鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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今週最後の更新
来週は今週よりも時間があればいいなって・・・・


魔法少女失格

 

 

「宇佐美真さん。あなたは魔法少女失格です」

 

「おいおいマミ!少しはオブラートにだな・・・・」

 

「私は事実を話しているだけだわ。杏子さん、貴方は魔法少女がどういう存在か、どの様な結末を辿るか知っているでしょう? 生半可な気持ちはお互いを不幸にするわ」

 

「それは・・・・」

 

軽はずみな願いで魂を差し出すことの愚かさ

常に自然体な杏子でも理解はできる

マミの場合はそれしか生きる術はなかった

故に、ただ憧れだけで契約した真に対する怒りも理解できる

 

「僕の気持ちは本物です!現に・・・・」

 

「私達を助けたから?それだけじゃ証明にならないわ!」

 

 

マミの気迫に真がたじろぐ

 

 

「貴方がしていることは、たださやかさんに憧れてその影を追っている・・・独りよがりだわ」

 

「なら・・・どうすれば証明できるんですか!」

 

「証明したいなら・・・・そうね・・」

 

 

バシィィィィィ!

バシィィィィィ!

 

河川敷に何かひどく、重量のある柔らかいものを殴りつける音が響く

 

「降参した方が身のためだぜ?」

 

紅い髪をポニーテールにした少女が、灰色の髪をした少女 ー 宇佐美真 ― の腹部を殴り続ける

真はそのガントレットにサーベルを持っているが、少女の動きを捉えることすらできない

 

「おいおい、もっと向かって来いよ!それともなにか?男のくせに玉無しか・・・って、今は女だったか!ハハッ!」

 

紅い髪の少女が真を嘲笑う

話は一時間前に遡る

 

 

「此処にいる杏子を倒しなさい」

 

マミは静かに告げる

 

「おいマミ!いくらなんでも・・・・」

 

杏子が抗議の声をあげるが、それを無視しマミは続ける

 

「佐倉さん、あなたは魔法を使うのは禁止、素手で戦ってもらいます。そして真さん、あなたは魔法でもなんでももいいから彼女に一回攻撃を当てなさい。」

 

「アタシに素人相手に決闘しろって言いたいのか?」

 

「おや佐倉さんも彼に借りを返したいんじゃないの?その素人に助けられたこと、忘れていないわよね?」

 

「ああ・・・」

 

「そう・・・なら戦いなさい」

 

 

舞台は再び河川敷へ

 

「巴さん、お疲れ様」

 

暁美ほむらがそっと巴マミの隣に座った

 

「悪役なんて柄じゃないもの。疲れたわ・・・」

 

「巴さんが右も左もわからない彼を私達の仲間にしないとは思っていないわ。」

 

「ええ。彼をただ迎え入れるだけなら、きっと佐倉さんは納得しなかったはずよ。あの子はそれなりにプライドがあるから」

 

「だからハンデを与えたうえで、決闘させたわけね」

 

「見たところ彼も自分の魔法がどんなものか理解できていないようだし・・・・」

 

「仕込みは十分?」

 

「前回みたいなミスはないわ」

 

 

真が身体能力向上にいくら魔力を使っても佐倉杏子へ攻撃は届かなかった

 

「得物ばかり気にしてると危ないぜ!」

 

シュッ!

 

杏子が真の足を払う

そのはずみで手元のサーベルが宙を舞い、倒れた彼女の近くに落ちた

真は、すぐさま立ち上がろうとするが杏子が馬乗りになってその動きを封じる

 

「くッ!」

 

「はいチェックメイト。あっけないな」

 

杏子の手が真の白い喉元に当てられる

ほんの少し、彼女がその指を押したら、真の喉笛は粉砕されるだろう

彼が敗北を知り彼女から目を離した

杏子が真をなめるように見つめる

 

「ホントさやかによく似てるなぁ・・・・お前何回その恰好でオナニーをした?」

 

少女から放たれた言葉は他の罵声よりも真を怒らせた

 

「馬鹿にするな!そんなこと・・・・」

 

「さやかみたいなヒーローになりたい?はっ!どうせお前はさやかの恰好でオナニーしたかっただけだろ?この変態!」

 

真は自分の不甲斐なさを痛感していた

正義を為すために契約して魔法少女となった

しかしそれを成し遂げるための実力が伴わない

 

力が欲しい

 

誰よりも高く飛びたい

 

あの人に近づきたい

 

力が!

 

力が!

 

不意に、倒れ伏した真に力が湧いた

 

「ぐあぁぁぁあああああああ!」

 

それはまるで体内に灼熱のマグマを流し込まれたようだった

膨大な魔力が周囲を満たす

 

「始まったわ。巴さん準備はいい?」

 

「ええ」

 

マミがマスケットを構える

 

 

「なんだよ・・・こいつは!」

 

杏子は眼前で起きている現象は信じることができない

真に対する彼女の評価は低かった

戦闘能力は並み、魔力もそれほどではない

でも今はどうだ

目の前の真の力は杏子の魔力を合わせたモノよりも高い

身に迫る脅威を感じとった杏子は真から距離を取るしかなかった

 

 

燃えるような力の奔流が真を焼き尽くす

脳髄が侵され、心臓は限界を超えて酷使したためか何も感じない

しかし、ソウルジェムを中心に放出される力の奔流は止まることなく、真の身体を焼き尽くしていた

魔法少女の身体は強すぎる刺激を自動的にシャットアウトすることができる

だが、真のそれは許容範囲を超えていた

ソウルジェムが砕けるのが先か、それとも身体が崩壊するのが先か

真の本能は力を全て放出することを選択した

 

「あぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

真の絶叫と共に、唐突に真の姿がブレて五つの影に別れた

 

 

敵を倒せ

 

敵を倒せ

 

敵に容赦するな

 

お前を辱める者に情けをかけるな

 

ヒーローになりたいんだろ?

 

 

五つの異なった意識が真に流れ込んでくる

 

そうだ・・・・敵だ

 

敵なら倒さなきゃ・・・

 

そうしなければ「ヒーロー」になれないんだ!

 

 

「ウソだろ・・・・あいつロッソ・ファンタズマを使えるのかよ?」

 

五人の「真」が一斉に杏子に飛び掛かった

 

 

 

 

 

 

 

 

NGシーン

 

「ホントさやかによく似てるなぁ・・・・お前何回その恰好でオナニーをした?」

 

「・・・おなにーって何?」

 

「オ、オナニーっていうのはだな・・・・その・・・とても気持ちいいことで・・・・」

 

「気持ちいいって何が?」

 

「アソコだよ・・・・(赤面)」

 

「アソコって何処?」

 

「うっうっ・・・・・・マミ~助けて~!!!!!!!!」

 

 

真、大勝利!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




CDドラマの「サニーデイライフ」で、使用済みパンツについて素で反応している純粋な杏子に少しきゅんとした

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