鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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「サムライフラメンコ」

尋問プレイっすか?!
レズで男性警官フェチって、どんだけ先走ってんですか?!

そういえば、男性用のコスプレ衣装ってどこで売ってんだろ
男性用の調教用電パンなら見たことがあるけど・・・・


痛みの向こう側

 

「君たちは・・・・?」

 

暗い闇の中でサキを待っていた二人の少女

二人は同じ蒼を基調にした衣服、共に白いマントを羽織っている以外にも、様々な共通点があった

それは髪型であったり、背丈であったり・・・・

腰に、両手持ちの旧日本軍が使用した軍刀のようなサーベルをを差した人物について、サキは会った覚えはないが、しかしその傍らにいる、銀のレッグアーマーとガントレットを装着した灰色の髪の少女については何処かで会った気がする

とても重要な相談をしていたような・・・・・

その人物は・・・・

 

― ・・・・・サキさん・・・ミ・・・ルさんは・・・魔法少女に・・ ―

 

キィィィィィィィィン!!!!!

 

「グッ・・・・!」

 

頭の奥底をスプーンで抉るような強烈な頭痛がサキを襲った

サキが咄嗟に頭を押さえ、その場に蹲る

なんとか痛みを堪え心を平穏に保とうとするが、激しい頭痛が尚も彼女を襲う

 

「ぐ・・・がぁぁぁぁっぁぁ!!!!」

 

サキが痛みのあまり、獣のような呻き声をあげる

その時だった

 

「落ち着いてくださいサキさん!」

 

ガントレットを付けた少女がサキに手を伸ばした

 

パシッ!

 

サキが少女の手を払いのけた

 

「サキさん・・・」

 

「ほ・・・・ほっと・・・いてくれ・・・・・!!!!!」

 

ここは何処なのか

そして目の前の少女達は何者なのか

なぜ目の前の少女はサキに手を差しのべようとしたのか

疑問は後から後から湧き出すが、それを考える暇もなく激しい頭痛がその思考を塗りつぶしていく

まるで、サキに「それ」を思い出させたくないかのように・・

 

「サキさん!!」

 

「うるさい!うるさい!うるさい!!!」

 

サキは灰色の髪をした少女の言葉にも、目を塞ぎ耳を塞ぎ叫ぶ

もう「疑問」なんてどうでもいい

ただただ、この瞬間が過ぎることを望んだ

いつもの幸福な日常に戻ることを願って

 

フッ・・・

 

「え・・・?」

 

目を塞ぎ狂乱するサキを、暖かで不思議な感触が包み込んだ

サキが恐る恐る目を開けると、少女が自らの胸にサキを抱き寄せていた

女性らしい、包容力のある豊かな胸

少女の凛々しくもあり、憂いをおびた表情

女性なのに、女性を感じない不思議な「少女」

私は・・・・

心の中で歯車が噛み合う音が響いた

そうだ

私は「彼女」、いや「彼」を見たことがある

「ミチル」が魔法少女になって戦っている

そのことから一時の感情で安易に「魔法少女」となろうとした自分を諫めてくれたくれた、一人の「少年」のことを!

もう痛みはなかった

 

「そう強く抱きしめないでくれないか?真君」

 

「サキさん・・・・!記憶が・・・」

 

「ああ。でも真君は男の子だろう?なんで今にも泣きだしそうな顔をしているんだい?」

 

「だって・・・だって・・・・」

 

「今は落ち着こう。ボクの為にも、真君の為にも・・・」

 

 

サキさんが話してくれたことには、変な化け物に襲われて意識がなくなったと思ったら何時の間にか「魔法少女」になっていて、なんとか襲ってきた化け物を倒したらそれが妹の美幸さんに変わり、サキさんが美幸さんを介抱している隙を、「変顔」をしたピエロのような恰好の魔法少女に襲われて、ソウルジェムを抜かれてしまったとのことだ

 

「真君申し訳ない。今、私が知っていることはこれだけだ」

 

サキが顔を伏せる

 

「そんなことはないですよ。相手に洗脳能力に長けた魔法少女がいるってわかりましたし」

 

「どうしてそんなことがわかるんだい?」

 

「まず、サキさんの話では美幸さんが自発的にサキさんを襲うとは考えにくい。そして、サキさんが怪物を倒した時を見計らって、その変顔をする魔法少女が現れた。恐らくは美幸さんを洗脳してから、なんらかの方法で怪物化させて襲った。多分、サキさんを操って魔法少女にしたのも、その魔法少女でしょう・・・・」

 

「でもなんでそんな回りくどいことを・・・・・」

 

「相手の洗脳魔法に何らかの制限があるのかもしれません。ねぇさやかさん、洗脳させられてもインキュベーターと契約って可能ですか?」

 

真からの問いかけにさやかは少し考え込んだ

 

「多分可能だよ。あいつらは素質さえあれば、他のことはお構いなしさ。実際、真の時あいつらは契約を渋った?」

 

「いや・・・」

 

確かに真が契約した時、男が契約可能な事例は珍しいとインキュベーターは言っていたが、契約を辞めるとか見直すとかは言っていない

 

「でもはっきりしたことがある。相手は貴方を魔法少女にしたかった。それこそ、身内を餌にしてでも。敵の目的は不明だけど・・・」

 

思案顔の真とさやかを余所に、一人サキは悩んでいた

目覚めていた時の世界が自分の理想の夢で、現実世界では彼女は魔法少女にされて敵の手で監禁されている

しかし、この夢は彼女の理想そのものだった

ミチルと美幸、二人っきりだった頃

大変だったけれども、幸せだった日々

それを失うのは・・・・

 

「・・・・確証が欲しい」

 

サキが無意識に呟いたその言葉をさやかは見逃さなかった

 

「いいよ。それを確かめる方法を教えてあげる。でも・・・」

 

さやかがサキを見つめる

 

「でも、そしたらもう逃げ道なんてなくなる。自分だけの理想に逃げることもできなくなる。それでもいいの?」

 

さやかの問いかけにサキは静かに頷いた

 

 

 

 

 

 




恐らく、さやかのサーベルは旧日本軍の「明治19年制刀」と呼ばれる軍刀をデザインソースにしていると思われます
このサーベルの特徴は西洋サーベルの用法に加え、日本刀独自の握り方が可能であるという点
とはいえ、抜刀術として名高い「戸山流」などの日本独自のサーベル刀術の策定から、陣太刀型へと変わった為、実用性はいまいちだったのかも・・・・

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