鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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歩むときはみんなで

 

ピシッ!ピリィィィィィィィ!!!

 

黒い空間に罅が走り、空間全体が揺れる

水圧で圧潰しかけている潜水艦の内部もこんな感じだろう

砕ける音が地獄の悪魔の咆哮にも聞こえる

その恐ろしげな叫びに心折れそうになるが、最愛の姉と「兄」の笑顔を思い出し自らを奮い立たせる

 

~ 貴方は死ぬのよ? ~

 

再び「あの声」が聞こえる

耳を塞いでもその声は止まらない

でも、前に進むと決めた彼女の歩みを止めることはできなかった

幻聴も幻覚も、所詮は実体の無いもの

できることは聞きたくないこと、見たくないものを見せて怯えさせるだけ

幻聴で死ぬわけでもない

幻覚で死ぬわけでもない

この「声」もあの少女の「幻影」も、記憶の改竄で失った記憶を修復しようとする無意識の働きと、両親によって「虐待」されたときに蓄積された負の感情が合わさったものに過ぎない

原因不明で恐ろしげな精神病が、脳の海馬部位の障害によって引き起こされているのと同じだ

そのカラクリを知った彼女にとってはただの「雑音」

雑音は消えるのみ

そう

壁に掛けられた時計の音が次第に気にならないようになるように・・・・

 

「シャァァァッァァァ!!!!!」

 

「何?!」

 

咄嗟にゆまが身を躱した

地面にサーベルが突き立てられる

ゆまが身構える

 

「kじゃjふぉふぁいうおいふぁいうさぁ!!!!!!!!!」

 

そこにはゆまを闇へといざなった「少女」が立っていた

顏と目の位置がずれ、手もあり得ない方向に曲がっている

崩壊しつつあるこの空間の影響か、その姿は恐ろしげに変わっていた

 

「jjぁjkjfじょ!!!!」

 

ヒュッン!!!!

 

少女の手にした凶刃が風を切る

 

― 力を!全てを終わらせる力を!!! ―

 

ゆまが一心にそう願った時だ

彼女の胸からライムグリーン色の卵型をした宝石が飛び出した

 

「ソウルジェム」

 

たった一つの願いを対価に生み出される魂の宝石

それは魔法少女であると同時に自分が「人間じゃない」ことの証明 

でも、それは同時に戦う力でもある

 

パァァァァァ!!!!!!!!

 

ソウルジェムからライム色の光が放たれゆまの身体を包む

その光は暖かった

光の中でゆまは自分自身の姿の本当の姿にもどる

小柄な姿

その弱弱しい姿に苦笑いを浮かべた

 

 

光がおさまるとそこに魔法少女となった「千歳ゆま」が立っていた

白い猫の耳のようなフード

浅黄色の大きなリボン

そして大きなブローチ

「猫」をモチーフとしたその姿は両親に「ただ愛されたい」と願う、その心情を現しているかのようだった

その手にはロリポップのような形状の猫の尻尾付き球形メイス

 

「dぁうふぉじぇうろjれくぉいうろ!!!!」

 

メイスを握る手に力がこもる

彼女は戦う力を手に入れた

あとは「覚悟」

自らの罪に向かい合い前に進もうとする意思

 

「ゆま、覚悟したよ・・・・・」

 

そして・・・・・

 

「リンクスインパクトォォォォォォ!!!!!!!」

 

ゆまがメイスを振りかぶってそれを地面に当てる

その衝撃が少女の動きを止める

振動する地面はとても立つことができない

そして・・・・

 

「fjfぁkfじょfじゃlふぃうあじょいえうろいえ!!!!!!」

 

一直線に進む衝撃波が少女を捕らえ、過去の「幻影」は聞くに堪えない呻き声とともに消えた

彼女の力が崩壊を進ませたのだろう

「世界」が壊れた

 

 

「・・・・・・・ここは?」

 

そこには怖いトロールもかつてのゆまの姿もなかった

何もない空間

残骸すらみえない

 

「?!」

 

ゆまが手にしたメイスを構える

そこには一人の少女が立っていた

 

「お帰り・・・・ゆまちゃん」

 

灰色の髪の少女が優しく微笑んだ

 

 

イドの闇に立っているのは二人の少女

鉄仮面を外した「宇佐美真」と浅黄色の髪をした少女「美国ゆま」の二人だ

「夢の牢獄」からの影響を脱したゆまの姿は成長した姿ではなく、現実世界での姿になっていた

とはいえ、その姿は魔法少女のそれに変わっているが・・・

 

真はゆまに全てを話した

「魔法少女」の戦い、そしてその先にある破滅も・・・・

明確な死が待っているというのに、ゆまは気丈に振る舞った

真が心配になって、ゆまを見るが彼女は無理にそう振る舞っていたわけではなかった

その瞳には何の怯えもない

何の偽りも見えなかった

その姿を見て、真の心の奥底が痛んだ

 

~ ゆまちゃんと本当に向かい合っていなかったのは僕の方だ・・・ ~

 

ゆまは真が思う以上に強かった

現に真実を知れば誰しもが取り乱す「魔法少女の寿命」でも彼女は毅然とこういった

 

「いつかは今じゃないよ」

 

ゆまは消えるその時まで戦い続けることを選んだ

それは自らの魔力の暴走で実の両親を自殺に追い込んだ、その罪を背負うと言うこと

乗り越えるわけでもなく、忘れるわけでもなく「背負うこと」

それができる人間はごく限られている

大概の人間は物事の落としどころを探して「乗り越えた」といい、その時だけ「悲しんで見せて」忘れたとさめざめと言う

でも「背負う」ということは違う

常に自分に寄り添う「罪」を常に直視するということだ

罪に負けず進む勇気

真はそれをゆまを通して知った

 

 

「ところで・・・・・」

 

ゆまが真に近づく

 

「どうしたの?ゆまちゃん」

 

そして・・・・・

 

~ きっと「アレ」だな・・・・ ~

 

真が「魔法少女」になれると聞いた少女たちは間違いなく、彼の「ソレ」に興味を抱く

彼が同性であることをいいことに「ソレ」を鷲頭みされたのは一度や二度ではない

 

ゆまの手が真に伸び、そして

 

「てぃーい!!!!!」

 

真のスカートが翻る

慌てて真がそれを止める

 

「なーんだ、スパッツ履いてるんだー」

 

彼の受難は続く

 

 

 

 

 




アンネの日記破損事件
全世界の図書館の地図に「独島」シール貼るテロ民族とかね

そういえば例の「切り裂き事件」
散々日本人の犯行だ!差別ニダ!とか言っていた癖に、犯人捕まえたら自称戦勝国の害人って結構あったよね?
特にユダヤはしつこいから、もし日本を潰すためにそれやっていたら自分が潰されるよ?
判ってるのかな~トンスラーは

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