鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

306 / 322
インフルエンザで一週間ダウン・・・
カロリーメイトとウイダーインはもう見たくはない


ハイハイニ

織莉子の話は皆に衝撃をもたらした

 

自分の存在を対価として救世を行った聖女「鹿目まどか」

それによって、魔法少女の死の運命は変えることはできなかったが、しかし呪いをつのらせて絶望のしもべである「魔女」となり、この世界に厄災を振りまくことがなくなった

織莉子も未来予知の先の破滅を目撃したことにより「救世」を望んだ

だが、彼女ができたことは数多くの罪のない少年少女を犠牲にして、厄災の魔女の誕生を阻んだだけ

 

― 一握りの犠牲でその他大勢を救う ―

 

まどかは違った

彼女は魔女システムそのものを書き換えてしまった

織莉子は「まどか」に負けたのだ

 

 

「これがこの世界で魔女の代わりに魔獣が生まれた理由よ・・・・・・」

 

真実はいつも裏腹なもの

結局のところは魔法少女と言う存在は消えず、人類を蝕み続ける呪いは今の生きている

だからこそ・・・・・

 

「私は魔法少女になった瞬間に全ての記憶を思い出したわ。そして、自分の非力さを知った」

 

シュオン・・・

 

パラッ

 

また一冊、書架から本が引き出された

 

「この世界には依然としてインキュベーターがいて、そしてその甘言に騙される純真な少女達も多いわ。だから、私はキリカと一緒にそれを解決していく道を選んだ。もっとも、暁美さんはこの世界の秩序維持を第一に行動していたけど」

 

再び映像が浮かぶ

そこには彼女とキリカが歩んできたこれまでが映し出されていた

幸せな結末となったこともあれば、苦い結果になったこともある

劣等感に苛まれた結果、自分の姉を「なかったこと」にしてしまった少女

苛められたくないとの願いで、「存在を希薄にする」魔法を得た少女

皆、無邪気な願いが悪夢を引き寄せてしまった

ある少女などはいずれ迎えるであろう「終末の日」に自分の家族を悲しませたくない一心で、織莉子とキリカに自分が死んだように偽装してもらうことを依頼したこともある

火葬場へと運ばれていく自分の「紛い物」を見つめる少女のあの瞳を織莉子は忘れることはなかった

振り返れば飲み込まれそうになる自らの罪

そして贖罪として始めた探偵

その一つ一つの歩みが彼女の血と骨になっていた

 

「暁美ほむらも?」

 

ニコが織莉子に尋ねる

 

「ええ、彼女は少々変わっていて私達みたいに一度死んだわけじゃなくて、そのままの記憶を持ってこの世界に転生したらしいの。だからこそ、私が転生した存在であると知った」

 

「師匠・・・ミチルさんのことは・・?」

 

「暁美さんから直接聞いたことによれば、彼女もかつての世界で救うことのできなかった仲間を守る為に行動していたらしいの。でも、それを救済者につけこまれた・・・・・」

 

空中に浮かぶ映像に表示されたのは暁美ほむらと和紗ミチルの二人だった

 

「二人が拉致された理由についてはある程度予想がついているわ」

 

三人が固唾をのむ

 

「まず、暁美さん。彼女は世界の理が変わる瞬間に立ち会った唯一の人間。でも本人自身、その意味の重要さを理解できていない。もし救済者がこれから世界の理をもう一度変えようとしているのなら、彼女の持つ記憶は是が非でも入手する必要がある。」

 

次に和紗ミチルの映像が大きくなる

 

「和紗ミチルさん。彼女の固有魔法はどんな魔法でも自由に乗っ取ったり改竄することが可能よ。それだけでも厄介すぎる存在であり、相手としてはどんな手を使っても真っ先に排除したい人間だろう。同時に、彼女の存在はプレアデス聖団にとっての切り札になる。この世界でもプレアデス聖団は和紗ミチルを慕っているわ。彼女の身柄をおさえれば人質に利用できる」

 

「じゃあ、なんでアンタはその救済者から逃げられたんだ?」

 

あいりが織莉子に問いかける

 

「私が転生者であっても脅威とは感じなかったのでしょう。実際、私の検索も入力する情報が少なければ的外れな結果しか出てこない。それに、その日のうちに真さんやゆまも拉致しなければいけなかったことから考えると、私の排除の優先順位が低かったのでしょうね」

 

そういうと織莉子は暫し考えに耽った

 

「それか、待っていれば自分からやってくると思っているのかもしれないわね・・・」

 

「ユウリ?」

 

「あいりもニコちゃんも、それにマギカ・カルテットの皆だって、あすなろ市から逃げてきているのに相手は何もしてこないじゃん。これって、私達が自分から救出しにくるってわかっているから放置しているとは考えられない?」

 

確かにそうだ

無人島に軟禁されていたユウリとあいりが脱出して結構経つが、相手が処刑人を送ってきた様子はない

見滝原とて、魔獣以外が発生している以外は全く何時もと変わらなかった

敵もあすなろ市から出て来てはいない

まるで、鼠取りのようだ

一度入ったら出てこれない結界

そして、魅力的な「餌」

相手からすれば楽に抵抗勢力を始末できる

 

「こうして私達が話しているのも敵のシナリオ通りかもしれないわ・・・・・。もっとも他に手段なんてないけど」

 

あの時のように真やゆまを切り捨てる?

もう、そんな選択はなかった

二人は大切な存在だ

だからこそ、取り返す

絶対に

 




いや~驚きましたね~~「ダンガンロンパ」舞台化・・・・・
実際、おしおきシーンはどうすんだろ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。