鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ゲリラ豪雨のおかげで、愛車のユーノス・ロードスターの幌に穴があいた・・・・


現身

美国邸

「白亜の城」と見まごうばかりの豪邸

その客間で一人の少女がたった一人の親友の帰りを待っていた

 

コンコン!

 

「キリカ様、紅茶はいかがですか?」

 

美国家のメイドが黒髪の少女「呉キリカ」に声を掛けた

 

「あ・・・・私は今はいいので・・・・」

 

~ 相変わらず、ココのメイドに話しかけられると緊張するな・・・・ ~

 

唯一の親友である「美国織莉子」と関わりあいになる前はメイドなんて、臭いオタクの幻想にしかないように思っていた

でも、実際に出会ったメイドは所謂「そういった目」で見ていた彼女にカルチャーギャップをもたらしていた

一流の礼法

一流のおもてなし

初めて「メイドさん」に出会った時はそのものごなしに感動したくらいだ

 

~ アイツ・・・あたしがメイド服を着たら喜んでくれるかな・・・・ ~

 

彼女の脳裏には一人の少年

とんでもなくバカな癖に、どこまでも真っ直ぐで・・・・

 

~ 違う違う!アイツはそんなんじゃなくて!!!!! ~

 

キリカは頭を振ってその考えを追い出した

 

「キリカ様?」

 

「できれば、ドクターペッパーとルートビアを半々に入れたものを持ってきてくれないかな」

 

「?!は・・・はい」

 

客人であるキリカからの謎オーダーに少し狼狽するが、そこは美国家のメイド

メイドは軽く会釈をすると、客間から離れた

 

「今は・・・・・・」

 

彼女を支配するのは不安

今思えば、あの真と織莉子が両親公認の「許嫁」になって以来、織莉子の様子が何処かおかしくなった

「マギカ・カルテット」のあの黒髪のムッツリ魔法少女と会ったり、連続魔法少女拉致事件が解決したら探偵を辞めると言い出したり・・・・

 

「まさか真が織莉子とそんな関係に!」

 

以下、キリカの妄想

 

~ 嫌ぁ!!!真さん離してぇぇぇぇぇ!!!! ~

 

~ 魔法少女といっても、小娘と同じじゃねぇーか! ~

 

真が、まるで一昔前の時代劇の悪役のような顔で織莉子をなじる

 

バリバリバリ

 

彼の手が織莉子の衣服を引き裂く

・・・・・まぁ、どうやって脱ぐのかわからないしね

 

~ そーら!御開帳 ~

 

~ 見ないでェェェェエェ!!!!! ~

 

~ そーら! ~

 

ズボッ!

 

「げへへ!俺のソウルペ○スの味はどうだ!お嬢様よぉ!!!!!」

 

「い・・・痛いぃぃぃぃぃィィィィィ!!!!!」

 

キリカの妄想終わり

 

 

「いやいや、真も魔法少女だし、そもそも、あの朴念仁がそんなことに興味があるとは思えない!なら・・・・」

 

~ 嫌ぁ!!!織莉子さん離してぇぇぇぇぇ!!!! ~

 

~ 魔法少女といっても、唯の男の子と同じね! ~

 

クチュクチュ

 

~ 僕の御柱を磨かないでぇぇぇぇ!!!! ~

 

~ そーら!元気になった ~

 

天をつく御柱

その姿、ガンキャノンの如し

 

~ 見ないでェェェェエェ!!!!! ~

 

~ そーら! ~

 

ズボッ!

 

ガツ!ガツ!ガツ!

 

盛りのついたメス狼でも逃げ出すほどのピストンで真を攻め立てる織莉子

 

~ そらそら!パパになっちゃえ!!!!!! ~

 

~ 嫌ァァァァァ!!!パパになりたくないぃぃぃぃぃ!!!! ~

 

「これもあり得ない・・・・よな?」

 

キリカの脳裏に、織莉子に胸を揉まれる真の姿が浮かぶ

もし「なんでも好きな事をしてもいい」と言われたら・・・・

ついでに親公認の仲なら・・・・

 

「織莉子の貞操が危ない!」

 

どう考えても、寧ろ貞操が危ないのは真の方だと思うが、少なくとも織莉子が「キズモノ」にされることは間違いない

 

コンコン!

 

「キリカ様、お待たせしました」

 

メイドの持ってきたカートにはキリカがオーダーした「謎ドリンク」

 

「ごめんなさい!ちょっと予定ができたんで。悪いんだけど、飲んでおいて!!」

 

キリカは荷物を纏め、メイドに謝意を述べると美国邸を後にした

 

「どうすれば・・・・・」

 

彼女は目の前の謎ドリンクを見て、天を仰いだ

 

彼女のこの選択は一つの悲劇を巻き起こした

ただ、それは更なる悲劇を止めることに繋がった

そこには何の意思の介入はない

故に、これから起こる事は誰の責任でもないのだ

 

ガラン・・・

 

「ただいま」

 

「織莉子お嬢様おかえりなさいませ」

 

白い髪

エメラルドを思わせるような深い碧の瞳

美国家長女である「美国織莉子」が帰宅した

 

「外出中、変わったことはなかったかしら?」

 

「先ほどまで、キリカ様が待っておられました」

 

「そう・・・・。後で私から連絡するわ」

 

「かしこまりました」

 

メイドは会釈をすると、その場を離れようとする

 

「ちょっと待ってくれないかしら」

 

「はい」

 

「千歳・・・いや、ゆまは如何しているかしら?」

 

彼女はメイドとして美国家に雇われて、一年ほど経つ

ガード・メイドのように戦える力は持っていないが、それでも美国家の一人として日々精進している

彼女はこの時微かな違和感を感じた

ゆまがどのような過去を持っているかは彼女は知っている

故に、織莉子がゆまのことを「千歳」とは決して言わないことも

 

「千歳様はお部屋におられますよ」

 

織莉子の表情は変わらない

怒り狂ってもおかしくないほどの失態

しかし、彼女は指摘すらしない

 

「そう、ありがとう」

 

~ お嬢様じゃない! ~

 

彼女は可能な限り、冷静にその場を後にした

 

「私です!夏目です!」

 

夏目と名乗ったメイドがガード・メイドの一人に連絡を入れようとした、が

 

バシュゥ!!!!!!!

 

「う・・・ぐぅ・・・」

 

背後からの衝撃に彼女の意識は刈り取られた

彼女の背後には、白い魔法少女形態へと変わった織莉子が立っていた

 

 

 

 




保険で車の修理が可能かな・・・・

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