鉄仮面の魔法少女   作:17HMR

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カンナ特製のイーブルナッツは一般ピープルが使用しても害が無い安全仕様♪
・・・魔法少女は魔女化しますけど


運命を共有する者たち

 

「運命」

 

 

~ キミとの出会いは運命で決まっていたんだよ! ~

 

あるものは「愛する者」に出会ったことを再認識するために使う

 

 

~ そんな・・・・絶望するのが運命だっていうの? ~

 

あるものは避けられない絶望から、僅かばかりの慰めをえるために使う

 

 

そして・・・・

 

~ 運命なんて私は信じない!例え他の全てを犠牲にしても私は・・・彼女を救う!!!!!! ~

 

 

『人は運命なんて言葉をよく使うけど、その実誰も信じてはいない』

 

白い子猫くらいの生き物があすなろタワーの天辺に座っていた

明らかに異常な光景

しかし、その以上に気が付いた者はいない

まるで何もいないかのように・・・

 

『全く意味がわからないよ』

 

 

 

ミチルが劇団プレアデス聖団の仲間達に魔法少女の秘密を明かして数日後

ゴールデンウィークの前日、彼女の姿は身元引受人である立花の経営する店「ビストロ・タチバナ」にあった

ミチルの前には二人の少女

一人は輝くような銀髪を短く切った少女「杏里あいり」と踝まで届く金色のツインテールが特徴的な少女「飛鳥ユウリ」

かつては弟子として、また命を賭して死闘を繰り広げた少女達

現在はユウリのとりなしであいりとミチルはあすなろ市で魔法少女として活動していた

もっともあいりは「ミチルを監視する」という理由で行動を共にしていると公言しているが・・・

 

「ここに集まってもらったのは・・・・別れを言うためだ」

 

ミチルが重い口を開く

 

「そんな・・・・せっかく仲直りできたのに!」

 

「はっ!ようやくアタシに恐れをなしたのかい?」

 

信じられない、といった表情で話すユウリと愉快そうに軽口をたたくあいり

 

「心配するなユウリ。あくまでしばらくの間、見滝原の魔法少女達と一緒に行動するだけだ」

 

「それって・・・前に話していた魔法少女になれる男の子のこと?」

 

「ああ・・・」

 

魔法少女化する少年「宇佐美真」

「かつて」の世界ではなかったとびっきりのイレギュラー

今の世界は彼女達「魔法少女」にとって優しい

だが、今の世界が薄氷に上に立っているような不安定さを感じる

根拠はない

だからこそ、確かめなければならない

 

「彼がどういったような存在か見極めたいから。それに今後のことも考えれば、見滝原の魔法少女達と知見を得るのは悪い事ではない」

 

「つまりは見滝原まで男を漁りに行きたいってか?あいつらに飽きたってことかよ」

 

あいりの悪態は留まることを知らない

ミチルは彼女の悪態など慣れているようで、それに怒りを表すことはない

 

「暫くは見滝原に行ってくることになるが、心配することはない。何かあれば私は此処を優先する」

 

ミチルはユウリの手を握った

 

「あすなろ市を頼むぞユウリ・・・とあいり」

 

「ええ!」

 

ユウリはミチルに微笑んだ

 

「ふんっ!ユウリはアタシが守るから好きに男を咥えこんでな!!!!」

 

 

 

 

余談ではあるが、その後あいりが頼んだカレーがなぜだか激辛カレーにすり替えられていたことをここに明記する

 

 

 

 

NGシーン

 

「実験はどうだったジュ二?」

 

金髪の少女があすなろ市全域が見渡せるホテルの一室で一杯500円もするレモンスカッシュを片手に寛いでいた

白髪の少女が静かに声を紡ぐ

 

「駄目だったよ。あの八重とかいう編集者に海香を襲わせて、キュウベェと契約させる計画は無駄になっちゃった・・・・」

 

白髪の少女 ― ジュ二 ― が目を伏せる

 

 

その日、ジュ二は「金髪の少女」の指示で八重久留米が一人になるのを待っていた

 

「・・・・・・・」

 

少女の手の中には歪んだ黒真珠のような物体から捩れた針が両端から突き出している

「かつて」の世界で生み出された忌むべき代物 ― イーブルナッツ ―

人を魔女モドキに変え、魔法少女を「魔女」にしてしまう「悪意の実」

 

「あなたには罪はない。だから・・・・その欲望を解放して!」

 

意を決したジュ二が彼女の頭上から「イーブルナッツ」を投げ落とした

 

「グッ?!」

 

イーブルナッツは彼女の頭蓋に突き刺さり、そのまま吸収され・・・・・

 

彼女の身体から無数の触手が生え、長い艶やかな黒髪はメドゥーサのように蛇へと変わる

「変態」が完了した彼女はもはや人の姿をしていなかった

 

ジュ二が屋上から身を投げ、空中で変身を遂げる

革製の三角帽と、黒いボディースーツ、所々に付けられた七つのジッパーと11の切り裂かれたような痕を持つ形態へと変わり、ふわりと降り立つ

後は御崎海香の所までうまく誘導すれば・・・・

 

「さぁ出番だよ!ファンタズマ・ビズビ・・・」

 

広域支配魔法 ― ファンタズマ・ビズビーリオ ―

「かつて」の世界で狂気に犯された少女が11人の姉を死地へと送り込むのに使った魔法

対象の意思の有無に関わらず、「人形」のように扱うことができる悪魔のような術式

魔法とはつまりは「精神」の力である

故に、そのことが彼女の魔法の発動を不完全なものにしてしまった

結果・・・・

 

 

「魔法少女形態の貴方に欲情した魔女モドキがハーメルンで具体的に描写すると、垢バン喰らうような形状の触手で襲い掛かってきて、反射的に攻撃してしまったと」

 

「面目ない・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジュニの魔法少女形態はボンテージです!ボンテージです!
大事なことなので2回いいました

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