『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

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今回は、幕間的なお話。

日常回ともいう。


あと、ボッチのサーヴァントが登場します。


その175

 

 

 

 人理焼却。人類と言う種族が歴史ごと焼却された未曾有の大事件。人類悪の一つであるビーストⅠことソロモン─────否、魔神王ゲーティアによる目論みは唯一残されたカルデアの職員と、そのマスターの尽力によって打開され、人理焼却という嘗てない規模の魔術事件は解決された。

 

人理保障機関カルデア。星見の天文台を冠するこの施設は、人理を修復された今も、稼働し続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼァッ!」

 

 空から、無数の流星が降り注ぐ。荒野の大地を覆う程の光の矢、そこに込められるは確かな敵意、それは己が敵対する相手を仕留める為の布石の郡。

 

逃げる隙間も、避ける暇も与えない不条理の津波。しかし、対象者である男は避けられない隙間をすり抜けるという矛盾を、なんてことなくやり遂げる。

 

白銀の輝きを纒い、何処までも揺るがない静の極致。身に纏う輝きと同様に、瞳まで銀色に瞬いており、その眼光に射抜かれた弓兵………アルジュナは、その迫力に息を呑んだ。

 

(呑まれるな。この程度、予想の範疇! 矢を放ち続けろ。彼の動きを、少しでも阻害しなくては!)

 

 自分の放つ矢は、あくまで布石。これから繋ぐ一撃迄の牽制で、本命の為の囮だ。故に、アルジュナは決して揺らぐ事なく己に課せられた役割に徹する。

 

と、その時だ。彼の姿が掻き消えた。視線は一切逸らした事もなく、彼から一瞬も視界から外した覚えはない。同時に、アルジュナは自身の背中に悪寒のような予感を感じ取りその視線を上に向ける。

 

そこには、つい先程視界から消え失せていた彼の姿があった。握り締められた拳、その姿勢から繰り出されるのは避けられないと判断したアルジュナは、回避は間に合わないと判断して防御に移る。

 

このまま直撃すれば、腕の一つや二つ軽く砕かれるだろうが………致し方ない。次にくる衝撃と痛みと衝撃に備えようと、その両腕を交差した所で。

 

「させん」

 

銀色に輝く男の背後に、太陽の御子(カルナ)が錫杖を奮う。空中で、何処にも逃げ場の無い中での強襲。なのにもかかわらず避けられた事を驚く事なく空中を自身のスキルである魔力放出によって駆け出し、アルジュナの襟元を掴んでその場から離脱する。

 

「貴様、カルナッ!」

 

「悪いが文句は受け付けん。そんな暇もない」

 

 生涯の宿敵に助けられただけでなく、乱雑に扱われる事に怒り心頭のアルジュナだが、それに対応できる程の余裕はカルナにはない。彼の男から相当の距離を開いた筈なのに、未だに背中へ伝わってくる存在感がカルナに焦燥感を募らせていく。

 

「一度、ラーマに合流するとしよう。流石に俺達だけでは手に余────」

 

そこまで言い掛けて、カルナの頭部に衝撃が走る。視界が揺さぶられ、何が起きたのか分からないまま吹き飛ぶ異母兄弟。驚愕に目を見開くアルジュナが目にしたのは、蹴りを放ったであろう男の姿だった。

 

「────このッ!」

 

弓を張り、矢を射る。その動作に通常なら数秒掛かるその挙動を、神話に語られる大英雄は瞬きの間に数百と放つ。並の相手なら蜂の巣処か塵へと還されるその神弓を………。

 

「───────」

 

 男は無造作に、片手間にて弾き飛ばす。これには流石のアルジュナも憤慨した。幾ら何でもそれは無いだろうと、目の前の人間のでたらめ具合に唖然となり………。

 

「─────ガッ!?」

 

回転を加えられた回し蹴りによって、腹部を打たれたアルジュナは悶絶の表情を晒し、カルナ同様地に叩き付けられる。

 

 カルナとアルジュナ、両者ともインド神話の叙事詩にて語られる不撓不屈の大英雄。如何に強さの打ち止めされたサーヴァントと言えど、その実力は依然としてトップクラスの英霊。

 

そんな二人を相手にしながら圧倒するこの男は何なのか、そのデタラメ具合にアルジュナではないが、普段は常識人よりのラーマも一言文句を言いたくなった。

 

(………いや、だからこそ。なのだろうな)

 

 カルナとアルジュナが時間稼ぎに徹していた間、一人で魔力を高め続けていたラーマは、大地に立ち尽くす男を見て、一人思う。

 

(だが、せめて一傷は付けさせて貰うぞ!)

 

相手は人類悪すら単独で圧倒する怪物。その剛力と術理は既に人の常識から逸脱している。そんな現代に生きる怪物を相手に、過去の影法師であるサーヴァント達は何を思うのか。

 

生意気だと憤慨するか? 有り得ないと嘲笑するか? 答えはどちらもNO。武闘派な英霊達が抱く思いはただ一つ、新たに誕生した英雄を前に闘志を滾らせ、挑まんとする気概だけである。

 

どれだけ強いのか、そんな相手に自分達が何処まで通用するのか。神話出自が異なっていようと、武で成り上がってきた英雄達が抱く思いは皆一つだった。

 

 そして、少年であり嘗ては王であったラーマもその一人。嘗てない領域に足を踏み入れた現代の英雄を相手に、彼もまた全霊でもって相対する。

 

「受けろ修司、我が必殺の一撃を!」

 

羅刹を穿つ不滅(ブラフマーストラ)ァァッ!!」

 

限界まで溜めた必滅の一撃。迫り来る英雄の底力を前に、白河修司は─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※月*日

 

 疲れた。人理も無事に修復されたってのに、どうして自分はサーヴァント百人組手なんてやらされているのだろうか?

 

いや、事の発端は分かっている。魔神王ゲーティアをぶちのめし、人理を元に戻して三日、外界との連絡をロマニ達に任せて、体力気力共に全快した自分が迂闊な事を口にしたのが始まりだった。

 

 『暇だ』そう口にしたのが運のつき。ナイチンゲールさんに安静にしていろと厳命され、本日それが解禁されたと同時にそれを口にしてしまった事で起こった悲劇。もうね、本気で疲れたよ。

 

自分としてはただの独り言のつもりだったのに、何処から聞き付けたのか────いや、ここまで来ればいっそ予定調和とでも言うべきか?────何時もの如く、ケルトの影の女番長ことスカサハが絡んできた。

 

『そんなに暇なら儂が相手をしてやろうか?』

 

………なんだろう、事ある度に人を殺し合いに巻き込もうとするの、止めて貰って良いですか?

 

そんな自分の訴えもどこ吹く風、あっという間に自分とサーヴァント達による組手(ガチ)の大会がシミュレーター室で執り行われる事となった。

 

 しかも、何で今回に限って他にも参加したいって英霊の人達が多いんだよ。普段はこんな荒事には関わろうとしない温厚な英霊の人達迄もが参戦してきたし。………ケイローン先生までもが参加してきた時、今回は救いがないのだと早急に諦める羽目になった。

 

そんで、他にも腕試しとして参加したい奴はいないかと募った所、出るわ出るわ希望者の数。ケルトの戦士、ギリシャ勢、円卓の騎士、インド勢や日本組。更には征服王と、出自や立場を問わない様々な英霊達とガチンコ勝負をする事になった。

 

いやね。もうこの際ケルトの戦士はいいよ。分かってたし、もう諦めた。でも征服王はダメだろ。あの人の宝具、狡すぎない? 報告では聞いていたけど、直接見たときは色々ともう酷くて乾いた笑みが出てきたわ。

 

これ迄は複数人を相手していたから、いきなり一人で出てきた征服王を見た時は失礼ながらサービスステージかな? 見たいに思ったよ。そしたら次の瞬間には固有結界発動して目の前には数万人規模の大軍勢よ? もう泣きたくなったわ。勝ったけどね! 一人一人殴り倒してどうにか勝ちを拾ったけどね!

 

 そして、此処からがこの百人組手の本当の酷い所なんだけど、どうやら英霊の皆さん。超化したり極化した自分のどちらかと勝負したかったらしいのだ。

 

【超化】というのは……まぁ、先の時間神殿でも見せた自分の変身形態の事。一方で【極化】は第七特異点で至った超化とは異なる姿の事。

 

分かりやすく説明するのなら、超化は力や速さが劇的に跳ね上がり、極化の方は技が飛び抜けているといった具合。勿論そんな単純な話ではないし、報告書にまとめる際はこれくらい分かりやすい方がいい。という事で、そんな風になっている。

 

自分としては、超化は力が表面的に現れた現象で、極化はその真逆。自分という存在をより深く落とし込んだ状態の事を指している。

 

 で、そんな新たに確立させた自分の戦闘形態に刺激を受けた英霊の皆さん達が、自分と戦えと勇んで参加してきたのだ。ジークフリートさんや、カルナ、更には普段は筋肉談義で親しくなれた筈の狂戦士の皆さんまで参加してくる始末。ヘラクレスさんまで超化した自分と一勝負したいと言ってきた時は、理性のない筈の瞳の奥からキラキラと輝かせていたっけ。

 

まぁ、狂戦士からはヘラクレスさんの他に金時位しか出てこなかったけどね。………やっぱり、狂戦士は紳士的な人が多い気がする。

 

ただ………何かスパルタクスさんは最近、自分を見掛ける度に何か凄く畏敬の念を向けられている気がするけど………。

 

 ともあれ、今回開かれたサーヴァント百人組手、どうにか自分の勝ち越しで終わることが出来た。いや、流石に全勝は無理だわ。相性云々以前に体力が持たん。

 

因みに、最初に挑んできたケルト勢力は速攻でぶちのめしました。理由? 察せ。

 

んで、負けた相手は主にエジプト勢。敗因は自分の体力が尽きたから。最後は太陽王のピラミッドに挟まれる形で潰されて「グエッ」ってなりました。

 

 その後は途中休憩を挟んで、回復した体力でどうにか勝利をもぎ取る事が出来た。……まぁ、一見すれば散々な日で運がないように思えるが、何だかんだ自分に取って有意義な時間となったのが救いだ。

 

まず、超化は馬力は出るけど体力が著しく削られる。時間神殿でもそうだったけど、どうやらこれは超化する際に起こる感情の昂りが原因な様で、無駄なエネルギー消費の要因となっているらしい。今後はこの感情を抑え、常にこの形態でいる事が理想的な姿と言えるだろう。

 

……何だか、あの主人公達の背中を追っかけているみたいで、ちょっとワクワクしている自分がいる。いつか、彼のように2やら3になれるようにしたい所である。

 

 そして極化の方だけど………此方は超化より少し難しい。表面化させて爆発させる超化とは違い、此方はより深く没頭する様な精神の集中力を必要としている。

 

もっと分かりやすく説明するのなら、超化が登山で極化が深海を目指すダイバーの様なもの。………うんゴメン、やっぱり説明できないや。

 

ともあれ、まだまだ自分は強くなれる。それが分かっただけでも、今回の百人組手は意義があったと言えるだろう。

 

 二度とゴメンだけどね!

 

 

 

 

※月?日

 

 人理修復から今日で一週間。相変わらず自己鍛練以外は相方であるグランゾンの整備をしている毎日だけど、そろそろ自分も外界について色々と調べに動き出すべきか検討した方がいい気がする。

 

というのも、現在外の国連やら魔術協会と話を繋ごうとしているのは専らダ・ヴィンチやロマニ達ばかりで、自分や立香ちゃんは依然としてカルデアのマスターとして、この施設に在籍している。

 

本来なら役目を果たした事でカルデアからもお役御免となって自由の身となるわけだが、人理焼却によって人類最後のマスターとしての肩書きが、彼女の立場をややこしくしている。

 

人理修復の旅、其処で起きた諸々の出来事を報告書に纏めるのに忙しく、今もカルデアに滞在せざるを得ないのだ。

 

ロマニもダ・ヴィンチもせめて一度くらいは故郷に帰らせてやりたいと言っているし……。

 

 因みに自分は既に何度も報告書を提出しているのだけど、その度にリテイク食らってます。ロマニからもう少し大人しめに書いて欲しいと言われ、絶賛難航中。

 

報告書って、起きた出来事の内容を書き出す為の書類じゃん。嘘言って良いのかよと抗議した所、どのみち自分の報告書では信じて貰える要素はないらしい、解せぬ。

 

 と、自分の話の事で脱線したが、要は立香ちゃんをご両親や友達のいる故郷に一度くらい帰してやりたいという話。彼女、元々は拉致同然にこの施設に来たと言うし、いい加減家族に会わせてやりたいと言うのが、今回の話。外の世界について色々と調べて回りたいのもそれに一因している。

 

まず、自分はこの世界の住人ではない。ここは自分のいた世界よりも少しだけ先の時間を行く並行世界という奴だ。この世界は自分の知る世界と微妙だが違う所が所々見受けられる。

 

元の世界とこの世界、二つの世界の違いを調査し、その途中で立香ちゃんをご家族の元へ帰してやれないだろうか。そう、五度目の報告書を提出した際にロマニへ相談したら………意外と受け入れて貰えた。

 

此方から話を振っておいて何だが、まさか検討して貰えるとは思わず、目を見開いた自分にロマニは呆れながらも苦笑いを浮かべていた。

 

 流石に今すぐには無理だが、外の完全な連携が出来て、尚且つ人理修復による影響を全て観測し終えてから。正式にカルデアから離れるのはそれからだとロマニは言う。

 

正式に………つまり、非公式ならば多少は目を瞑って貰えるという事? その辺りをつついてみたら、ロマニはやはり苦笑いを浮かべるだけで、答えはしなかった。

 

………何だか、最近のロマニは妙に吹っ切れた感じがする。休む時は仕事が多少溜まっていても休むし、何ならネットでサボるようにも見えてきた。

 

今の彼が嵌まっているのは、ボトルを使って変身する特撮ヒーロー。エジソンさんやテスラさんに作れないか相談しているらしい。いや、何してんねん所長代理。

 

とは言え、これ迄の彼の頑張りを見ていると、余り追求するのも憚れる自分なのでした。

 

ともあれ、これで立香ちゃんの帰省への道のりは一歩進んだ。後は他に連れていく護衛となる英霊だけど………マシュちゃんは当然として、他に誰か適任はいるだろうか?

 

 あ、あのクハクハ笑うコートの人がいたか。そう思い今日は立香ちゃんの近くにある自分のではないワームホールに干渉し、コートの人こと巌窟王さんに話を通しておいた。

 

最初は驚かれていたけど、自分の話を聞いて了承してくれたし、一先ずは護衛に関してはこれで良いだろう。いざとなればグランゾンを彼女につけるし、帰省に関する内容は一旦これで保留とする。

 

 

 

※月Ω日

 

 人理修復が完了されて今日で丁度10日目。未だに世界の人々は、知らぬ間に一年が経過していることに戸惑っているが、今日の自分はそれ以上に驚きを隠せないでいる。

 

今日、自分はサーヴァントを召喚した。………フリではない、ガチである。

 

 その前に、人理修復が成し遂げられた今、新しいサーヴァントなんて召喚する必要はないと思われていたが、其処は弁の立つダ・ヴィンチちゃん。今後現れるだろう人理修復後に現れる微小特異点に備え、少しばかり戦力を増強したいという名目で、今回の英霊召喚はされる事になった。

 

ロマニも誤魔化すのが大変だと愚痴っていたが、最終的には許可していた。………コイツ、本当にちょっと変わってない? なんか変に余裕があるのが妙に気になるのだけれど………極限の状況下ではない現状だと、意外と今の彼が素だったりするのだろうか?

 

 と、まぁ自分の所感はほどほどにして、遂に始まりました人理修復後初となる英霊召喚。先手は勿論立香ちゃん、相変わらずの引きの強さで、第七特異点に関わる殆どの英霊を見事召喚してしまった。

 

ただ一人、エレちゃんことエレシュキガルだけは来てくれなかった。やっぱり冥界での一件が尾を引いているのか、エレちゃんと再会を果たせなかった事を悔やみ、残念に思いながらも、立香ちゃんは自分に番を回してきた。

 

 ………正直、自分は英霊召喚というものに言葉に出来ない抵抗感がある。拒絶とも言ってもいい、過去の百回試しても誰一人出てこず、麻婆と黒鍵、後はなんか優雅たれとかふざけた事を抜かしているオッサンの描かれたカードしか出てこないこのシステムに、トラウマを植え付けられているからだ。

 

だから、最初の特異点以降英霊召喚はずっと立香ちゃんに任せていた。自分の分の召喚リソースも明け渡したからこそ、現在のカルデアは此処まで戦力が増えたのだ。そうでなかったら、今頃カルデアは黒鍵と麻婆、あと優雅たれのオッサンで埋め尽くされていただろう。

 

 まぁ、今回のは記念という意味を込めての召喚。仮にも英霊召喚にそんな気持ちで臨んでいいのか悩んだが、この時の自分は其処まで深く考えていなかった。

 

そうして行われる英霊召喚、最初はやはり黒鍵から麻婆のコンボで心が折れ掛けたが、次に起こった現象に自分達は騒然となった。

 

金回転。これ迄、立香ちゃんが出してきた英霊確定の瞬間である。まさかの事態に自分や立香ちゃん達だけでなく、召喚されたばかりの賢王様やエルキドゥ、イシュタルが喧嘩するのも忘れて固唾を呑んで見守っていた。

 

 そうして、収束される光。一体誰が来てくれるのかとワクワクした瞬間。

 

『あの、本当に私が喚ばれても良いのでしょうか? サーヴァント、キャスター・シドゥリ。至らぬ身ですが、宜しくお願いしますね』

 

泣いた。気付いたら、俺は泣いていた。召喚されたばかりで、右も左も分からないシドゥリさんを前に、情けなくも涙が止まらなかった。

 

その後、アンデルセンやシェイクスピアと同様に非戦闘のサーヴァントとして新たにカルデアに来てくれたシドゥリさん。今後はニトクリスさんの様に王様達の秘書役に徹してくれる事だろう。

 

 





Q,英霊百人組手とか、カルデアの電力消費ヤバくない?

A,ヤバいです。ですので、この時のカルデアは一時期グランゾンとケーブルで接続し、短期間の間でしたがエネルギーを供給してました。

Q,賄えるの?

A,対消滅エンジンやらブラックホールエンジンみたいなのが搭載されているので、余裕です。

Q,ボッチの食事事情どうなってるの?

A,最初は初めての超化によって多大な消費量となりましたが、現在はある程度制御出来るようになり、食事量も多少多くはなりましたが、適量をキープしています。

Q,ボッチ、なんで報告書書き直してるん? 社会人やろ。

A,本人的にはありのままを書いているだけのつもり。だからこそ、書き直しを要求されている模様。


それでは次回も、また見てボッチノシ。








オマケ。


「それでは王よ。何度もお世話になってしまい申し訳ありませんが、今後とも宜しくお願いします」

「うむ」

「若かりし頃の王も、宜しくお願いしますね」

「フハハ、この様な場末な所に喚び出されるとは、貴様もつくづく運がないな。してシドゥリよ、貴様はあの男のサーヴァントになる様だが、奴についてどう思う?」

「マスター………修司様の事ですか? えぇ、はい。普通に人間として好ましいですよ。王に対する態度も臣下のそれ、私から特に苦言を呈する必要はないかと。ただ……」

「んん?」

「彼を見ていますと、何というか。遠縁の子、或いはその………弟を見ているような、不思議な気持ちになるのです」

「フハハハ、それは所謂、姉属性という奴だな。精々目を見張らせておけよ。あの男、放っておくとすぐやらかすからな!」

「ギル、もしかしなくてもシドゥリに面倒ごとを押し付けようとしていない?」







「………はっ! 何故か私の存在意義が危ない予感が!」

「なに言ってんのよこのポンコツ聖女」

後に、これが夏に勃発した第一回姉襲来事件に繋がるとは、この時は誰も知る由がなかった。



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