鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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また海外で実弾射撃したいな・・・・


接続 ― コネクト ―

太陽が傾き、あすなろ市は琥珀色に包まれていた

 

 

「美味しいお店を教えてくれてありがとうね!ユウリ」

 

「ニコちゃん!またね!!」

 

神那ニコは笑顔でユウリと別れ、「ビストロ・タチバナ」を出た

目的の「かずみ」に出会うことができなかったが、問題の場所は見つかった

しかし、その内心は喜びよりも焦りが満たしていた

理由は先ほど行ったGPS検索の結果だ

彼女の「魂の同胞」である「聖カンナ」を現す光点は全く動かなかった

そして、何度「念話」でコールしても彼女からの返事はない

普段はうるさすぎるほど連絡してくる「聖カンナ」から何の連絡もないのだ

間違いなくカンナは何事かに巻き込まれている

いやむしろ、彼女が自分から何事かに巻き込まれているかもしれない

ニコの知る「かつて」のオリジナルカンナはあまり表に出ることはなかった

しかし、銃の暴発事故が起きなかったおかげで彼女は「かつての世界」とは異なった精神構造を持つにいたった

今の彼女なら両親の眠りを解くためなら、どんな危険でも飛び込む可能性もある

それだけ彼女は必至なのだ

ニコは周りを確かめると指輪の封印を外した。

指輪は流体金属のように溶けると、ニコの白い掌の上でソウルジェムにトランスフォームした

少女の表情は険しい

再び、「あの忌まわしい姿」になるのだから・・・

少女を深海の澱みを思わせる暗緑色の光が覆い、その肢体をダークグリーンのボディースーツとそれを同じ色の外套が包み込みんだ

そして最後に帽子が少女のレモン色の髪の上にちょこんと乗る

 

「例え呪われた姿であっても、この手で救える命もある・・・・待っててカンナ!!!」

 

彼女は魔法少女としての戦歴は長いが、しかしこのあすなろ市の魔法少女たちのことを知らなさすぎる

彼女たちがニコの知る通りに魔法少女へと変わっているかどうか、それを確かめるすべはない

しかし、本当に魔法少女となったのならかなり厄介だ

特に「御崎海香」と「宇佐木里見」には注意しなければならない

あの二人なら、彼女の「秘密」全てを知ることができる

無論、「神那ニコ」の正体すらも・・・・

 

シュオォォォォォォ・・・・・

 

ニコは自らの身体を認識阻害魔法を掛ける

これで路上カメラであっても彼女の姿を認識することはできない

できるとすれば同じ魔法少女だけだ

 

「コネクトォォォォォ!!!!!!」

 

ニコの背中から生えている、いくつもの輪が繋がった紐状の物体がまるでサソリの尾のようにビルの屋上へと延びる

それが屋上へと到達すると同時にニコの身体をそのままクレーンのように持ち上げる

魔法少女「神那ニコ」の願いは「接続」

かつては自分を辱めた連中が破滅していく姿を目に焼き付けるために願ったが、この世界の彼女は破滅を回避するためにたった一つの願いを使った

それが「接続」の固有魔法 ― コネクト ― だ

今、彼女は自分を「ビル」と接続して飛び上がったのだ

これならかなりの距離をショートカットできる

ニコはGPSの光点へと向かって飛び立った

 

 

「?!!」

 

ニコが「コネクト」を利用して飛び立った同時刻

ビストロ・タチバナで寛ぐユウリが異常に気付いた

今、この「あすなろ市」で活動できる魔法少女は彼女を含め、二人しかいない

ユウリとあいりだ

だが、いま二人以外の魔力を感知した

しかもその波動はミチルのモノでも、あいりのモノでもない

全く別の波動だった

 

「立花さん!ちょっと行ってくるね!」

 

「・・・魔獣が涌いたのかい?」

 

立花はユウリに尋ねる

目の前の少女が魔法少女であることはミチルから聞いて既に知っている

いまはそのミチルはいない

彼女は立花に「二人」のことを頼んでから、見滝原へと向かった

 

「ううん・・・・違うみたい・・・・」

 

少女の表情が翳る

 

「気を付けてな」

 

「ありがとう立花さん」

 

ユウリの笑顔を見るにつれ、立花の胸は締め付けられていた

こんな小さな子供に戦わせて自分はただ彼女達の無事を祈るしかできないのか?

遠ざかるユウリの小さな背中を見ながら、立花は自らの無力を嘆いていた

 

 

 

 

NGシーン

 

「・・・・替えがない」

 

あすなろタワーが見渡せる瀟洒なマンション

その一室でニコは頭を抱えていた

彼女の目の前には数枚の白い布きれ、いわゆる ― ショーツ ― が置かれていた

 

「接続」の魔法少女「神那ニコ」

 

彼女の魔法少女形態は身体を覆うボディースーツ

その為、普通のショーツだとかなりラインが浮き出てしまう

彼女は自然とTバックのショーツを愛用するようになった

だが・・・・・

 

日本の、しかも地方都市で中学生用のTバックなど手に入ることなんぞなく、彼女が準備してきたショーツは減りゆく一方であった

しかも股のところがすり減っていくという謎の現象で・・・

 

聖カンナ

ニコの「生みの親」であり、掛け替えのない友人

彼女の固有魔法は「再生成」

この魔法を使えばカンナに気付かれずショーツを細工するのはワケもない

 

ピッチリとしたボディースーツに浮かぶパンティライン

 

「ぐふふ・・・・もう少しでニコのエロエロなパンティラインを拝める・・・・・」

 

脱ぎたてのニコのショーツをくんかくんか!するカンナはまさに「変態」のそれだった

 

 

 

 

 

 

 

 




ブラジルでは小学生用のTバック水着があったりします・・・

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