まあ、この展開を読んでいらっしゃった方も多いのではないでしょうか?
それから、ちょっとご報告を。
仕事関係で、5月から転勤・引っ越し云々に時間を割かれてしまい執筆速度が低下してしまうと思います。
なるべく週一(土曜更新)を維持できるように努めたいところですが……何とも言えず、申し訳ありません。
少女は闇の中を歩いていた。
掌に感じるのは、生命の鼓動を感じられぬ冷たいコンクリート。
頭上に広がるのは陰りに埋め尽くされた漆黒の
足裏に感じるのは、人の悪意より零れ落ちた砕けた
それでも一歩、一歩と前へと進むのは、彼女の背中へと迫る
はたまた、視線の先に映りこむ数かな
むき出しの肌は病的なまでの白。
幼き四肢が纏うのは、囚人服を思わせる汚れに染まった布きれのみ。
それでも
彼女の心が、魂が、己が望みが
「――ぁ……」
はたして、少女の願いは――
「……おや、こんな所でどうしました? ひょっとして迷子さんですか?」
震える身体を包み込んでくれる温もりへと届き――
「あっれ~? どうかしたの~? って、ん? その娘、誰?」
「いえ、それが――」
「――……マ、マ……」
――――!
「……はい。もう大丈夫ですよ――む! 体温が低すぎです。これは放っておけませんね。――、申し訳ありませんが治療をお願いできますか?」
「OK~♪ 任しといてよ!」
この日、少女は母の温もりを知った。
「……えっ?」
思考停止とはまさにこのことを指す言葉であろう。間の抜けた声を上げる彼の表情は、このセカイで最も付き合いの深いアリシアですら見たことの無いものだった。
言葉を失い、ぴたっと動きを止めたダークネスは、普段の余裕にあふれる態度が嘘の様に見事な醜態を晒している。
具体的には、まるで何かをつかみ損ねたように両手を彷徨わせ、眼球はせわしなくアリシアとシュテルの間を行ったり来たりを繰り返す。
覚悟は出来ているとか普段は言っときながら、いざデキてしまったことが発覚した時に慌てふためく若人のような反応だった。
やはり、こういう類の覚悟というものは、戦い云々のそれとは全くの別物であるということなのだろう。
しかし……
「――……そう、か。わかった」
しばらくの間、どっかと椅子に座りこんで頭を抱えていたダークネスがゆっくりと顔を上げる。
どうやら心の整理をつけられたようだ。
ふうっ、と深い息を吐いて、戦場に赴く戦士を彷彿させる真剣な表情でアリシアとシュテルに向き直る。
「……で、どっちに出来たんだ?」
「えーっと……どっちって言われると、ねぇ?」
「そう、ですね……しいて言うのなら……どちらとも、でしょうか」
「同時ってオイ……。いや、この場合に悪いのは間違いなく俺になるか……」
自分のあまりの浅はかさに苦笑すら浮かばない。
いつ命を狙われてもおかしくは無い今の状況下で、彼女らが身籠るという事の危険性を理解していたからだ。
子育てが言うほど容易い事ではない事を知っている。
犯罪者として管理局に追われ、闇の犯罪組織からも標的にされている自分。
そんな自分の血を受け継いだ子が、光ある世界の中で生きていけるのだろうかと言う不安はある。
血まみれたこの腕で、愛しい女性より生れ落ちた穢れ無き命を抱き締める資格があるのかと言う怯えもある。
だが、それでも……大切な存在との間に誕生した宝を世界一幸せにしてやろうという覚悟がある。
己と大切な女性たち、そして愛しきわが子たちと過ごす日々……。
それは、彼にとって何物にも換え難い幸福であることは疑うべくも無い。
故に、自責の念に苛まれる。
自分のせいで、彼女たちを危険に晒してしまうことがわかってしまうから。
身籠った女性は誰よりも強く……弱い。
彼女たちは決して誰にも負けないだろう。
自分の中に宿った新たな命を守り抜くと言う強き想いは、あらゆる障害をねじ伏せる事だろう。
だが、その強さは諸刃の剣。
子どもを身籠るという事は、彼女らの身体能力を激減させ、無意識下において自分自身よりも子どもの命を優先するようになる。
己が命を引き換えにしても、生まれくる子供を守り抜く。
母となる女性の強さは、そんな自己犠牲の精神と背中合わせなのだ。
同時に、弱体化した彼女たちはダークネス最大の弱みとなって、今以上の悪意に晒されることだろう。
彼女らを捕えることが出来れば、まず間違いなくダークネスを無力化できるのだから。
普段の彼女たちならば、そんな心配は不要だ。その実力を十二分に理解しているが故に、彼女らに敗北は無いと分かっているから。
だが、母となった彼女たちは、『肩を並べる戦友』から『護らねばならない存在』へと変わってしまう。
そう……『仲間』から『弱点』へと。
そして、そんな危険に彼女たちを晒してしまったのは、間違いなく自分が原因。
戸惑いと自責が際限なくダークネスの中で渦巻いていく。
だが……!
「ひゃっ!? だ、ダークちゃん……?」
「ダーク、様……?」
無言のまま、愛しき存在を抱き締める。
優しく、それでいて力強く。
自分の中にある自責の念を振り払うように。
「正直、な。不安はあるし、後悔も無いって言えば嘘になる。ゆくゆくはそういう事もアリだと思ってはいたが、それは儀式云々を終わらせてから……とな」
戸惑うアリシアとシュテルの頬と自分の頬を合わせて、愛しい温もりに身を委ねる。
それだけで、情けない弱音がすうっと波の様に引いていく。
後に残るのは、純粋なる喜び。
誰よりも愛しい少女との愛の結晶を授かったことに対する、本心から来る歓喜だけ。
大切な存在と共に、なにがあろうと生き残る。生き続けてみせる。
彼の根幹は、決して揺らぐことは無いのだから。
「でも、それでも――これだけは言わせてほしい」
過去への後悔ではなく、新たな命を護り抜く覚悟を抱き。
「――ありがとう、俺を愛してくれて。俺に新しい
自責の感情を、未来を勝ち取る『
「お前たちも、これから生まれてくる
己が『
「だから――」
「ちょちょちょ! ダークちゃん、タイムタイム! タイムプリーズッ!」
ダークネスの腕の中で、真っ赤な顔のアリシアが慌てだす。
頭が茹ったように蒸気を立ち昇らせ、紅玉色の瞳にはぐるぐるナルトマーク。
彼の胸に手を押し当てて突き放そうとするものの、物凄く嬉しい台詞を言われたことが嬉しくて、どうにも力が入らない。
一方のシュテるん。
照れの赤を通り越して真紅になった頬に手を当てながら絶賛放心中。
軽くゆすっても身じろぎすらせず、だらしなく半開きになっている口からぶつぶつと呟き声らしきものが零れ出ている。
抱き締めた体勢のまま、二人の予想外な反応に首を傾げることしか出来ないダークネスの腕の中でうつむいていたアリシアが、意を決っしたように顔を上げた――瞬間、
「ん?」
不意に上着の裾を引っ張られる感覚を感じて、ダークネスが視線を下げる。
するとそこには。
「……」
少女がいた。
昔のアリシアが好んで着ていた服を身に纏った、腰まで届く金色の髪が目を惹く少女が。
目端に涙を浮かべて、上目使いでダークネスを見上げてきている。
一瞬、怖がられているのかと思ったがそうでもないらしく、怯えと言うよりも不安というか、どこか戸惑っている様な気配を感じる。
だが、問題はそこではない。そこではないのだ。
「えーと、誰だお前?」
「ふぇ……(じわっ)」
なるべく(ダークネス的には)オブラートに包んで聞いてみたら、普通に泣かれた。
どうしようもなく胸が痛いのは、どうしてだろうか……?
そんなやり取りをしている間に平静を取り戻したのか、アリシアとシュテルが彼の腕の中から抜け出る。
「ああ、泣かないでください。貴方はそんな泣き虫さんではないハズです」
「うん、そうだね。ホラ、ちゃんとご挨拶をしないとねっ♪」
しゃがみ込んで少女と目線を合わせたシュテルとアリシアが、なにやら少女を元気づけている。
二人に励まされて勇気が出たのか、少女は目元を服の袖で拭うと、真剣な表情でダークネスへと向かい直った。
「あ、あのっ!」
「な、なんだ?」
いきなり全力全壊な少女に気圧されて、思わず仰け反る竜神様。
ダークネス目開けてトテトテと駆け寄っていったかと思いきや、いきなりジャンプ!
反射的に腕を開いてしまったダークネスの胸の中へと飛び込んでいく。
目をパチクリさせるダークネスのリアクションに、アリシアとシュテルが破顔しながらハイタッチ。
どうやら、一連の流れ(少女登場 → ハグ♪ のコンボ)は彼女たちの仕込みだったらしい。
いい加減に説明しろと二人を睨み付けたところで、襟を掴みながら頬をすり寄せてくる少女が異彩を放つ部分にようやく気づく。
――紅と翠のオッドアイ?
金糸の様な艶やかな髪、古の王族の血統者にのみ顕現する二色の瞳。どこか、気品すら感じさせる不思議な雰囲気。
ダークネスの中で、嫌な予感がどんどん大きくなっていく。この感覚は、そう……十年前にアリシアやシュテルと初めて出会った時に感じたものと同じ――。
「……パパ?」
「誰がパパだ。あ、いや、そんなことより……小娘、お前の名前は?」
「――ヴィヴィオ」
嫌な予感が大的中。しかも過去最大級と言って過言ではないだろう。
この状況の元凶に間違いない二人に説明しろという視線を向けてやれば、物凄くいい笑を浮かべた二人がダークネスの腕の中に納まったヴィヴィオの頭を代わる代わる撫でていた。撫でられている本人も満更でもない様で、きゅっと目を閉じながら頬を赤く上気させている。
「おい、こら。ふざけていい問題じゃないぞこれは。しっかり説明せんか」
「ですから、この娘が私たちの娘です」
「つまり、ダークちゃんの娘でもあるワケなんだよ♪」
予想外な説明が返ってきた。
要するに、彼女たちの『子どもが出来た』的な発言は、『幼子を保護した』的な意味合いだったようで……。
言ってしまえば、ダークネスの早とちりだったと言うオチが付くわけで。
「だーく……パパ……? ――ダークパパ♪」
こっちはこっちで、“父親”のしっくりくる呼び方が見つかったらしく、首の後ろに手を回しながら抱き着きながら喜びを全身で表現していた。
純粋に己を求めている相手を無下にも出来ず、何となく頭を撫でてやると、ヴィヴィオは何とも嬉しそうに笑いながら抱き着いてくる腕の力を強めていく。
無意識下で魔力強化をしているのか、一般人なら締め落とされているであろう威力があるネックブリーカーを平然と受け止めながら、いきなり娘が出来た事情を説明させるべく
「――で、一体どういう事だ?」
椅子に腰掛けたダークネスは、ものすごく懐いてきたヴィヴィオを膝の上に抱きかかえながら、元凶共を睨み下ろす。
その元凶……脳天に特大のたんこぶをこさえたアリシアとシュテルは、現在フローリングの床で正座中。
怒りのバッテンマークをこめかみに張り付けたダークネスの冷ややかな視線に晒されて、冷や汗がとめどなく流れ落ちている。
「いや、な。俺は別に怒っている訳ではないんだ。ただ、説明も無しに急展開な事態に巻き込まれて混乱したと言うか、ぶっちゃけると予想外の人物が現れて頭が真っ白になったというか……」
さすがにこのタイミングで
彼女たちには、余計な先入観を持たせないためにも、『原作』に関する“知識”の類を必要以上に伝えてはいなかった。だからこそ、ヴィヴィオが一連の事件の中核となるほどの重要人物であるとは思ってもいない筈なのだが……。
「そもそも、どうしてヴィヴィオが普通に振る舞っていられるんだ? “知識”では、この時期はまだ調整中のはずなんだが」
ヴィヴィオはと『ある人物』の遺伝子情報を元に生み出された人造魔導師だ。
その身に宿した強力無比な希少能力や魔法の才は、このセカイに大きな災いを齎すことも出来るほどのもの。
それほどの力を秘めているが故に、調整用生体カプセルでの精密な検査と調整が必要だったはずだ。
“知識”にて彼女がカプセルの外へと飛び出す時期は、まだまだずっと先のはず。
なのに、調整不足による不安定さを微塵も感じられないのは、いったいどういう事なのだろうか……?
「あ、それ私がやったんだよ」
挙手しながらそんな事をのたまうのは、二代目大魔導師のアリシアだった。
確かに、プレシアから受け継いだ才能を十全に引き出せるようになった今の彼女ならば、ヴィヴィオの身体を完全な状態に調整することも可能かもしれない。
こんな事もあろうかと、ミッドチルダの至る所に実験・研究用の工房をアジトとして用意しているのだ。
そこの施設を使えば、短期間で未調整の人造魔導師を完成させることも難しくは無い。
「……じゃあ、次。そもそも、いったいどうやってコイツを手に入れたんだ? どこかの違法研究所でも襲って、掻っ攫ってきたのか?」
普通に考えれば、ヴィヴィオを製造・調整してた研究所に攻め入ったアリシアとシュテルがカプセルの中の彼女を発見し、保護したと考えるのが一番自然なのだが……。
「違法研究所ですか? いえ、そんなことなんてしていませんよ? 私がヴィヴィオを発見したのは、裏路地の奥で衰弱して倒れていた所を偶然通りかかった私が発見したからです」
「はぁ?」
話を纏めるとこうだ。
数日前、ダークネスが単独で情報収集に出向いていた時の事。
現在彼らが宿泊しているホテルの一階にあるオープンテラスでアリシアとシュテルが食事をとっていた時、道路を挟んだ向かい側のビルとビルの合間にある路地裏。ビルの影に覆われる様に蹲っている少女……ヴィヴィオに気づき、慌てて助け出した。
外傷は無く、脈拍や呼吸も異常は無かったものの、ひどく衰弱している上にボロボロの布切れの様な服しか身に付けていない少女は何か訳ありだと判断。
医療機器もあるアジトのひとつに運搬して治療を施そうとしたところ、彼女は人造魔導師であり、しかも調整途中の未完成品であることが発覚。
医療用カプセルを使った少女の治療と並行して管理局の裏データベースとも呼べる管理局が把握している非人道研究の情報閲覧をハッキングして身元を調査。
その結果、彼女が古代ベルカ王朝時代に存在した王の一人、“聖王”オリヴィエのクローンであることを突き止めた。
そして――
「管理局に保護させるのは危険すぎますし、高町 花梨たちに預けるというのも論外。ならば――」
「私たちが助けたんだから、責任を持って守ってあげなきゃダメだって思ったんだよ!」
「……なるほどな」
身元不明者として管理局に預けた所で、彼女が逃げ出した違法研究所へと連れ戻されるのが関の山。
機動六課や花梨たちに託すと言うのも一つの手だが、ヴィヴィオを狙うであろうルビーの手腕を鑑みると、十中八九誘拐されてしまうだろう。
戦力云々ではなく、絡み手や策謀と言った類のものに対する守りが心許無い。
ヴィヴィオの安全面を一番に考えるのならば、確かにダークネスたちが保護することが一番の安全策なのかもしれない。
ちらり、と腕の中でおとなしくしているヴィヴィオへと視線を落としてみる。
ダークネスに抱きかかえられた彼女は、ご機嫌そうに顔をほころばせていた。
その表情は完全にダークネスを信用している者のそれであり、もはや彼女にとって彼という存在は絶対的な安心感を与えてくれる居場所となっているのも知れない。
《新世黄金神》とは、大切な
どうしようもないくらい純粋な少女の
彼という存在にとって、それは決して揺らぐことが無い確たる『信念』にして『決断』。
だから――
「小娘、いや……ヴィヴィオ」
「んぅ?」
『お前』といった代名詞で呼ぶでもなく、感情を込めずにフルネームで呼ぶでもなく……相手を認め、感情を込めて名前を呼ぶという事が何を意味しているのか。
付き合いの長いアリシアたちにはすぐに理解できた。
だからこそ、微笑みを浮かべながら新しい
腕の中に感じる『ヴィヴィオ』という存在の温もりを感じながら、ダークネスが
「――俺の娘になるか?」
仲間として……そして家族として、ヴィヴィオと言う存在の全てを受け入れると言う想いを乗せた言霊が、たった一人で世界に放りだされてしまった少女の心にすうっ、と染み込んでいく。
これもまた己の『決断』なのだと自分自身に刻み込みながら、偽りなき眼を幼き少女へと向ける。
ヴィヴィオは自分が何を言われたのかよく分からないらしく、しばし呆気にとられたような表情で彼へと目を遣っていたが、やがて何を言われたのかを理解できたらしく、
「――ッ! パパ……ダーク、パパ……! ダークパパァ!!」
幼い顔に見合うピンク色の唇から確かめる様に戸惑いの言葉を零し、次いで爆発的な高まりをみせた感涙を堪えきれず、全身をぶつける様に抱き着いてきた。
力を入れると容易く壊れてしまいそうなほどに儚い少女を愛しむように、両の腕でしかと受け止める。
口端をきゅっと上げながら、目尻を拭うアリシアとシュテルと目を合わせて笑みを溢す。
少女の心に呼応するかの様に、願いを叶える蒼き粒子が宙を舞い踊る。
虹を受け継いだ幼き少女の未来を、紅と紫に照らされた黄金色の輝きが包み込む。
彼女が歩む道に幸あれと、そんな想いを込めながら――
「でも、まさかあんなこと言ってくれるなんて思ってもいなかったかも……。ま~だ、頬っぺたが熱いんだよ」
「ですね。――でも、嬉しかったです。あの方が私たちのことを真剣に思ってくださっていたということですから」
「だよね~♪ ……ま、子どもが出来ちゃったってのも、あながち間違っては無いかもしれなかったりするかもなんだよ」
「……アリシア? まさか、
「へ? ひょっとしてシュテルも
「え、ええ……。今月はまだ来ていなくて……その、ひょっとしたら、ですけど」
「じ、実は私もそうだったりして……。あー、うー、えっと……こりゃ冗談がホントになるかもなんだよ……」
「ま、まあ、大丈夫でしょう。十年にも及ぶ一連の騒動、時が来る前に片付けられる筈ですし」
「だよね~」
と言う訳で、鮮烈なるヴィヴィっ娘が金ぴかドラゴン一味に加入いたしました。
なのフェイの母親フラグがへし折られて、代わりにアリシュ側にフラグが形成。
母親の数は等しくても、大黒柱的な父親ポジが存在した方にヴィヴィっ娘が惹かれたという事でひとつ。
次回は、地球出張編を予定。
金ぴかドラゴン一味も登場予定なので、ヴィヴィっ娘と六課がエンゲージするかも?