第四章 軋みゆく歯車
「おとうさんもおかあさんも大っ嫌い!!!!!!」
あの白い猫さんと「お遊戯」した後、おとうさんとおかあさんに怒られた
― この糞ガキ!どっからその服を盗んできやがった!! ―
違う、いつの間にか着ていたと言っても、おとうさんもおかあさんは信じてくれず・・・・
バシィ!!!!
いつものように頬を殴られた
痛くて、痛くて・・・・
― さっさと返して来い! ―
だから・・・
だからゆまは言っちゃった・・・・
願っちゃった・・・・
「この痛みをおとうさんもおかあさんも知って欲しい」って・・・
おとうさんもおかあさんもその場にすわりこんだ
このままいたらまた殴られる
だから、ゆまは家を出た
でも行けるのは公園しかない
夕暮れの公園
もうゆま一人しかいない
一緒に遊んだたつみくんもゆえちゃんもいない
お母さんが迎えに来たんだ
― 帰るのよ!あんな家の子と遊んじゃいけません! ―
たつみくんのゆえちゃんのおかあさんもゆまを嫌な目で見て、公園を出て行った
ゆまは一人になった・・・
ギィ・・・ギィ
一人でブランコを漕いでいると、急にゆまの目の前が暗くなった
きっとおとうさんだ
殴りに来たんだ
咄嗟に頭を隠した
でも・・・
いつまでたってもおとうさんは殴らなかった
それどころか・・・
柔らかな手が私の頭を撫でていた
ゆまが目を上げると白い髪の背の高い女の人が立っていた
知らない人・・・
でも悪い人じゃないようだ
「ごめんなさい・・・・私がもっと早くあなたに気付けられたら・・・・」
白い女の人は泣きそうな顔でそう呟いて、ゆまを抱きしめてくれた
私は安心して、眠っちゃった
起きたら、優しいおとうさんとおかあさんが居てくれるのを願いながら
「アカシック・レコード展開・・・・」
彼女「千歳ゆま」を覆い包むように金色の円盤が展開される
「あなたの能力は危険すぎるわ。悪いけどあなたを解体させてもらうわ」
「解体」が何を示すのかわからない
白い少女「美国織莉子」は泣きそうな顔で円盤を操作する
「記憶の消去率を87%に固定、インキュベーターに関する情報にプロテクト。感覚に遮断壁をつける・・・・これで彼女はあの悪魔を理解できない」
全ての処置を終えたとき、少女は白を基調にした服からところどころ擦り切れて汚れた服を身に着けていた
「ゆま・・・あなたの能力を封印させてもらったわ・・・・」
織莉子の手元には卵型をした宝石が握られていた
翌朝
毎朝日報
― マンション一室にて男女の自殺死体発見 ―
長女は近くの公園に居て無事
警察は心中事件とみて捜査を開始
今回は短いです、すみません・・・・