鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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題名は好きなFlash作品から
Flash紅白とか、あの時の2chの勢いってすごかったね


けたたましき、この日常に

 

【一つ 魔法少女は魔獣を狩ること】

 

 

見滝原中央工業団地

この見滝原の主要産業であるガラス産業

その中心地はここだ

特に見滝原中学校にも使われている特殊ガラスも此処で生産されている

そこに三つの華麗な影が舞っていた

 

 

「真!こっちの援護に来てくれ!」

 

五つの分身を使って飽和攻撃を行っている佐倉杏子が仲間を呼ぶ

 

「わかったよ佐倉さん」

 

魔法少女「宇佐美真」はマスケットで杏子を援護する巴マミに向かい合った

 

 

「巴さん・・・少し力を貸してください」

 

「ええ!」

 

 

真はマミの帽子に付けられたソウルジェムに手をかざす

手から真の中心まで、燃えたぎるような力が入り込んだ

 

「クッ!あああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁああああ!」

 

身体を駆け巡る力の奔流

以前の真ではそれに飲み込まれたが、彼ら「マギカ・カルテット」の一員となり数多くの戦闘を経験した彼はそれを受け入れる術を会得していた

 

~ 私の身体が・・・繋がなきゃ・・・・・ ~

 

~ 死にたくない! まだ・・・・死にたくない!!!!~

 

彼女「真」の脳裏を様々な声が木霊する

それは「命を繋ぎとめたい」という、強い願い

真はその奔流に抗うのではなくその流れに身を委ねた

 

イメージするは「生命の芽吹き」

 

荒れ果てた荒野に咲く花の強さ

 

奔流は真の奥底で徐々に新たな形を取る

 

 

「ドッピオ・レガーレ!!!!!!!」

 

 

真の掌から伸びた黄色いリボンが縦横無尽に伸び魔獣達を拘束する

 

 

「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

真が複数の魔獣を一つにまとめ上げると、槍の穂先を巨大化させた杏子が一刀両断する

云いようのない悲鳴をあげ魔獣は消滅し3人は誰一人かけることなく現実世界に生還した

 

 

宇佐美邸 別館

「鉄仮面の魔法少女」宇佐美真が住むこの洋館は客間と本館が分離していて、別館には電気や水道まで通っている少々変わった構造をしていた

恐らくはメイド達の宿舎として使用されていたであろうそこは、真の提案で新たな「マギカ・カルテット」の作戦本部となっていた

 

 

【一つ 魔法少女はお茶会をする】

 

 

「はい真さん。今日は暖かくて疲れの取れるレモンティーにしてみたの」

 

「ありがとうございます」

 

レモンの瑞々しさと、暖かさが真の心身を癒した

 

 

彼女達の一員となり魔獣を狩る日々

憧れていた「ヒーロー」の現実は過酷であった

 

彼女たちの行使する力は有限であり、それを使い切ってしまうと消滅してしまう

 

故に、或る者は命を長らえさせるために

 

また、或る者は自らの欲望をかなえるために、

 

人の瘴気から生み出された「魔獣」を狩り続ける

その先には戦いの最中に戦死するか、大きすぎる願いの代償を払い消滅するかしかない

そして・・・・

 

 

【一つ 魔法少女の持つソウルジェムは彼女達「自身」である】

 

 

巴マミから告げらせた真実

多くの魔法少女が希望を失う切っ掛けとなった、その秘密

しかし当の真は・・・・

 

「そう・・・・なら仕方ないね」

 

特に悩みもせずに受け入れてしまった

 

 

「ホントあたしも驚いたぜ。こいつ変態のくせに冷静だし」

 

「変態はよけいよ佐倉さん。でも私も驚いたわ・・・・私なんて」

 

「あの時のマミの狼狽は凄かったわ・・・キュウべぇを電子レンジに放り込んでスイッチをオンにしたり・・・・」

 

「佐倉さん!その時の話はもうよしてよ!それは私の黒歴史よ!」

 

 

「魂」の在り方

 

多くの思想家や学者が悩んだ命題

病院での暮らしの長かった真にとって、人の死は身近だった

 

なぜ朝元気だった患者が夕に急変し、夜に死ぬのか

 

なぜ人は死んだ人間を「ただの肉」ではなく「遺体」と呼ぶのか

 

どう考えてもそこには「感情論」しかない

 

 

「脳は考える器官にあらず、だよ」

 

 

昔は人の精神は脳髄という器官が司るとされた

しかし、現代医学がその聖域を暴くようになりその前提すら怪しくなってくる

すなわち、冷静に考えると魂の在り方とは「そこにあってそこにないものなのだ」

 

真はテーブルに置かれた自身のソウルジェムを見つめる

 

乳白色の中に赤、紫、黄色、といった色が漂う

 

これが真自身であると言われても、現実として物事を観測しているのはソウルジェムではなく、今もって「真」というペルソナである

なら「それはそれ」と考えるのが最も正しい解釈だ

 

 

「夢野久作のドグラ・マグラね」

 

「どういう本なんだい、ソレ?」

 

「強いて言うなら読んだら発狂するって言われている本ね」

 

「つまりは真はそれを読んで、変態になったってことか!」

 

 

あくまで「変態」に拘る杏子

安定のオチは・・・・・

 

「杏子のおやつは没収!そしてそれは今日一番の功労者の真さんに贈呈します!」

 

「待て!それはアタシんだ!」

 

別館に杏子とマミの声が響く

その姿を見ながら真は魂の在り方について考えていた

 

 

僕も彼女達もいうなればもう「人間」じゃない

 

でもこうして笑いあえる、泣くこともできる

 

人間を「人間を取り巻く周囲環境すべてが自分と切り離せない密接な関係をもつ存在」であると仮定するのなら僕も彼女達もまだ「人間」だ

 

そして、僕のこの感情も脳髄を巡る微小な電気の火花ではない

 

今、僕は、僕という存在は生きている

 

 

「何黄昏てんだよ!変態!」

 

― 難しいことは、また今度でいいか ―

 

「そういえば・・・・杏子先輩に貸した500円まだ返してもらっていないような・・・・・?」

 

「あれは・・・だな・・・」

 

「佐倉さ~ん・・・・」

 

背後に立つ巴マミ

 

「そういえば・・・私の所から借りてったティーセット、返してもらってないわよね?」

 

「それは・・・・」

 

(言えない・・・ついうっかり割っちまったなんて)

 

「あなたも弟子を持って落ち着くかしら?と思ったけど、もう少し修行が必要ね」

 

「あああアタシ、塾に行かなきゃ!じゃあ、これで・・・・」

 

玄関のドアノブに手を掛けた彼女を黄色いリボンが拘束した

 

「これでいいですか巴先輩?」

 

「うんうん。完璧だわ真さん」

 

ずるずると引きずられる佐倉杏子

 

「とりあえずは技のコントロールを磨くことね。先輩なら弟子の修行に付き合うものでしょ?」

 

地下室に杏子が消えるたあと、マミは無情にもドアを閉めた

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

【一つ 魔法少女は勝負パンツを履く】

 

「なんですかそれぇぇぇぇぇ!」

 

「おかしくないわ。魔獣に狙われる人間は心に闇を抱えていることが多いわ。だからこそ!」

 

巴マミが自らのスカートをたくし上げる

レースに彩られた清楚な白いTバックのショーツが露わになる

真の目が釘付けになる

 

「命を賭けて戦う少女達。捲りあがったスカート、そしてそのアルカディアから漂う芳しきスメル。どんなに絶望に飲み込まれても希望を抱けるわ!」

 

「マミの理屈はよくわかんねぇけど・・・・」

 

佐倉杏子はその燃え上がるような赤いショーツを見せつける

 

「こいつを履くとなんか攻撃の当りがいいんだ」

 

「私は黒のレース。戦いでSOSOUしてもいいようにね」

 

「あの暁美さんはタイツで見えないんじゃ・・・・?」

 

「さて・・・・真さんの勝負パンツは?」

 

杏子、マミ、ほむらが徐々に真を壁際に追い詰める

 

「ぼ・・・僕は男の子なので・・・スパッツでいいです」

 

「スパッツ!スポーティーでヒップが強調されて悪くはないわ。でも少し地味だわ」

 

「あたしも最初、マミにもらった時派手だと思ったけど一度履いたらよかったぜ」

 

「履きなれたら病み付きになるものよ」

 

 

いやぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!!!!!

 

 

「しくしく。もうお婿さんにいけない・・・・・」

 

「似合っているわ真さん。なかなか売っていないのよそれ」

 

「結構似合っているぜ」

 

「もともとは男性用だから、不意に変身解除になってもなんとかなるわ」

 

露わにされた真の下半身には・・・・

 

黒いレース

 

メッシュ素材

 

紐で結び固定する―

 

女性用ふんどしが装着されていた

 

魔法ふんどし少女の誕生である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふんどしって意外と楽、らしい・・・・

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