皆はラブホに行ったことがあるかい?
― そんな・・・そんな!彼女に彼氏がいるなんて! ―
俺は目の前の光景が信じられなかった
だって・・・・目の前の彼女はいつもの杏子じゃなくて男がいたんだから!
杏子みたいな赤い髪
筋肉質な身体
切れ長な目
彼がイケメンじゃなければ、この世の男の全てはブサメンということになる
彼に引き替え僕は・・・・
~ 真、見えてるか? ~
~ 杏子さん、どうかした? ~
~ 後ろ見てみい ~
僕が振り返ると、奥のクレーンゲームの裏に中沢さんが立っていた
そして・・・
彼からどす黒いオーラが見えるようだった
~ やっぱマミだぜ!これでアイツも少しは身の程が知れるだろうよ ~
こればかりは中沢さんを気の毒に思った
好きな人物がイケメンと一緒にデートしているのだ
相当能天気な人物じゃない限り、この状況を乗り越えることはできないだろう
― ごめんなさい ―
僕は心の中でそっと彼に謝罪した
~ なあクレーンゲームしないか? ~
~ 杏子さん!それはいくらなんでも悪趣味ですよ ~
~ 見せつけないと意味ないだろ!ささっ、行こう行こう! ~
僕らは一緒にクレーンゲームを始めた
彼、中沢さんが隠れているのを知りながら・・・・
― ・・・・仲良さそうだな ―
僕の目の前には、二人して仲良くクレーンゲームをしているカップル
こうしている間にも
「なぁマコト、次は限定パッケージのうまい棒を頼むよ!」
「杏・・・介!自分のお金でちゃんと取りなよ!」
「いいじゃないか・・・・いつも楽しませてやってんだろ?」
男は彼女の御尻を撫でた
「やぁん、そんな事・・・・恥ずかしいょう・・・・・」
~ 何ナチュラルに御尻を触っているのぉ!!!!! ~
~ だ・か・ら、見せつけないと・・・・・ ~
~ 今度は胸ぇぇぇぇぇ!!!!! ~
― なぬぅ!!!!! ―
以下、中沢君の妄想
「おい!今日の上がりはこれだけかよ?」
バシィ!
「いやぁ!顔は殴らないで!!!!」
「なら・・・」
グフッ!
男(杏介というらしい)が少女(マコトというらしい)の腹部を蹴り上げる
「クぁぁぁぁ・・・・・」
「リクエスト通り、腹を蹴ってやったぜ?」
彼は蹲り、呻いている少女の髪を掴みあげる
「おい豚女!金が足りねぇならウリをやんな。嫌って言ったら殴りつけんぞ?」
「はい・・・・・」
以上、中沢君の妄想終わり
― 彼女を救うために・・・殺るか! ―
「おいマミ!言われた通りに男の恰好で真と一緒に歩いてんのに、全然アイツ懲りてないぞ!おまけに・・・」
「おまけに・・・何?」
「今度はアタシを尾けてきやがった!ドス黒いオーラを出しながらな!」
「恐るべきは中二の童貞力ね・・・・。暁美さん、何かいい方法はない」
暁美ほむらはゆっくりと砂糖の入れない紅茶を一口飲みながら、声を紡ぐ
「方法ならあるわ・・・・・でも覚悟がいるわ。貴方にも真さんにとっても」
「これ以上は我慢できない!どんな方法でも試すぜ!」
「真さんは?」
「僕もこれ以上、彼を騙すのは心苦しいので・・・・これで最後ですね?」
「・・・・ええ」
ほむらは二人を見つめる
「計画を話すわ・・・・覚悟はいい?」
「いやいやいやいや!!!!それは無いわ!!!だって・・・・真と・・・真と・・・」
「はずかしぃ~よぉ」
「「二人でラブホテルに行くなんて!!!!!!!!!!!!!!!!」」
「あらあら、相性ピッタリね佐倉さんも真さんも」
「「誰が!」」
「そのまま当日も頑張ってね?」
巴マミと暁美ほむらは妖しく笑った
NGシーン
「と、いうことで私に協力を求めてきたのね」
男の娘向上委員会のアジト、新聞部部室にて巴マミと総統の三鐘葵は向かい合う
「中学生がラブホテルに入るのって条例で違法って知ってる?」
「でも、貴方の権力なら可能でしょう?」
「見返りは?」
「これを」
巴マミが紙束を手渡す
「貴方にとって札束よりも価値があるわ」
それは・・・・
チャイナドレス、
婦警
襦袢
そして極め付けは、見滝原中学校体操服 ― つまりはブルマ ― を着用した
真の艶姿だった
「マーヴェラス!!!!!」
葵の椅子の方から粘着質の水音が微かに聞こえてきた
まちがいなく葵は「イっている」
こうして「ラブホテル」作戦は実行に移された
自分「初体験」でエアシュートに驚いたことがあります・・・