鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ではでは投下


因果の糸

両親を眠りから解放したいと望むカンナとニコ

そしてニコの目の前に現れた「マコト」という少女

彼女はカンナのニコに対する思いを利用して、両親の覚醒という餌でカンナを利用した

そして彼女はそれをニコの為だと信じて協力し、彼女の固有魔法である「再生成」の魔法で作り出した「おとり」を使って、ミチルを含む四人の少女を襲撃した

プレアデス聖団の「みらい」と「里見」のコピーをだ

なぜだ?

恐らくは「和紗ミチル」と「プレアデス聖団」を手中に収めるため

 

― すべては和紗ミチルから「始まった」 ―

 

「劇団」プレアデス聖団の設立者の一人 「和紗ミチル」

彼女は祖母が死んだ翌日後、盟友ともいえる浅海サキにすら、理由を言わずにプレアデス聖団を退団した

そこまで隠そうとする真実

それはあっけなく暴かれた

あの日、公会堂に現れた「魔獣」をミチルが狩る姿をサキが目撃してしまったのだ

ミチルは・・・・・祖母が意識不明の危篤状態になった日に魔法少女になっていた

彼女が何も言わずに劇団を退団したのは、劇団の皆を守る為魔法少女の戦いに巻き込まないため、それだけだった

でも彼女の献身は「不幸な事故」でそれは露見してしまった

しかしなぜ?

なぜ「敵」はわざわざニコの魔法を使って作った「里見」と「みらい」のニセモノを用意してまで、ミチルを引き出そうとした?

 

「カンナ・・・・」

 

確かめなければならない

もしも

「もしも」だがこの考えが正しければ・・・・

穏やかな日常の裏に潜む何者かの思惑

私はいつも絶望していた

魔法少女を知らなければ海香との穏やかな日常を今でも送っていた、と

でも、振り返ればその穏やかな日常も魔法少女という「非日常」と繋がっていたのではないか?

そしてその裏にはきっと・・・・・・

カオルはニコを見つめる

彼女もこんな未来は望んでいない

きっと、今もニコと一緒にいることを夢見るに違いないのだ

 

「カンナ・・・・・アンタは目覚めたくないの?この夢から」

 

いきなりのカオルの言葉に声なく、あっけにとられるカンナ

しかし、直ぐに腹を抱えて笑い出した

 

「ッッッハッはっは!!!!」

 

「カンナ・・・・何がおかしい?」

 

「ハハハッ!腹イテェ・・・・なぁ、アタシがなんで此処にいると思うの?」

 

カンナの瞳がカオルを突き刺す

その瞳に浮かぶのは怒りも悲しみもない

どこまでも澄んだ虚無

願いを抱きつつも全てを諦めたモノの瞳

例えるなら養豚場の「豚」

生きたくともそれを選択する自由はなく、希望を抱けば「終り」の時に絶望する

「希望」を希望しなければ「絶望」することはない

自分の願望を押し付けていれば「救われる」

そう

自分という存在を「虚無」にすればいいのだ

そうすれば・・・・

ニコは幸せに生きれる

「円環の理」に導かれるその時まで、ずっと・・・ずっと・・・幸せに生きれる

 

「そうだ!これを問題にしよう。答えたらまた話をしてやるよ」

 

「何でだよ!」

 

「何つーか、飽きたんだよね。そりゃそれなりに面白い話もあったけどさー」

 

くるくると変わるカンナの顔

笑ったり、怒ったり、泣いたり・・・

でもその瞳の奥に宿った「虚無」は消えていなかった

 

「人を小馬鹿にしくさって!」

 

「なら黙れば?」

 

カンナの感情の無い「声」

 

「くっ!」

 

~ 冷静になれカオル ~

 

そうだ

これはインターバルと思えばいい

頭を冷静に

でも決して譲歩や日和見ではない

今は牙を研ぐ時だ

カンナが追い込まれていることは変わらない

ならば

必死にカオルはカンナの発言を思い出す

そうして浮かび上がったワードをパズルのように繋ぎ合わせる

 

~ カンナはいくらコピー人間だといっても、ニコを実の姉妹のように大切にしていた。なら! ~

 

「ニコの為か?」

 

「大正解。じゃあ理由は?」

 

すぐさまカンナから切り替えされる

 

「それは・・コピーされた人間だから・・・・・・か?」

 

静かにカンナが頷く

 

「確かな戸籍もない、生んでくれた血を分けた両親もいない。そんな存在しない人間が生きていけるほど、この世の中は甘いと思う?」

 

再び、カオルが虚無に支配された瞳でカオルを見つめる

彼女の頑なな心を撃ち砕く言弾は「まだ」ない

 

「だから・・・・・・」

 

もう、カオルは全ての「答え」を知った

カンナがなぜこの世界に甘んじているかを

そしてなぜ「虚無」に支配されているのかを

 

「だからアンタはニコを目覚めた両親のもとで暮させているのか・・・」

 

「そうよ。魔法少女の寿命は平均して短い。でも、少なくともニコは両親の元で実の娘として生活していけるくらいはある。愛する家族たちとの幸せな余生を送ること、それがニコにできる私の、せめてもの恩返しだ」

 

「ニコは納得しているのか?」

 

「するわけないじゃん・・・・。マコトの仲間の洗脳を得意にしているヤツがいて、ソイツにニコの記憶を弄ってもらった。彼女の記憶では私は死んでいるのよ・・・・」

 

カオルはカンナの横顔を見つめた

その顔に浮かぶのは「決意」

たった「一人」

「たった一人」だけをどんな手を使っても守ろうとする「決意」だ

なら・・・・・・

ならば!

 

「それ本気で言ってるの?」

 

~ 本気で抗ってやる! ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キルラキル22話
復活のマコ番長!!!!
やっぱりド直球な方がアニメは楽しめるな

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