鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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今日は選挙日
なのか、午後はネットが繋がりにくくて

乙らない内に投下


ニンギョウゲキ

上条邸 

 

シュタッ!

 

「美樹さやか」に変容した真が、その中央に位置する日本庭園に降り立った

そして、見滝原中学校の女子制服のポケットに折りたたまれた見取り図を取り出した

 

「確か恭介さんの部屋は赤松の前の部屋だったっけ・・・・あれか!」

 

首尾よく目印を見つけると真は、認識阻害結界を最大にする

 

 

 

真は懐から革のケースに仕舞われた曲がりくねった金具の取り付けられた道具を取り出し鍵穴に差し込んだ

いわゆるピッキングだ

 

マギカ・カルテットの一人 暁美ほむら

彼ら魔法少女の活動費は各自自分で賄っている

巴マミは両親が残した莫大な遺産

佐倉杏子は町のゴミ掃除(悪人限定のカツアゲとも言う)で

そして、暁美ほむらは・・・

 

「これより893から金、物資を調達する108つの方法を伝授する」

 

いわゆる893の事務所から調達していた

彼女の固有魔法は認識阻害魔法をさらに突き詰めた「意識操作魔法」

つまりは彼女が魔法を使用すると

 

「若頭!お早いお戻りで!」

 

任意の人物であると、誤認させることができるのだ

戦闘でも飛翔する矢を認識させないなど、非常に高いアドバンテージを発揮させる

真にピッキング技術を伝授したのも彼女だ

 

「後で暁美先輩に感謝しなきゃ」

 

音を立てないようにそっとピックとテンションを回し、真は部屋へ入った

 

 

「恭介さん・・・・」

 

部屋の中は酷い有様だった

楽曲のスコアだったらしき紙片が辺りに散らばり、汚れた衣服が散乱していた

端正だったその表情には苦悶の跡が見られ疲れ切っていた

 

「・・・・誰」

 

差し込む冷え冷えとした月の光

それを背に女性的なシルエットが浮かび上がる

 

「戻ってきたよ恭介」

 

「さやか!!!!!!!」

 

恭介が身を起こして、彼女を抱きしめる

 

さやか ― 宇佐美真 ― が唇に人差し指を当てる仕草をした

 

「これは夢だと思っていて」

 

 

さやかは静かに言葉を紡ぐ

この世界の裏側を

全てを捨てて戦い続ける宿命を負った少女達

自分もその一人であること

そのため、失踪という形で姿を消さざるを得なかったことを

静かに、自分に言い聞かせるように話した

 

「・・・・僕を馬鹿にしているのかい?そんな嘘なんて・・・」

 

「これを見てもそう思う?」

 

さやかは恭介の目の前で無数のサーベルを錬成させた

 

「もう・・・私は昔の私じゃないんだ」

 

「どうしても・・・さやかじゃないとダメなのかい?」

 

真は静かに頷いた

 

「・・・・わかったよさやか。昔からそうだったっけ僕が泣いていてもずっと居てくれたっけ」

 

「ああ、幼稚園のお遊戯会だっけ。私が王子様で恭介が・・・・」

 

「お姫様役だったよ。本当に嫌だった。他の男の子も面白がってさ」

 

真はそっと恭介の瞳を見る

恭介の訝しむ様な感情は消えていた

 

さやか ― 真 ― は意識を集中させる

頭の中に美樹さやかの生まれてから・・・円環の理に導かれるまでの記憶が再生される

 

「でも、恭介はやり遂げたじゃない!」

 

「それはさやかが僕が舞台に立たないと自分もしない!と言ってくれたからじゃないか」

 

「でも評価されるべきはアタシじゃなくて主人公の恭介さ」

 

そう言うとさやかは寂しげに微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

「キミは一体誰だい?」

 

「誰って、さやかだけど・・・」

 

― もうバレた! ―

 

「さやかは・・・・さやかは縞パンじゃなくて白パンだった!」

 

「え?!」

 

「今でも遅くはないよ!ここに白パンツがあるから着替えなよ」

 

手渡されたパンツにはさやかと書かれていた

なぜ、恭介がさやかのパンツ、略してさやパンを持っているのか

その疑問が真の脳裏に浮かぶが、刻一刻と変身のリミットが迫っていた

もう猶予がない

 

恭介のために生パン着替えをするのか!真

 

そして、密かにカメラを用意する恭介

 

果たしてさやかは白パン派だったのか、それとも縞パンだったのか?

 

真実は何処に

 

 




そういえばまどか☆マギカ展での、等身大さやかは白パンでしたね・・・

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