鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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これで今章は終了です

明日にもこの章の設定をあげますね


ヒカリノムコウ

ガラッ・・・・

 

荒廃した学校を私は一人彷徨う

 

愛する者は既になく

 

愛した世界は仄暗い闇に包まれて、光さえない

 

私は「最悪の魔女」の種を滅した

 

しかしその対価として、罪のない人々を虐殺することになってしまった

 

あの教師に愛する者は居たのだろうか?

 

クラスメートを助けて、「キリカ」の口の中に消えた少女は助けた少年に恋心を持っていたのだろうか?

 

望んだのはこんな世界?

 

 

愛していた世界は何処にある?

 

― 織莉子・・・・ ―

 

不意に何処からかキリカの声が聞こえた

 

私はその声に導かれるように走った

 

走った

 

走った!

 

死んでもかまわない!

 

昔々、お父様が話してくれた童話に出てくる蠍のように焼かれてもいい!!

 

もう一度・・・・

 

キリカに会いたい!

 

私は白い光に包まれた

 

 

気が付くと・・・

 

「おめでとう君の願いはエントロピーを凌駕した」

 

目の前にあの悪魔がいた

 

 

「・・・・つまりはあなたはあの時死んだはずだった美国織莉子なの?」

 

ほむらの持つ銃口はシルバーブロンドの髪の少女 ― 美国織莉子 ― にむけられていた

彼女 ― 暁美ほむら ― の瞳には驚愕と、強い憎しみが渦巻いていた

 

「そうかもしれないし、そうではないかもしれない。能力が暴走し過去のデータが意識を浸食して、そうだと思い込んでいるだけの狂人かもしれないわ」

 

彼女 ― 美国織莉子 ― の能力は「未来予想」

かつての自分の能力である「未来予知」と近似する能力だ

武器であり、能力の要である「アカシックレコード」

それは高密度に圧縮された情報体であり、いうなれば超高性能なコンピューターともいえた

人一人のデータを他人に移植することは「宇佐美真」に「美樹さやか」の記憶を移植したことから可能だということは、ほむらでも理解できた

無論、そのリスクも・・・

 

 

たどり着いた世界には魔女は存在しなかった

 

そして・・・・

 

「織莉子、どうしたんだい?そんなに慌てて・・・・」

 

「お父様!!!」

 

私は溢れる涙を止めることはできなかった

 

「はは、甘えんぼだな織莉子は・・・」

 

大好きだったお父様が生きていた

 

「この能力は便利よ・・・・座標を固定すれば対象の死までの道程がわかるのだから・・・・・」

 

私は能力を使って、お父様の死の真相を知った

 

「敵対勢力による偽装殺人」

 

お父様を魔法で眠らせ

 

会談場所に潜み、一人一人「処分」した

 

数が両手でも足りなくなって・・・・私は数えるのをやめた

 

 

「私は能力を最大限活用したわ・・・・結末はどのメディアにも報道されなかった。つまりはそういうことよ?」

 

 

大好きなお父様は今でも生きている

でも私を満たしてくれない

いまでも夢に見る

あの廃墟の中で無数の「人だったモノ」に追われ、責めれ、犯される悪夢を

私はキリカを探した

私が転生しているのだ

きっと彼女も・・・・

そして見つけた

 

「彼女は私と違って過去を覚えていなかった・・・・でも彼女は呉キリカに間違えなかった」

 

全ては同じだった

いじめを受けて、魔法少女となって・・・・

 

「私はどこまでも卑怯な女。自分の満足のために彼女を利用しているのだから」

 

「そうね。キリカは貴方の正体を知らない」

 

「相変わらず辛辣ね」

 

「そうでしょう?あなたはまどかを・・・私の友人を殺したんだから」

 

ほむらが織莉子を睨みつける

彼女の両腕には最愛の友人 ― 鹿目まどか ― がその命の灯を消して、ただの肉塊に変わっていく感触が今でも残っていた

 

「ええ、だからこれは罰。過去に犯した罪を忘れられず、贖罪しつづけても決して許されない・・・・・」

 

織莉子は寂しげに微笑んだ

 

 

「帰るわ」

 

「復讐はもういいの?」

 

手にしたルガー22オートにセーフティにロックを掛けると、スカートの内側のコンシールドホルスターに収めた

 

「あなたを殺すことは目的じゃない。・・・・死なない程度に風穴を空けて尋問する必要もないわ」

 

「お優しいことで」

 

「でも私が貴方を許したわけではない。いつでも私は貴方に銃口を向ける準備がある」

 

「生まれ変わっても私の罪が無くなったわけではない。それはあなたも同じことよ。最後にいいことを教えてあげる」

 

「いいこと?」

 

「まどかと・・・・真さんのことよ」

 

ほむらの瞳が細められる

 

「あなたと私が以前の記憶を持っているのは奇跡でも偶然でもない、ましては愛の深さでもありはしない。それは彼女、まどかの限界だからよ」

 

「私は転生してからも、様々な方法を使って情報を収集している。システムには歪みは見つかっていない」

 

織莉子は諭すように話す

 

「彼女がしたことはあくまでインキュベーターの作ったルールの変更。つまりは根本は変わっていない。いつ魔女システムが復活してもおかしくはないわ」

 

「しかし、そのようなイレギュラーは存在・・・・・まさか!」

 

「真さんはかつて存在しなかった男の魔法少女。私の力を使っても彼の因果律は測れなかった。そして彼、ソウルジェムを浄化できるのよ」

 

人形のようなほむらの顔に驚愕の色が広がる

 

「ソウルジェムを浄化?!」

 

「ええ。この前の戦いで確認したわ。彼の固有魔法は、対象の穢れを吸い取り魔力へ相転移させること。でもそれは微々たる量で、戦闘で使用される技を再現するのがやっと・・・・」

 

「だから戦闘中か戦闘後、ジェムを浄化しない場合でしかコピーできなかった・・・・」

 

「問題なのはマギカ・カルテットの誰も、真さんでさえ自分の能力をコピー能力としか理解していない点よ。ただのコピー能力としてこのまま使っていたら・・・」

 

「真さんが魔女になるというの?」

 

重々しい空気が流れる

 

「それは分らない。無数の因果が重なり合い、どれが未来として選択されるかすら測れないのよ」

 

「彼を消すの?まどかみたいに」

 

「決めかねているわ。彼の存在は魔法少女にとっての賢者の石ともなりえる。穢れを浄化できるなんて知ったら、他の魔法少女達はどんな手段を使っても彼を得ようとするでしょう・・・その身体を差し出しても」

 

 

「このことを話すということは、私を共犯者にするつもりなの?」

 

「いいえ・・・でも、覚えていて。今も昔もインキュベーターにとって私達は勝手に増えてくれる電池に他ならないのだから」

 

 

不意に背後からほむらの気配が消えた

 

「さよならは言ってくれなかったか・・・・」

 

彼女の眼下には光が渦巻く

 

この光の数だけ人がいて

 

この光の数だけ希望と絶望がある

 

ああ、この小さな手でどれほどの絶望を救えるのだろう

 

ああ、あとどれくらい救済すれば許されるのだろう

 

キリカは私を愛してくれる

 

私を「正義の味方」と呼んでくれる

 

自分の贖罪のために、彼女を利用する汚い私を・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんと織莉子は転生者だったー! ナンダッテー
いや、すみません・・・

都合、あと三人ほど転生者が出て来る予定です

「不良品のかずみを処分するといいながら、かずみハーレムを作っていたメガネっ娘」

「綺麗にマミった、黒パンモロ出しの僕っ娘」

「プレアデス聖団を崩壊したノーパン娘」

を、予定しています

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