鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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エルカサドのテーマソングイイですね・・・・


魂の欠片

突如、立て続けに響いた二発の銃声

それはかずみたちのはるか背後から響いていた

 

「「「くッ!!!」」」

 

魔力を下肢に這わせて底上げした脚力で、ほむら、ミチル、織莉子がその場から散る

 

「一体何が?」

 

「わからないわ!少し待ってて!!!今調べるから!」

 

織莉子が走りながら固有武装であるアカシックレコードを空中に展開しようとする

 

「だめよ!」

 

ほむらからの怒声が響く

 

「相手は狙撃を多用している。発射音の高さから、恐らく使用しているのは50口径の対物ライフルを使用してのロングレンジ射撃よ。織莉子、レコードを使ってリアルタイムで検索しながら、相手の狙撃を避けて撤退できる自信がおあり?」

 

「・・・・・わかったわ。今は撤退を優先する」

 

織莉子は短くそう言うと、黄金色の円盤を消した

 

「ちょっと!貴方たちはあいりとユウリ、里見とみらいは見捨てるつもりなの!」

 

ミチルが二人を非難する

 

「ええ・・・そうしかないわ」

 

いつものようにほむらが冷静に言葉を紡ぐ

 

「あんたはぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

ガシィ!!!

 

ミチルがほむらの首を掴んで持ち上げる

 

「何がこの世界を守る、よ。あなたは常に安全な場所にいて、都合が悪くなったら逃げるだけじゃない!」

 

「そうよ・・・・今はそれしか、全員が助かる手段はない」

 

ほむらがミチルを見る

 

「あの二発の銃弾は間違いなく警護していたユウリとあいりを狙ったもの。気付くべきだった・・・・これは私達を一か所に集めて、始末するための茶番だったことに!!!!」

 

「私を疑っているの!」

 

ギリギリ・・・・・・・・

 

ミチルが更に力を強める

しかし、ほむらは抵抗すらしなかった

 

ギッ!

 

織莉子がミチルの手を止める

 

「ミチルさん!冷静に今の状況を考えなさい!貴方もこの可能性を薄々気付いているのでしょ?かつての仲間に無機物、有機物限らず周囲に存在している物体を利用して、本物と全く同じ精巧な代用品を作り出す事に特化した魔法を持っている少女がいたことを」

 

「・・・・・・・」

 

ミチルが手を緩める

 

ドサッ・・・・・

 

ほむらが重力に引かれて地面に投げ出される

 

「ありがとう織莉子さん・・・・」

 

「私は冷静に物事を判断しただけよ。私は条理で動く程、愚か者ではないわ」

 

織莉子がミチルに向き直る

 

「冷静になりなさい、和紗ミチル」

 

ダァァァァァン・・・・・・・・・!!!

 

再び、甲高い銃声が響く

 

「今は身を隠せる場所を探すのが先決ね」

 

「ミチルさんもそれに同意するかしら?」

 

「今はそれしか選択肢はないようだ・・・・同意する」

 

三人はビルの屋上から飛び降りると、光の渦の中へと消えていった

 

 

数分後、三人はあすなろ市の裏通りに面した喫茶店にいた

最近のオープンスタイルの喫茶店とは違い、内部は薄暗く狙撃は難しい、とほむらが判断した

 

プルルルル・・・・・・

 

「だめ・・・二人に全くつながらない」

 

ミチルが沈んだ顔で自らのスマートフォンを切った

三人は既に魔法少女形態から、年相応の恰好へと変わっている

彼女達がこの喫茶店に身を潜めているのは、彼女達を狙った影無き狙撃者から身を隠すためだ

ほむらの言う通りなら、大口径の対物ライフルなら、魔力を使った障壁でもこの凶弾は止められないだろう

フォークランド紛争では、「当たった兵が両断されてしまった」などと報告が残されているくらい、強力な弾薬だ

魔力を使ったものでも生半可な防壁は全く意味を為さない

変身を解いた彼女達なら、どんな場所でも難なく日常に溶け込める

そんな状態では狙撃は不能だ

 

「話を纏めしょう」

 

「ええ」

 

「お願いするわ」

 

織莉子が皆に提案する

 

「まず、警護対象であった里見とみらい。彼女達は恐らく複製品にすり替えられたか、悪ければ相手の一味と考えていいわ」

 

「それは確かなのか?」

 

「情報を総合して考えるに、これは余りにも出来過ぎている。まず、派手な事件を起こした上でサキさんやカオルさん海香さんを拉致する。そしてミチルさんの関心を引き、貴方が仲間に助けを求めるのを待った。この時、既に二人は敵の手で誘拐されていたのでしょう。ミチルさん、最初の事件以降彼女達とどんな形でもいい、コンタクトをとったかしら?」

 

織莉子からの問いかけに、ミチルは首を横に振った

 

「私は魔法少女になって以来、過度に彼女達と関わっていない・・・・・言われてみればそうだ。確かに何者かの手で二人がすり替えられていても気付くことはない・・・・」

 

三人は悲痛な面持ち目の前のコーヒ―カップを見つめていた

 

 

「いやぁ~すごいね~ 部屋の中にあるものだけで人間を錬成するなんてね~」

 

三人が喫茶店に集まっている頃、高層ビルの上で二人の少女達の姿があった

 

「・・・・・」

 

「褒めてんのにな~」

 

優木紗々が傍らのレモン色の髪の少女に声を掛けた

 

「私がするべきことは終わった・・・・後は楽園の礎になるだけよ」

 

「まあまあ、死ぬわけではないよ。ただゆっくりと寝ていればいいだけだから」

 

紗々の言葉は彼女「聖カンナ」には届かない

その心に浮かぶのは「彼女の片割れ」

魂を分け合った少女「神那ニコ」の笑顔

 

「・・・・ニコ」

 

少女は小さく呟くと、闇の中へと消えて行った

 

 

 

 

 

 




ウチにおいてある「アンドロメダ」のプラモを小学生女子が買っていった
組めんのかな?

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