泣くもんか・・・・・負けんぞ!制作側の姑息な手で泣くもんか!!!!
・・・・ラストでめんまが言う「生まれ変わったら何になろう?」で敗北しました・・・
暁美ほむらが爪を噛む
彼女の心の中には慢心があったのかもしれない
他の人間、いや魔法少女達にも想像すらできないような「ギフト」を持っていることに
それは「かつての世界」の記憶であり、同時に「世界を救済した永遠の処女」である「まどか」との思い出
「あの世界」のような「絶望」はもう生み出されないはず、だった・・・・
しかし、この「救済された世界」に新たな絶望の種が生み出そうとされていた
― 「箱庭」システム ―
これはいうなれば、強大な結界そのものであり、魔力の有効半径にいる魔法少女や人々の認識を書き変えて、インキュベーターに関する記憶全てを消してしまう
これにより、インキュベーターがいつものように人の前に姿を現して、幼気な少女に契約を持ちかけることは不可能になる
つまりはインキュベーターを「殺せる」システムなのだ
効果からみれば、それはインキュベーターをこの世界から追い出すことが可能になるかもしれない
結果として、この世界を救えるのならほむらも「彼ら」に協力する未来もあっただろう
しかし、それをしようとしている相手は手段を選んでいない
現に箱庭を形成するのに必要な「プレイアデス聖団」のメンバーたちを執拗に対象を追いつめ、拉致した上でデコイを準備し、警護の為に集まった私達を一気に始末しようとした
そう・・・
かつてたった一人の為に
「まどか」を守るためにありとあらゆる手段を用意していた、あの頃の私のように・・・
ならば対話は無意味だ
既にその段階ではない
相手は言うなれば「黒い太陽」
目的を遂げる為ならばどんな手段でも実行し、自らの所業に一切妥協せず、そしてその行為に全くの罪悪感を感じない
現に今も、見滝原で活動している杏子達に「かつての世界の魔女」と思しき存在を送っている
その目的は恐らく、私を誘導するためだろう
証拠はない
だが、これほどまでに手際がいいのだ
でもなぜ?
プレイアデス聖団の皆を拉致した時点で、敵の目的は遂げられたはずだ
口封じ?
ならほむら一人を狙えばいいことだ
わざわざ、マギカ・カルテットに合流させる意味なんてない
寧ろ相手にとっては不利となる
そしてそれから導かれる答えは
― 「鉄仮面」の魔法少女 宇佐美真の拉致 ―
彼女、いや彼が固有魔法を「相手の魔法をコピーする」魔法であると勘違いし、この魔法を行使する際、無意識に相手の「ソウルジェムを浄化」していることは同じ「かつての世界」の記憶を持っている「美国織莉子」から知らされている
幸いにも、彼や仲間達がそのことについて気付くことはなかった
真さんの能力は言うなら、「賢者の石」
使いどころさえ間違うことがなければ、なんでも可能だ
この「箱庭」システムの維持には膨大な量の魔力が必要になる
かつての世界でそれを生み出した「プレイアデス聖団」は、知らず知らずに魔力枯渇を起こして死んでいった
故に、「箱庭」起動の為の魔力の確保は最大の課題だ
真さんを「組み込めば」箱庭は完成してしまう
それを阻止せねばならない
失敗すれば・・・・・・・・
「どうなるのかしら?」
不意に掛けられた声にほむらが空を見上げると、そこにはクラシカルな意匠の施された水銀灯の上に一人の少女が腰かけていた
腰までの金色の髪
紫色のドレス
それらは一国の女王と言い表しても、おかしくないほどの気品が満ちていた
「チッ!」
ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!!!!!
スカート下のコンシールドホルスターから、チャーターアームズ・ブルドックリボルバーを引き抜き少女に向かってトリガーを引き続ける
使い込まれ、スムーズになったトリガーシステムは滑らかに動き、凶悪な44口径の弾丸を吐き出した
弾頭内部に小粒散弾の詰まった五発のグレイザー・セフティ・スラッグが、目の前の少女の肉を引き裂くはず「だった」
「?!」
だが、五発の弾丸は空中に止まったまま、少女の前で静止していた
「相変わらず容赦ないわね・・・・界渡りの魔法少女暁美ほむら!」
少女は変わらず笑みを浮かべていた
臆することはなく、勝者の余裕をもっていた
― 此奴も転生者か! ―
ガチャ!チャリン!!チャリン!!
ラッチを操作して、焼き焦げたカートリッジを排莢する
代りに装填したのは、軽量高速弾 - ゴールドセーバー ―
弾頭全体がコーティングされた完全披鋼弾、いわゆるフルメタルジャケット弾だ
これは先程のグレイザー・セフティ・スラッグよりも初速が速い
端的にいえば、グレイザー・セフティ・スラッグよりも早く相手に到達する可能性がある
銃弾を止めるのは非常に難しい
常に結界を張っていなければならないし、結界の維持は意外と気力を使う
立て続けの銃撃は相手を確実に追いつめる
ほむらは、そのタイムラグに全てを賭けたのだ
「無駄よ・・・・・」
少女が天に向かって白い指を突出し、くるりと回す
その瞬間だった
「?!」
少女が消えていた
いや少女だけではない、街並みや街灯全てが消えていた
「何処へ行ったの!」
その問いかけに現れたのは、彼女が会いたくて会いたくてたまらない一人の少女だった
「ほむらちゃん・・・・やっと会えた・・・」
ピンク色の髪が揺れた
とりあえず
めんまとしてはフォローしているつもりなんだろうけど・・・・
「女の人になったゆきあつはきれいで・・・・・・」
めんま、もう止めたげてよ!!!!!!!