが真の中で音を立てて崩れ去った

 

「と・・・とりあえず、劇団プレアデス聖団へようこそ!かな・・・・」

 

浅海サキが苦笑いを浮かべながら歓迎の言葉を述べる

そして、それすらも意に介せずフリーダムな会話を楽しむ劇団の面々

その姿にフリーダムなマギカ・カルテットの面々に振り回される自分の姿が重なる

 

― この人も苦労していんだな・・・・ ―

 

真はそっと涙を拭いた

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

劇団「プレアデス聖団」

最近、主演女優が劇団を脱退して以来、主要メンバーである浅海サキの仕事量は増えるばかりだった

各メンバーのスケジュール管理

稽古場の予約

などなど

彼女がするべきことが山のように待っていた

幸い劇団の運営などは「協力者」が担当してくれているので金銭面の不安はなかった

今回の男女逆転のキャスティングと「宇佐美真」の参加はその交換条件ではあったのだが・・・

 

いつもの稽古場

表情を硬くする劇団の仲間たち

 

「・・・オ・・イシイよね・・・」

 

目の前には彼女の自信作であった筈のビーフストロガノフ

 

「「「いただきます・・・」」」

 

処刑前夜の「最後の晩餐」を食べる死刑囚の如く、彼女らに会話はない

しかし、それを口にした瞬間彼女の仲間達は無言になった

唯一普通に食べているのは「自称:サキの妹」の若葉みらいだけだった

そのみらいも目の焦点が合っていない・・・

不安に駆られて彼女は、自らの料理を口にした

 

「kfじゃおふぁおええいじゃlfじ!!!!!」

 

聞くに堪えない奇声を上げてサキはその場に卒倒する

和紗ミチルのすぐそばに居て、彼女の作る天才的な料理に慣れていた彼女の舌は自らの料理を「劇物」と認定したのだ

 

劇団「プレアデス聖団」の主演女優にして、劇団の料理係であった「和紗ミチル」

彼女の代わりはなかなか見つからなかった・・・

 

 

 

 

 

 




アメリカでは死刑囚は処刑の前夜、食べたい料理を用意してもらえるという「最後の晩餐」制度

現在ではなくなったそうですよ

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