鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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投下します


集う「時間」たち

イドの闇に作られた魔法少女達の集会場 ― 「魔法少女」の茶会 ―

そこにはこの「夢の牢獄」に繋がれた全ての魔法少女達が集まっていた

 

「信念」の魔法少女 浅海サキ

 

サキはプレアデス聖団の中では最初に記憶を取り戻した

そして、次々と記憶を取り戻していったプレアデス聖団の皆のサポートに徹した

 

「希望」の魔法少女 若葉みらい

 

彼女は自らの欲望に飲まれつつあった

それほどまでに自身がサキの「妹」としている世界は心地良かった

そんな彼女でも、サキの言葉にその世界を捨てる覚悟を付けた

 

~ 本当に「妹」のままでいいの? ~

 

彼女は「前」に進むことを決意したのだ

 

「思慕」の魔法少女 宇佐木里見

 

動物だけの閉じた世界ではなく、より広い世界を望み目覚めた

 

「百識」の魔法少女 御崎海香

 

彼女は自分が忘れ去られるのを恐れていた

だから彼女はサキすらも否定した

でも、真が語る海香すら知らない様々な説話を聞き、自分が小説家を目指した本当の理由を思い出した

 

「鉄腕」の魔法少女 牧カオル

 

彼女は純粋に真に敵意を向けていた

誰よりも彼女は仲間を大切に思っていた

彼女たちが安易に「魔法少女」にならないように、魔法少女の秘密を明かした

カオルは真が善意で行ったことは知っている

しかし、それを受け入れられるほど彼女は成熟していなかった

だが、どんなに攻撃しても反撃しない真の姿に彼女は敗北した・・・・・

 

 

そこに二人の新たな魔法少女が加わった

 

「自愛」の魔法少女 美国ゆま

 

彼女は幼い自分ではなく、成長し織莉子が姉で真が兄という世界を夢想した

でも、それが彼女自身に施された「処置」の存在を明らかにした

自分が「魔法少女」であり、暴走した「魔法」により両親を自殺に追いやってしまったこと

それが織莉子が彼女の記憶に改造を施した理由だ

彼女は自分の罪に向かい合い、一生をかけて背負うと決意した

 

「再生成」の魔法少女 聖カンナ

 

彼女はギャングによって植物状態になった両親を目覚めさせる為に敵と契約した

そしてニコの記憶を改竄した

それもこれも彼女が幸せに生きる為に行ったこと

でも、カオルの言弾によって、それが彼女を「人間」として思っていないということを自覚した

それで彼女も覚醒を決めた

こんどこそ、彼女の魂の同胞である「神那ニコ」と向かい合う為に

 

そして皆を助け、記憶を取り戻させることに尽力した

 

「鉄仮面」の魔法少女 宇佐美真

 

皆が皆、この場では「魔法少女」の姿になっていた

あの日

プレアデス聖団の皆の前で「魔法少女」の秘密を明かしたあの日が、まるで遠い過去のように感じる

夢の世界には「時間」はない

実際のところは拉致されて一週間もたっていないかもしれない

こうして皆が記憶を取り戻し脱出に力を貸してくれるまで色々な事があった

でも、誰一人欠けずに一緒になっている光景に真は胸が一杯になった

だが忘れてはいけない

これでやっと「スタートライン」に立てただけなのだ

姿のわからない「敵」

その情報を得ることのできる「聖カンナ」の存在

海香の固有魔法「イクス・フォーレ」で彼女についてあらかじめ調べてある

その上でこの場の呼んだ

此処にいる魔法少女全員が変身しているのは場合によっては戦いになることも辞さない、そういった覚悟をしていた

 

「キミが敵と契約したと聞いている。それは本当かい?」

 

サキが冷静に尋ねる

彼女としては敵の正体を知りたいが、しかしそれに流されるほど彼女は愚かではない

 

「そうだよ。カオルには全て話しているけど?」

 

「気分を害して済まない。私はただ君から話を聞きたいだけだよ。皆がこの場で聞くことでより深い情報を得られるかもしれないからね」

 

「対象に質問を繰り返す」

これは尋問の基本だ

一回聞いただけで判断を下すのは愚か者のすることだ

たとえば「札束を握りたいだけ」の「嘘つき婆」が戦争犯罪の被害者だと触れ回るとしよう

一回聞き、それを記録する

その上で他の質問の中に、最初の質問を巧みに紛れ込ます

もしその時に最初の質問と異なる答えをすれば容易く嘘がばれる

いくら喚いても記録された証言は「嘘を吐かない」

こうなれば「嘘つき婆」は、「歴史を修正しようとしているニダ!!!」、「アメリカ様やフランス様に訴えてやるニダ!!!」と叫ぶ以外に方法はない

パニックを起こせばもう「負け」は決まっている

 

「・・・・いいよ。奴らに操を立てる義理なんてないしね。でもどこまで?」

 

「キミが契約した救済者のことが詳しく知りたい」

 

 

カンナは全てを話した

金髪で紫のドレスを着た「ウサミマコト」と名乗る少女と両親の覚醒を報酬に契約したことを

 

「それでボクと里見のコピー人間を作ったんだったんだよね」

 

「ああ、そしてアイツらは金髪の露出狂と紅いナース服を着た二人を襲った」

 

「襲った?」

 

「殺してはいない。アイツらの魔法で何処かへ飛ばされたそうだ・・・・最も確かめる方法は無いけど」

 

「そしてその日のうちにこの牢獄に繋がれた、と」

 

なぜ二人の少女を誘き寄せる為にコピー人間を準備したのか?

わからないことは山積みだ

 

「アイツらはこの世界を楽園と呼んでいた。救済を待つ魔法少女達に仮初の世界を与えるとも」

 

「その救済とは一体?」

 

真がカンナに尋ねた

 

「判らないよ。マコトとか言ったアイツはそこまで詳しくは教えてくれなかったから」

 

「でも・・・・・」

 

「でも?」

 

「誰一人も不幸なままにしない、皆を人間に戻すと」

 

「おかしくないソレ?私達を魔法少女しておきながら救済って、頭のネジが全部外れてんじゃないの!」

 

若葉みらいがカンナに詰め寄る

 

「知らないよそんなの!私がやったことはコピー人間を作って動かしただけなんだから!」

 

「みらい!静かにしないか!」

 

サキがみらいをたしなめる

確かにおかしい

皆が魔法少女になった状況をまとめると彼女達を「魔法少女」になるように洗脳したのは「救済者」に間違いないだろう

それでなぜ「魔法少女」を「救済」する?

まさか、永遠に眠らせるのがその「救済」なのか?

でも、カンナの言う通りなら敵はその処置をあくまで一時的なものだと言っていた

矛盾している

しかし、敵が精神異常者であるとしてもその計画はよく練られている

とすればカンナの言うとおりなのだろうか?

しかし確かめる手段はない

それこそ此処から脱出するよりないのだ

 

 

 




仮面ライダーとガンダムの共通点
作品世界が全く違うのに、無理矢理クロスさせる
きっと、ガイムも今後作品世界を無視したクロスに引っ張り回されるんだろうな・・・・

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