IS -僕は屑だ-   作:屑霧島

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今日は短めです。

   屑霧島


オマケ1

IS学園のとある部屋

その部屋は教室の2倍ぐらいの広さがあるが、中に200人という4クラス分の人が入っているため、鮨詰め状態になり、熱気がこもっていた。

だが、換気はできない。なぜなら、これから秘密の会議が行われるからだ。

秘密の会議が行われるのだから、人に聞かれないように防音はしっかりなされている。さらに、人に見られないように防弾雨戸を閉め、人が入ってこないように鍵をかけている。

それらの設備は超が付くほどの一級品で、この部屋で爆音でカラオケしても外部に聞かれる心配はない上に、突入しようとしてもISでも使わない限り突入できない。

つまり、ここで何が起こっても部屋の外の人間は中で何が起こっているのか、知りえないし、介入できない。要するに、完全な密室だ。

そんな密室は暗く、明かりがないため、まったく何も見えない。

だが、一つのプロジェクターが起動たため、密室の中に居た白装束の200人はそのスクリーンの方を見る。

スクリーンの左に、ある女性が立っていた。

蒼髪のショートヘアーで、『生徒会長』という腕章をしている更識楯無だ。

 

「では、『I5』の定例会議を開くわ。本日の報告をお願い。」

 

そして、彼女は『I5委員長』という腕章も付けていた。

 

「了解しました。本日の一夏様は朝05:24に起床。05:27歯を磨き、05:35日課の竹刀の素振りを始めます。…………」

 

委員長の言葉に反応した一人の白装束は立ち上がると、今日の一夏の行動が読み上げられていく。

それと同時にスクリーンに一夏の写真が映し出されていく。

『I5』とは『いつでも・一緒に・いますから・いっぱい抱きしめて・一夏様』という一夏に惚れてしまったIS学園の女生徒で構成された、一夏のことが好きな人間を集めて、一夏のことを知り、もっと一夏のことを好きになり、一夏のハーレムを作ろうという趣旨で立てられた団体で、いわゆる一夏のファンクラブだ。

どうでも良いことだが、『I5』と『IS』って文字に書くとそっくりよね?と楯無は思っていたりする。

聞こえはいい?かもしれないが、活動内容はストーカーじみている危ない集団だ。

 

そんな怪しげな団体を生徒会長が率いて大丈夫なのかと当然疑問は上がる。

だが、これは仕方がないのだ。

この『I5』に所属するのはほとんどがストーカーである。

そのため、放っておくと、暴走する恐れがある。

そう、『I5』は一夏のストーカーを集め、暴走しない為にある程度ガス抜きをさせるという、IS学園の治安のためにも作られている。

当然非公式であるため、一夏はこの『I5』の存在を知らない。

 

「本日の一夏様は以上です。」

「報告ありがとう。さきほどの報告を受けて、意見のある人は挙手をお願い。」

「はい!」

「そこの貴方。」

「1年1組セシリア・オルコットを『I5』の特別要注意人物に入れるべきだと思います。彼女の態度が急変したことは我々『I5』にとって看過できない事態です。」

 

部屋に居た女生徒達はざわつく。

『I5』の特別要注意人物というのは、『I5』に所属する彼女たちのハーレム作りの邪魔をしようとする危険人物のことである。

現在のところ、この特別要注意人物になっているのは一夏の実の姉である織斑千冬と、寮が同室で幼馴染の篠ノ之箒の二人だ。

クラリッサも特別要注意人物に入りかけたが、クラリッサはIS学園に来ることはもうないだろうと判断し、クラリッサが入ることはなかった。

 

「なるほど。では、多数決を取りたいと思います。…セシリア・オルコットを『I5』特別要注意人物に加えるべきだと思う人はご起立を願います。」

 

すると、座っていた女生徒が全員立ち上がった。

 

「賛成多数により本案は可決されました。」

 

部屋は握手の嵐に包まれた。

その後、追加で話し合う議題がなかったため会議は終わり、解散となった。

 

 

「お疲れ様です。」

「ホントお疲れ様、虚ちゃん。」

 

生徒会室に戻ってきた楯無は項垂れる。

 

「『I5』の会議ですか?」

「えぇ、本当にあの娘達の狂気は見ている分には面白いけど、関わるとなると怖いわ。」

「私も一度あの会議に出ましたが、カルト集団のミサと言ったところですね。」

「本当に。でも、あれがないとIS学園がおかしくなっちゃうから仕方ないわよね。しかも日に日に増えてる。」

「私が前に行ったときは50人でしたよね?」

「今は200人よ。」

「…まあ、それは。」

「話題を変えましょう。生徒会の方は何かあった?」

「特筆して報告するようなことは……1年2組に専用気持ちの中国の代表候補生が転入してくることぐらいでしょうか。」

「その娘、織斑君に惚れないでしょうね。」

「さあ、どうでしょう?実は転入前から惚れていたなんてことあるかもしれませんよ?」

「………虚ちゃん、冗談でもそんなこと言わないで、ありえそうで怖いわ。」

「すみません。確かに怖くなってきました。」

「…薬頂戴。」

「…はい。」

 

人たらしで有名な生徒会長でも『I5』の所為でストレスが溜り、胃が荒れていた。

 




皆様から様々なコメントをいただきました。
コメントを読んで、思うことがあったので、現在、話を修正中です。
少し時間がかかりそうなので、これより、投稿が遅れます。
大変申し訳ありませんが、生暖かい目で見守っていただけると幸いです。

   屑霧島

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