鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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では投下します


円卓

「さてと・・・・・」

 

服の乱れを直したサキが周りを見渡す

 

― イドの闇 ―

 

全人類に備わる無意識の虚無空間

そこに作られた円形のテーブルには7人の少女

浅海サキ、若葉みらい、牧カオル、御崎海香、宇佐木里美、そして宇佐美真と「さやか」

そこに集う彼らは皆、自分の願いから決別した

その心に抱くのはこの夢の牢獄からの脱出のみだ

 

「こうして皆が無事に記憶を取り戻した。後はどうやってこの夢の牢獄から脱出するかだ」

 

サキが皆を見ながら言う

ここにくるまでは決して平坦な道ではなかった

恐らく、真と「さやか」だけでは彼らを目覚めさせ記憶を取り戻せることはできなかっただろう

特に、みらいの夢の中ではサキの妹として生きる人生を捨てられず、説得しようとしていた真と「さやか」に大剣を振りかざし、無数のテディベアを操って本気で襲いかかってきた位だ

固有の夢は結界と同じ

いくら経験を積んだ魔法少女であっても、苦戦を強いられるのは間違いない

その場にサキが同行していなければ、真も「さやか」も恐らくは無事では済まなかっただろう

そうやって三人は仲間を増やしていった

そして、仲間になってくれた皆がサポートしてくれたからこそ、こうして皆が目覚めて話し合うことができたのだから

 

「浅海さん、悪いんだけどそれにはまだ早いよ」

 

「それはどうしてなんだい、さやかさん」

 

「前にも言ったと思うんだけど、私達がこうしているのは相手が私達を一元管理しているから。それは理解してくれている?」

 

真も含め、ここに集結している魔法少女達に共通しているのは、皆自分の願いの夢を見ていたこと

全員の夢を個々に管理するのは不可能だ

だからこそ、相手は精神のブラックスペースである「イドの闇」を使って、それとわからないように一元管理をしていた

つまりは別々に見えて、皆の夢は一つに繋がっていたのだ

 

「ああ。だからこうして、皆と計画を立案している」

 

「それだけじゃないよ。真が話してくれたけど、此処に集まっている人間には魔法少女という共通点以外にも、プレアデス聖団の関係者って共通点がある」

 

― 劇団「プレアデス聖団」 ―

 

最初は和紗ミチル一人だけだったが、そこに浅海サキや若葉みらい、牧カオルと御崎海香、宇佐木里美が加入してできたボランティア劇団だ

なぜ、プレアデス聖団に所属していた五人が狙われたのか?

なぜ、この中に「和紗ミチル」がいないのか?

真や「さやか」、それにプレアデス聖団が断片的な情報を繋ぎ合わせようとするが、敵の正体もなぜ狙われたのかすらわからなかった

それに敵に拉致された状況や、目撃した敵の姿すら一定していない

サキとみらいを襲った敵は変顔が特徴的なオレンジ色を基調とした、サーカスのピエレットのような恰好をした少女と話し、カオルと海香の時は拉致したのは青色の髪をポニーテールに纏めた、ツナギを着た少女だったと証言した

はっきりしたことは特定の個人が敵というわけではなく、恐らく敵は組織的な行動を行えるだけの資金と情報網、連絡体系を持った連中ということだ

敵の目的、そしてなぜプレアデス聖団の皆を強制的に「魔法少女」にせねばならなかったのか

皆と話し合っても、一向に答えは見えてこなかった

 

「それとこれとどう関係があるんだい?」

 

「おおありだよ。その・・和紗ミチルさんがいないことを抜きにしたら、此処にはプレアデス聖団全員が集まっている、だよね?」

 

「ああ、その通りだ」

 

サキにとって、和紗ミチルは特別な人物だ

だから、此処にプレアデス聖団の仲間が拉致されていると知り、率先して皆を目覚めさせることに協力してくれた

 

「なら此処に和紗さんが居なければおかしいはず。これだけ念入りに計画を立てていた相手だから、何らかの形でプレアデス聖団の中心人物である和紗ミチルさんを手に入れているはず。私はこのイドの闇を、より深く潜って調べてみたわ・・・」

 

「・・・・・何かが見つかったんだねさやかさん」

 

「ああ、もう一人見つかった」

 

「それは・・・・・!」

 

「悪いけど、和紗ちゃんじゃないよ。それよりも私には誰なのかすらわからなかった」

 

「誰かわからない?」

 

真が首を傾げる

此処にいるのは真が関わったプレアデス聖団の皆だ

イレギュラーが存在していることは初耳だ

 

「とりあえず見てもらった方が早いよ」

 

空中に映像が浮かび上がった

 

青色を基調としたクラシカルな航空服、それの上から彼女の健康的な肢体を締め付けるカーキ色のストラップ

そして首の後ろにある「水色のソウルジェム」

魔法少女に間違いない

しかし、真の記憶の中では彼女に出会ったことはない

 

「この子!」

 

海香とカオルが同時に声を出す

 

「「カンナちゃんだ!!!!」」

 

映像に映し出された少女。

それは海香とカオルが出会った「聖カンナ」に間違いなかった

彼女が夢の牢獄に閉じ込められているということは、「彼女達の願い」は叶ったということなのだろうか?

それとも彼女達もまた、何者かの手によって拉致されたということなのだろうか?

願いが叶えられることなく・・・・

 

「・・・・・・・確かめなきゃね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今週のヴァルヴレイヴ、もう慣れっこになったモブ学生虐殺
話も進んでないし、もはや完結させる気が無いんじゃね?

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