鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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ここ最近、金爆しか聞いていないような・・・・


魔法少女の日常

 

「準備はいいかしら?二人とも」

 

コンピューター室での出来事から数日後、海香、カオル、ニコの三人の姿はあすなろ市の工業エリアにあった

通常、魔獣を狩るには人の情念が集まり、瘴気へと昇華し易い繁華街の方が効率がいい

それに繁華街を押さえれば、このあすなろ市でどれくらいの「魔獣」が発生するかアタリをつけることが可能だ

無論、「ニコ」も知らない、全く未知の魔法少女と出会ってしまうこともある

今後の為にもできるだけ、不確定要素を増やすわけにはいかない

また「カオル」と「海香」

二人はまだ「魔法少女」ではない

繁華街には魔獣以外にも、ある意味魔獣よりも危険な警察や見回りの教師がいる可能性がある

もし、見咎められたら厄介なことになる

二人は教師達にとって非常に受けがいい

それ故、少しのスキャンダルでも大きく広がってしまうことも考えられる

だからこそ、あまり警察や教師達の寄り付かない工業エリアに二人を案内したのだ

ここなら注意するのは警備員や監視カメラなど、ルーチンワークをこなすモノだけしかいない

 

「「大丈夫です!!」」

 

カオルは顔の隠れるヨットパーカーにジーンズといった無難な格好

「かつての世界」の魔法少女形態によく似ているのが少し気になるが、彼女から魔力を感じることがなかった

まぁ魔法少女形態は本人の「願い」や「嗜好」で決定される

牧カオルはこのような姿が好きだったのだろう

 

「何かついてるの?」

 

相変わらず、彼女は私に心を開いてくれない

それは良しとしよう

最終目的は「両親の覚醒」

プレイアデス聖団みたいに「仲良しごっこ」がしたいわけではないからだ

だが海香は・・・・

 

「御崎さん・・・・・どっから持ってきたのその服?」

 

レザージャケットに彼女の体のラインがしっかりと出たブラックレザーパンツ

そして「特定の愛好者」が使用するような、凶器としか言えないような鋭いヒールの付いたレザーブーツ

明らかに何か勘違いしている

 

「やっぱ闇に紛れて魔獣を狩るっていう以上、それっぽい恰好をと・・・・」

 

「逆に目立っちゃうよ!!!」

 

ニコが海香に渾身のツッコミを入れる

 

「でも~着替える場所なんてないし・・・・・」

 

「もう!」

 

ニコが手慣れた仕草で指輪からソウルジェムをコンバートすると、それを二人に向ける

 

「じっとしててね」

 

ヒョォォォォォォォォオォォォ!!!!!!

 

ソウルジェムから放たれたダークグリーンの光が二人を覆い包んだ

 

「「?!」」

 

「今認識阻害魔法を掛けたから、監視カメラにも映らないから大丈夫よ」

 

「へ~なかなか便利~」

 

「そうでもないよ。これで誤魔化せるのは魔力を持たない一般人か、監視カメラだけだし」

 

「ということは私達の姿を魔法少女は見ることができるの?」

 

「ええ。その通りよ御崎さん」

 

ニコは掌にソウルジェムを乗せる

 

「じゃあ行こうか、二人とも」

 

 

「魔法少女って結構地味できついのね」

 

ニコを先頭に三人は工業エリアを歩く

途中、工場勤めのオジサンに出くわすが誰も彼女達に気付くことはなかった

 

「ソウルジェムは魔法少女自身にして、魔力を使う媒体、そして魔獣の探知機でもある。だから、居そうな場所を歩いてみて探るしかない」

 

海香がニコに声を掛ける

 

「じゃあ、どうやってその居そうな場所を決めるの?」

 

「さっき説明した通り、魔獣は人の悪感情の結晶よ。だから、閉店した店や倒産した会社とか、事故・自殺現場にいることが多い」

 

不意にニコのソウルジェムが光り輝く

 

「・・・・居るようだね」

 

ニコがソウルジェムを翳し、その場でステップを踏む

その瞬間、ソウルジェムから溢れた光に包まれて魔法少女形態へと変身した

 

「ここから先は命の危険のある魔獣の結界。二人とも、それでも進む?」

 

ニコの問いかけに二人は黙ってうなずく

 

「じゃあ、頼りになる相棒を呼ばなきゃ!」

 

ニコが背負っていた鞄からガラスの筒を取り出す

 

「カンナ出番だよ!!」

 

「おーけー!」

 

パリン!

 

その瞬間、ガラスの筒が砕け散る

驚く二人の前にはニコが「二人」いた

 

「紹介するね。この人が私を作ってくれた生みの親のカンナだよ!」

 

鏡写しの二人が同じく、海香とカオルに笑顔を見せた

 

 

NGシーン

 

ニコが指輪からコンバートしたソウルジェムを二人に向ける

ソウルジェムから放たれたダークグリーンの光が二人を覆い包んだ

 

「「?!」」

 

「今認識阻害魔法を掛けたから、監視カメラにも映らないから大丈夫よ」

 

「へ~なかなか便利~」

 

「そうでもないよ。これで誤魔化せるのは魔力を持たない一般人か、監視カメラだけだし」

 

「じゃあ・・・・」

 

海香がおもむろにブラックレザーで固めた衣服を脱ぎ出した

 

「ちょっ!何やってるのよ!!!」

 

ニコが声をあげる

 

「何って?服を脱いでいるのよ」

 

「だから何で脱いでるのよ!!」

 

「いやぁ~~~~一度、野外露出というものを・・・・・」

 

「貴方は何処まで行くの!何処を目指しているのーーーーーーー!!!!」

 

「いやぁ~~~イけるとこまで?・・・・・」

 

今更ながらに「プレイアデス性団の」パなさに、ニコは頭を抱えた

 

 

 

 





「イけるとこまで」

なぜかときめいてしまう・・・・

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