鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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絶望に飲まれた中沢君は魔獣と化し、真を触手責めに・・・・

嘘です


戦闘

「真は変身していつでも戦えるように準備してくれ!」

 

「はい!」

 

「アタシは念話でマミかほむらを呼んでみる!」

 

二人の「魔法少女」は花が咲くように変身を開始する

 

 

話は数分前に戻る

「真に恋する少年」中沢直人は自分で見た現実を信じられなかった

恋した少女が彼氏と一緒に、ラブホテルに消えたのだ

彼女がそういった「行為」をしているかもしれない、それは可能性として頭の片隅にあった

しかし、現実として見るのとは別だ

 

ああ、彼女はあの男にその真珠のような肌を見せつけるのだろうか

 

そして彼自身をその身に受け入れ、悦びの声をあげるのだろうか

 

嫌だ・・・・

 

嫌だ!

 

嫌だ!!!!!!!!!!

 

 

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

彼が絶望の声をあげた瞬間だった

 

~ だったら奪い取ったらいいじゃないか ~

 

「へ?」

 

周りを見渡すが誰もいない

 

~ 君が全てを壊して欲しいものを手に入れればいい ~

 

「俺・・・おかしくなったのか?」

 

中沢が声を否定するが、彼の中に疼く声は尚も声をあげる

 

~ 彼女が欲しくないのかい? ~

 

「・・・・・・・」

 

 

僕が彼女を蹂躙したら彼女は泣くのだろうか?

 

それともなじるのだろうか?

 

それよりも・・・・

 

 

「僕は彼女が欲しい」

 

~ ならそうすればいい。君にはその資質があるのだから ~

 

黒い瘴気が中沢を覆い包んだ

それを物陰から、赤い瞳がいつまでも見つめていた・・・・・

 

 

 

「待たせたな!ほむらとマミも此処に向かってくれているって!」

 

「僕も準備ができています!」

 

赤い髪を揺らし、佐倉杏子は槍を構えた

真もガントレットを構える

 

「「行くぞ!!!」」

 

二人がドアを蹴破る

 

― 魔獣の結界 ―

 

魔獣は瘴気の多い場所に現れる

そしてその生み出す結界も元になった瘴気が投影されたものになる

 

辺りには表情のない白い彫像

それらは絡み合い、男女の営みを表しているようだ

 

「・・・何か変じゃないですか?佐倉さん」

 

「何がだ?真」

 

「だってここはラブホテルでしょ?何で僕ら以外の人間が見えないんですか?まるで特定の人間を狙っているみたいに・・・・」

 

「あぶねぇ真!!!!!」

 

真の背後から針のように鋭い触手が彼女を狙う

咄嗟にダンスステップの応用で交わす

 

「シンティラ!!!!」

 

― 放電による火花 ―

 

その名の通り、真が付きだしたガントレットから放たれる青い火花が弾幕を張る

 

「とりあえずは魔獣を倒すのが先だぜ!」

 

「はい!杏子さん」

 

二人が彫像の森を抜けると、白い僧侶のような影がその手を小さな何かに伸ばしていた

それは・・・・・

 

「中沢さん!!!!!」

 

真が叫ぶ

 

「ヤバいぜ!真」

 

― いくら脚力を強化しても到底間に合わない!僕に翼があれば・・・・・翼? ―

 

「杏子さん!僕を最後の審判で吹き飛ばしてくれませんか」

 

「お、おい!何を・・・・」

 

「いいから!!!」

 

真の迫力に押される

 

「後悔するなよ・・・」

 

ドガァァァッァァァァッァ!!!!!!

 

足元から現れた、大蛇 ― 巨大化した杏子の槍 ― が真を跳ね飛ばす

 

― もっと早く!もっと高く!!! ―

 

真の身体が魔獣の上にきた瞬間だった

 

「スクワルタトォーレ!!!!!!」

 

かつて「美樹さやか」が彼を助けた時のように無数のサーベルを魔獣に突き立てた

 

 

 

柔らかく、暖かい

 

彼、中沢直人はその感覚に包まれながら目を覚ました

 

「あら?起きた?」

 

彼が身を起こすと、「彼女」がいた

 

「驚いたよ!道でキミが倒れていたんだから!」

 

― そうか・・・僕は気絶してたんだ? ―

 

彼女、マコトが言うには僕は道で倒れていたらしい

そこを彼女と彼氏が見つけて介抱するために公園まで運んでくれた・・・・・

 

中沢の中にラブホテルに消えていく彼女と紅い髪の彼氏の姿が脳裏を過る

 

「喉乾いていない?何か飲むもの買ってくるよ」

 

彼女が公園のベンチから立ったその時だ

中沢が彼女の手を掴んだ

 

「・・・・・行かないでください」

 

「キ・・・・ミ?」

 

「僕は中沢直人。僕は・・・・・貴方のこと・・・・マコトさんが好きです!!!!!」

 

中沢が真を見つめた

それ瞳には強い決意が現れていた

 

 

 

 

NGシーン

 

一人の宗教家の遍歴

 

故郷を離れて、早一年

私の求める「新たな信仰」は見えてこない

新たな価値観が氾濫する昨今

だからこその新たな信仰が必要だ

私は自分の教会で説教した

しかし、今それが愚かだとよくわかる

私の言葉には重さがなかった

信仰を支えるのは理想と信仰心ではない

真実を直視する「信念」だ

思えば、杏子とももには親らしいことは何もしてやれなかった

 

家族を救えずして、何が宗教家だ!

 

今なら、妻の親戚である「一二三美緒」の言葉が良くわかる

昔の私は彼が如何わしい職業についている、それだけで彼、いや彼女の申し出を蹴ってしまった

世界を巡り、私は多くの悲しみを目にした

 

ここメキシコでもだ

 

政府がアメリカと結んだFTAでこの地の農民達は飢え、生きるために麻薬を作り始めた

警察は彼らからその利益を吸い取り、その利益が少なければ彼らを逮捕しリンチした

彼らの娘や妻は夫を助けるために、その身を・・・・

 

私の以前所属していた宗教では許されない「堕落」

しかし、彼らは懸命に生きようとしている

教えを説くだけでは駄目だ

なら・・・・

 

 

「なんだってぇぇぇぇぇ!あの堅物がメキシコで革命の準備をしている??????」

 

キレた宗教家ほど怖いものはない

今更ながらに一二三美緒は頭を抱えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「大の大人が夢を語るなら、宗教家か政治家になるしかない」

アニメ「スカルマン」、結構好きでした

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