スピンオフでの「ソウルジェム狩りだ!ヒャッハ―!」も捨てがたい
「僕は中沢直人。僕は・・・・・貴方のこと・・・・マコトさんが好きです!!!!!」
― ええッ!杏子さんはと・・・・念話が通じない! ―
念話が通じない
つまりはその範囲には杏子はいないということだ
― 僕が対応しなければいけないか・・・・ ―
ちなみにその頃、杏子はと言うと・・・
「おっさんたい焼き十個!」
「嬢ちゃん可愛いから一個おまけ!」
「おっさん太っ腹だな!」
たい焼き屋の屋台で早速、食欲の奴隷になっていた
「変ですよね・・・・出会ったばかりのあなたに告白するなんて・・・・でも!」
中沢は泣いていた
「でも!今気持ちを伝えないと僕が壊れそうで・・・・・・」
二人きりの公園に彼の慟哭が響く
― 彼は僕に真剣に向き合ってくれている・・・・なら ―
「中沢さん・・・・気持ちは嬉しいわ」
真は彼と目線を合わせる
「僕は貴方と付き合えない」
「・・・・彼氏ですか?」
「ええ」
「あの人の何処がいいんですか!デートと言ってもいつもゲームセンターに連れて行くだけの!」
「ぐふっ!」
「嬢ちゃん、どうしたんだい!」
「ちょっと喉に詰まって・・・・」
天罰である
「貴方がどれだけ僕のことを知っているか、僕はわからない。でもそれは貴方とて同じことよ?」
「はい・・・・」
「あの人をあなたが軽々しく否定できるわけではない」
重々しい空気が辺りを覆う
「では、僕が杏介を捨てて貴方と付き合うとする。でも、僕がまた誰かに告白されて付き合うとする。そしたら・・・貴方はどうなるかしら?」
中沢の顔が青ざめる
愛した人に捨てられる
それは仮にも愛を知った者にとっては、死ぬよりも辛いことだ
「そ・・・そんなのって・・・」
「今、貴方が言ったことはそういうことよ?」
― ごめん中沢さん ―
「自分しか見れない、考えられない。そんな人嫌いよ!」
そこまで言うと、真は中沢を公園に残して入り口に向かう
「自分だけではなく、他人にも愛を注げる男になりなさい・・・・」
その言葉が重く、いつまでも響いていた
しっとりとした空気が真を包んだ
― 雨・・・・? ―
「よぅ!真」
暗がりに目を向けると、赤い髪が揺れた
「杏子さん・・・」
「アタシはアンタに何があったなんて無粋なことは聞かねぇよ。ほら喰えよ」
杏子から手渡されたたい焼きは暖かく、冷え切った真の心と体を癒した
「今、中沢さんに別れを告げてきました」
「そうか・・・・」
「中沢さんはまっすぐ僕を見てて・・・その瞳を見ていると騙しているようで・・・・」
気が付くと、真は泣いていた
不意に暖かな感触が真を包んだ
「人を殴るとき、自分を殴っていると思え。アタシの父さんの言葉さ」
「杏子さんのお父さんって優しい人だったんだね・・・」
「ああそうさ。最高の父さんだよ。でも真も優しいさ。そうやって中沢を振ったことで自分を責めているんだからな」
真は杏子にその身をあずけた
「今のアタシにはこれくらいしかしてやれないけどな・・・・」
「割り切れよ・・・・アンタもアタシも要領良くできてねぇからな」
二つの花は雨の中、ずっと寄り添っていた
NGシーン
「割り切れよ・・・・アンタもアタシも要領良くできてねぇからな」
二つの花は雨の中、ずっと寄り添っていた
「ところで杏子さん・・・・何処行ってたの?」
「それはだな・・・・花を摘みに・・・」
「トイレ行ったのに何でたい焼き?」
「それはだな・・・・・・」
「おーい お嬢ちゃん!携帯忘れてたぞ!」
「ふーん・・・・」
「ち、違うんだ真!」
真は生温い目で見つめるを覚えた!
杏子の精神に40ダメージ!
とりあえず、ユウリ様とアイリは登場決定ということで