『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

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Fate/Grand Order+1

それは、未来を取り戻す物語。

今回はepisodeBの続編となっております。




Fate/Grand Order+1
その1


 

 

 

 聖杯。それは、万能の願望器。あらゆる願望、願いを受け入れる杯。その実態は魔術師達が根源へ至るために生み出したた七人のマスターと七騎の英霊───サーヴァントが織り成す大魔術。

 

嘗て、その奇跡を巡って幾つもの悲劇が起きた。ある時は男女のいざこざによって、あるいは姉妹のいざこざによって、または想像すら出来なかった予期せぬ事態によって、これまで聖杯を巡っての大規模魔術儀式………通称、聖杯戦争は勝者が決まることなく終わり、勝者が誕生する事なく幕を閉じてきた。

 

 数えて五つ。勝者も大規模魔術儀式も完了する事なく迎えた五度目の聖杯戦争、魔術師達がサーヴァントを用いて行われる殺し合いの儀式は、そんな、誰もが想像も予測も予想も出来なかった異常事態(イレギュラー)によって終息した。

 

たった一人の人間、魔術師でもなく、サーヴァントでもない唯の人間が正しき怒りを以て終わらせた聖杯戦争。理不尽を許さず、不条理を由としないその人間の名は────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────西暦200X年。

 

「カルデア?」

 

 とある高層ビルの一室、厳かな雰囲気のある部屋に呼び出された紫髪の男はその聞き慣れない単語を反芻する。

 

「然り。子細の程はそこの資料に纏めてある。今の内に把握しておけ」

 

困惑する男が言われるがままに資料に目を通してみると、その文面には細かい内容がびっしりと書き殴られている。速読は男の数少ない特技、時間を掛けずに読み終えた男はその内容に何やら少なからず違和感と僅かな嫌悪感を抱いた。

 

 資料の内容を大雑把に纏めれば、魔術師達が建築した人理継続保障機関なる施設に自分が呼ばれているという事らしい。何故そんな胡散臭い組織に自分が呼ばれているのか、これが自分の上司である目の前の王の命令なら理解できる。

 

しかし、この組織の連中の元締めはアニムスフィア家なる魔術師が統括しているとのこと。何故よりにもよって魔術師に自分が呼ばれているのか、理解しがたい内容に男────白河修司は納得出来ずに首を捻っていた。

 

「理解しがたい、と言った様子だな。修司」

 

「………正直、混乱してるよ。何で魔術師が今更俺なんかに声を掛けるんだよ? いや、王様の命令で、それが仕事って言うのなら大人しく従うけど、ハッキリ言って嫌な予感しかしないんだよな」

 

 修司にとって魔術師とは色んな意味で厄介な連中で、それは力の有無に限っての話ではない。連中は兎に角上からものを言うキライがあり、表舞台に出ようとしない癖に支配者を気取っているのだとか。

 

修司の身近にも魔術を扱う者はそれなりにいるが、何れも意味もなく他人に理不尽を押し付けようとしたり、変に上から目線でなにかを指図したりせず、対等な人間として見てくれている。

 

他にもエーデルフェルト家の当主なんかも割りと良い付き合い方が出来てたりする。仕事の関係上、たまに対立する事はあるが、それはあくまで仕事上での話。してやったりしてやられたり、出し抜いたり出し抜かれたりとしているが、互いに利益がある時は滞りなく手を結ぶ事もあり、エーデルフェルト家の当主は仕事における良いライバル関係が築けていると言えるだろう。

 

 魔術師だって人間、善い人間がいれば悪い人間がいるように魔術師の中にも真っ当な奴がいることは修司にだって分かっている。分かっているが、それでも嫌悪感が拭えることはなかった。

 

結局、修司が魔術師を苦手としているのは偏に聖杯を生み出した連中と総じて似たような事を考えているからだ。

 

《根源》詳しくは知らないが、魔術師達が魔術を探求する最大の理由であり、最終目標到達地点。そこに辿り着いた魔術師は魔法使いとなり、世界に名を刻める程の存在になれるのだとか。

 

根源なるモノがどれだけ凄いのかは魔術師ではない修司には分からない事だし、興味もない。ただ、その根源を目指すが故にあの血腥い聖杯戦争なる戦いが五回に渡って開催されたのもまた事実。

 

魔術師は己の目的を達成させるあまり周囲に気遣う事を蔑ろにする傾向が強い所がある。それが修司が魔術師を苦手としている最大の原因でもあった。

 

努力するのはいい、研鑽は自己を高め出来ない事を可能にし、自身の価値観を変える事にも繋がる。しかし、それを他人に干渉したり強要したりするのではまるで意味が違ってくる。

 

 昔、王様からの命令で世界各国を放浪していた頃にそんな魔術師と戦った事がある。当時は黒魔術に傾倒したオカルト野郎による薬品テロかと思い込んでいたが、その実態は魔術の研鑽。即ち根源への挑戦であった。

 

そんな奴と同じ魔術師が一つの組織を率いて自分に詳しい理由の説明もなく来いと言ってくる。普通の価値観を持つ者ならば先ずは何かしらの罠があるのではないかと勘繰る事だろう。

 

「………因みに聞きたいんだけど、俺の《相棒》は連中には知られていないんだよね?」

 

「正確に言えば大多数の魔術師には、だがな。あの女も魔術による隠蔽工作は一流だが、それでも単独では限界がある。一部の雑種共に知られるのは………まぁ、避けられぬだろうよ」

 

 第五次聖杯戦争。そこで起きた出来事は人類の歴史始まって以来の異常事態。聖杯戦争の核を担う大聖杯が謎の巨大物体によって塵一つ残さず消滅されたという大事件。

 

当時、聖杯戦争の開催地であった冬木市は一時騒然となり、隣町からも警察がやって来たりと色んな意味で大盛りあがりとなった。そんな大混乱となった冬木市の人達を鎮めてくれたのが、聖杯戦争の当事者の一人であり数少ない受肉したサーヴァントの一人、キャスターのクラスで現界したメディアである。

 

サーヴァントとは過去の英霊を聖杯によって喚び出された者達の総称。彼女もまた第五次聖杯戦争によって喚び出された一騎であり、己の叶えたい願いの為に戦った一人である。

 

そんな神代の魔術師である彼女の尽力により、どうにか事態を沈静化させることには成功した。王の力により願いを叶えられた彼女は現在愛する夫と共に冬木の地で第二の人生を謳歌している。

 

しかし、そんなメディアの安息の時間は長くは続かなかった。修司が己の相棒───《グランゾン》を使用する度に修司が属する会社と共に方々へ隠蔽工作の奔走に忙しい日々を送るはめになっている。

 

 更に言えばここ数年、太陽系に属する各々の惑星から巨大なエネルギーを感知し、その対処に向かう度に彼女にも同様に根回しに協力して貰っている事から、修司の彼女に対する罪悪感は年々増えていく始末ですらある。

 

特に、最初の頃グランゾンがどう言ったモノなのか調べる為に動かした時は、色々とやらかしてしまいその度に彼女に助けを求めていた。後に知った世界の裏側とやらに行ったときは影みたいな城やデッカイ卵を抱えたデッカイ龍を見かけ、その時は驚きのあまり思わず携帯で写メを撮った程だ。

 

けれど、近年グランゾンの扱いにも慣れ、その上の段階であるネオへ自在になれるようになった頃にはそんな彼女の手も煩わせる事は少なくなってきた。

 

因みに、その頃から宇宙から変なモノがやってくるようになってきた。

 

木星付近からやって来た数十kmの黒い巨人とか、土星辺りから侵攻してきた十字架とか、他にも海王星、天王星、冥王星といった天体から強いエネルギーが感知されると同時にグランゾンと共に対処する為に宇宙へ飛び立ち、敵対行動される度に縮退砲をブッパし、それらの出来事は地球に住まう人々に知られる事なく、色んな事が出来るようになった時は久し振りに自分の成長を実感できた。

 

 

────閑話休題。

 

 詰まる所、修司にはグランゾンという魔術師に知られたら色々と面倒な案件を抱えているという事。この事を何処からか入手し、それを出汁に魔術師達が無理難題を吹っ掛けてきたのではないかと、その代案に自分がそのカルデアなる私設に向かうことになったのではないのかという修司の心配に黄金の王は鼻で笑う。

 

「ハッ、たかが魔術師程度に弱味を握られるものかよ。仮に知られたとしても、堂々と公表するだけの事よ。この件はあくまで奴等に対する一つの貸しだ」

 

「貸し?」

 

「然り。アニムスフィアなる雑種は魔術師達の中でも存外に影響力がある輩らしくてな、この条件を呑めば今後の仕事に於いて時計塔の連中からの横槍はさせないようにすると、生意気にも言ってきたのだ」

 

「────冗談だろ? 条件になってないぜ王様」

 

笑いながらそう口にする王に修司は眉を寄せて目に見えて不機嫌になる。何故わざわざ連中の条件を呑まなくては、これ迄だって連中が横槍を入れてきた事は多々あったし、その度に修司はそんな奴等を真っ正面から蹴散らしていった。

 

その嫌がらせにも似た横槍に何度時計塔なる奴等の本拠地を叩き潰したいと思った事か、以前一度だけ相棒と共に本気で実行しようとした時は姉弟子である遠坂凛と友人である衛宮士郎の嘆願により思い留まったが、それでも未だに修司は魔術師達を許した事はない。

 

 アニムスフィアはそんな連中の一派とは無関係だとは思うが、それでもそれを条件に出されるなんて修司としては甚だ遺憾な話である。

 

何なら、今から時計塔を消してやろうか。今日こそ魔術界隈最後の日だと内心息巻く修司に黄金の王の冷ややかな視線が突き刺さる。

 

「修司、弁えろよ?」

 

「………ごめん。王様、ちょっと苛立ってた」

 

聖杯戦争から幾年か経過した今、修司もまた一人の社会人として生きている。会社という組織に属している以上、一時の感情で愚行を晒すわけにはいかない。

 

王からの戒めの言葉に頭を下げると黄金の王はウムと頷く。

 

「とは言え、お前の心中も分からなくもない。故に此方も条件を出した」

 

「条件?」

 

「ウム。聞けばこのカルデアなる施設は面白い所だと聞く。場合によっては戦闘もありえるだろうとな。もし、そんな状況に至った場合………お前は、一切の加減をしないということを条件にした」

 

 王からの条件に修司はイマイチ理解できずにいた。何故カルデアなる施設に戦闘の必要性が出てくるのか、何事も真剣に取り組むことは昔からの王からの教育により骨身に染み付いているし、今更手を抜くなんて事はしない。

 

曰く、慢心は王のみに許された特権である。

 

王の意図を読み取れない修司が首を傾げる一方、黄金の王────英雄王ギルガメッシュはそんな臣下に笑みを浮かべる。

 

「ともあれ、此度の一件はお前に一任することにした。拒否権はない、精々励むのだな」

 

 結局の所、今回の話はこれ迄の王からの無茶ぶりと大して変わりないという事に、修司は苦笑いながら受け入れた。

 

「まぁ、仕事だし、何より王様からの命令だ。受けるのは当然として、俺の元々の仕事の方はどうする? 一応、ある程度の引き継ぎは済ませてきたけど……」

 

先の聖杯戦争から月日が経ち、修司もまた立場のある人間へと成長した。現在はもう一人の友人である間桐慎二に仕事のことを任せているが、彼も色々と忙しい身の上、出来る限りの負担を減らしてやりたいと具申する臣下に王はやはり不敵に笑うのだった。

 

「既に人員は手配してある。慎二も人を扱うのが上手い奴だからな、手広く且つ効率的に事を運ぶだろうよ」

 

「そっか、なら安心だ。じゃあ、これから向かえば良いのかな? そのカルデアって所に?」

 

「まぁ待て、その前にお前に渡したいモノがある。………シドゥリ」

 

 ソファーから立ち上がり、現地へ向かおうとする修司にギルガメッシュは一度だけ待ったを掛ける。すると、向こうの別室で待機していたのであろう、王の秘書であるシドゥリがアタッシュケースを手に扉を開いて入ってきた。

 

あれから数年の年月が経過したのに変わらぬ容姿で王に仕えるシドゥリ、今でも彼女は修司にとって良い姉貴分のままだった。

 

「修司様、どうぞ此方をお持ちください」

 

「これは?」

 

「我からの餞別よ。お前が必要となった時に開ける事を赦す」

 

 言外に必要ないときは決して開けるなと釘を刺してくる王に修司は再び首を傾げる。が、彼がこう言う時は必然的にそういう時(・・・・・)が来る事を知っていた修司は、アタッシュケースを受け取りニヤリと笑う。

 

「成る程、厄介ごとか。それも結構面倒な………なんか久し振りだな。王様からこう言う無茶ぶりを振られるのも、この頃そういうのなかったからすっかり油断してたぜ」

 

「ぬかせ、言動と顔がまるで一致しておらんぞ。それと………ほれ、これも持っていけ」

 

先の戦闘云々の話といい、これから向かうカルデアとは色んな意味で厄介な所のようだ。気を引き締めて行こう、そう思い改めて部屋を後にしようとする修司に王からの一つのアイテムを投げ渡される。

 

「何だこれ? 万華鏡? 随分古びたモノみたいたけど………」

 

「なに、向こうに渡る際に(・・・・・・・・)必要なものだからな。失くすなよ?」

 

 渡されたのは一本の筒、そこから覗き見えるのは宝石の様(・・・・)にきらびやかな万華鏡だった。何故これを渡されるのか不思議だが、どうやらこれはカルデアに向かう際に必要なアイテムらしい。これから向かう施設には魔術師が大々的に関わっているし、恐らくは御守りみたいな役目を果たしてくれるのだろう。

 

「さて、これで準備は整った。往くがいい白河修司、我が臣下よ。カルデアなる地にてお前の力と威光を我の名の下に存分に奮う事を赦そう」

 

「威光は兎も角、全力で事に当たることを約束する。王様の名前に傷を付けないよう、王様の臣下として思い切り頑張ることを誓うよ」

 

カルデアなる場所に何が待っているのかはまだ何も分からない。けれど、修司が出来ることは何時だって一つだ。自分に出来ることを全力でやり遂げる。聖杯戦争から幾年の月日が流れても鍛練を怠った事は一度だってない。王の会社に就職し、自分の時間を削られても、それでも今日まで修司は自己を高め続けてきた。

 

変わらない。そう、これからも自分がすることは何も変わらない。どんな理不尽が不条理が立ちはだかろうと、それらを打ち破る決意が修司の眼に秘められていた。

 

「それじゃあ王様、シドゥリさん。行ってきます」

 

「ウム」

 

「修司様のご活躍、楽しみにしてますね」

 

 王と姉貴分に見送られ、修司は社長室を後にする。臣下の旅立ちを見送ると、シドゥリもまた秘書室へ戻っていく。ギルガメッシュのいる社長室が静謐な空間に包まれた時………。

 

「さて、これで貴様の目論見通りになった訳だな」

 

「───ウム、一先ずは礼を言っておこうか。英雄王」

 

そこに一人の老人がいた。なんの気配も前兆もなく、王の前に老人が現れた瞬間、世界は停止する。

 

「しかし、本当に良いのか? 貴様にとって奴は臣下の中でも一番のお気に入りなのだろう? 再三言ったが向こうに渡ればいつ此方に戻ってこれるか分からんのだぞ? 例え、ワシ手製の魔道具を使ったとしても、世界の壁を超えるのは容易くはないぞ」

 

 老人は言う。世界を渡るという事はそれ即ち魔法の領域だと、世界を渡るという事は時に世界を変えるよりも難しく、また取り返しのつかない偉業なのだと。

 

故に、今回で英雄王最大の臣下とはこれで別れる事になる。そう暗に語る老魔術師にやはり黄金の英雄王は鼻で笑い飛ばす。

 

「ハッ、随分と下に見てくれるな宝石翁。此方も言ったはずだぞ? 奴にマトモな常識を当て嵌めること、それ自体が愚考であると」

 

 

今生の別れと語る翁にギルガメッシュは否定する。何故なら、送り出した臣下は己の意志と力で幾つもの不可能を踏破してきた。理不尽という壁を破壊し、不条理という名の荒波を打ち砕いていくその様は英雄王にとっての宝なのだ。

 

「さて、これで契約は果たされた。次は貴様の番だぞシュバインオーグ」

 

「………あぁ、分かっているとも。全てが終わった時、我等魔術師は正式にお主の軍門に下るとしよう。他ならぬ白河修司の為ならば、喜んでこの身を捧げよう」

 

「いらぬわたわけ、貴様等の忠誠などいるものか。貴様等がするべき事は我等の行く末を指をくわえて見ることだけよ」

 

 それだけ言うと老魔術師は姿を消し、世界は色を取り戻していく。後に残された英雄王は徐に立ち上がり外界に広がる世界を見下ろしている。

 

すると、修司の奴が会社から出ていく姿が見えた。用意された車に乗るよう促されるも、走った方が速いと軽く断り、瞬く間にその場から立ち去っていく。

 

相変わらず落ち着きのない奴、呆れると同時に何処までも己を高め続ける臣下に王は満足そうに笑みを浮かべる。

 

「しかし、人理焼却とはな。何とも酔狂な雑種もいたものだ」

 

 王の口から紡がれるのは限り無く近く遠い場所、本来ならば互いに干渉することはない世界の壁が、この後最悪の形で押し寄せてくる。

 

しかし、王には一切の悲観はなかった。例え人理焼却が為され全てが消滅しても、たった今その全てを覆す男を解放させた。既に決まりきった結末なんぞ、見通す意味はないし、元より彼を送り出したことでその世界の行く末は見えなくなっている。

 

「ククク、数多の英霊達の驚く様が眼に浮かぶ。さぁ、修司よ。我が臣下よ。思うように暴れ、昂り、己の意志を示してこい」

 

 思えば、随分と楽しく慌ただしい時間を体験した気がする。この怠惰にまみれた人の世界の中で修司という男の物語はそこいらの娯楽よりも余程楽しめたものだ。

 

あれから、世界は変わった。この数年で奴は軌道エレベーターや半永久機関を開発し、人員確保の為に多くの国と交渉し、貧困や紛争で困窮する人々を救ってきた。

 

 これらは全て奴だけにできた事ではない。修司がしたことは精々人々の視線の先を、意識の矛先をほんの少しだけ変えたに過ぎない。

 

腹を空かせている子供には食料を与え、その見返りに勉学を習わせて自身の可能性を広げさせる。紛争に喘ぐ人がいれば喧嘩両成敗の精神で介入し、一緒に解決策を考えて実行してきた。

 

自分の力だけで解決するのではなく、誰かと共に立ち向かっていく事を修司は知っている。そんな彼の姿に多くの人々が感化され、立ち上がってきた。

 

………まぁ、その割には依然として友と呼べる者が少ないのは考えものだが。

 

 ともあれ、偽善を偽善のままに終わらせる事はせず、偽善でもいいから進むことの意義を修司は見出だしてきた。時には誰かを助け、時には誰かに助けを求める。そんな人として当たり前の姿を修司はこれからも貫いていくだろう。

 

 ────世界は変わったしこれからも変わっていく。つまらないと思っていた自身が今では明日の出来事に内心でワクワクしている。

 

「しかし、それも些か疲れた。走り回った後は適度に休むのも大事。こんなことを思わせるとはつくづく生意気な奴よ」

 

そう言うギルガメッシュの表情は何処までも晴れやかなモノだった。

 

「さて、次に会うときはどんな冒険譚が聞かされるのか、その時を楽しみにしておくとしよう」

 

 見えなくなった臣下の姿をいつまでも眺めつつ、黄金の王は空を見上げた。

 

 

 

そして。

 

 

 

──────それから暫くして、世界は焼却された。

 

 

 

 

 

 




何かぐちゃぐちゃと書きなぐりましたが、今回の話を簡潔に纏めると。

1.ある日、宝石翁がやって来てこのままだと並行世界からの飛び火でこの世界焼却されるよ。

2.このままじゃ折角ここまで育てた世界が消えてなくなってまう。何とかせな!

3.そうや、うちの最大の問題児を送っちゃろ! 怖い魔神さんも一緒についてってくれるし、暫くは心の安寧が続くで!

4.スヤァ………(ボッ

大体こんな感じです。

色々とツッコミ所や矛盾点がありますが、どうか暖かい目で見てくださるようお願い致します。

次回はAチームの誰かと絡ませたらいいなぁ。



それでは次回も、また見てボッチノシ







次回予告(嘘)


「それで、貴方は何ができるの?」

「かめはめ波が撃てます」

「!?!?」(ガタッ

「どうしたの? キリシュタリア」


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