『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

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今回はインタビューその2

それぞれから見た主人公の印象です。


その23

 

 

 “IS”インフィニット・ストラトスと略称される存在が世に出てきて早十年弱、ISのお陰で飛躍的に技術向上が成し遂げられた人類は表側は比較的平和な時を享受していたが、ISの開発者である篠ノ之束博士の失踪によりISは混迷の時代を迎える事になる。

 

現在は束博士の妹である篠ノ之箒氏と唯一の男性IS操縦者である織斑一夏氏、この両名が乗る第四世代のISが次世代機とされている。

 

やはり篠ノ之束博士しか最先端のISは作る事はできないのか……各企業も肩を落とし始めた時、IS業界に一筋の風が入り込んできた。

 

IS業界に名乗りを上げた一人の若き天才、白河修司。本来なら国のバックアップを受けた企業が団体として受けるべき“総合IS管理資格”を史上初の個人取得を果たし、世界で最も注目されている人物の一人、現在の日本代表候補生である更識簪の専用機に手を出したのも彼だという。

 

そんな彼は現在IS学園で用務員と技術者の役割を兼任しており、日夜IS研究に励んでいるという。我々はそんな白河氏の人物像を把握すべく、IS学園に取材の許可を頂き、関わりのある複数の生徒・教師から話を聞くことに成功した。

 

 

 

・一人目、最強の戦乙女

 

 ん? 白河について知っている事を教えて欲しいだと? 個人のプライベートを探る様な真似は許せんが……まぁ、好き勝手書かれるよりはマシか。

 

そうだな、奴は最近の若者と比べて大分落ち着いていて細かい事にも良く気が付く。基本的に人格者であるから生徒からも慕われている様だし、用務員として働かせているのは勿体ないと思うくらいだ。

 

……多少天然気質が入っているようで、時折人の予想を上回る事をしでかすのが玉に瑕だがな、本人がその事に気付いていないから余計に質が悪い。

 

あれこれ言ったが、私としてはプラスマイナスでゼロと言った所かな。完璧な人間なんているわけがないし、程良く欠点があった方が人間味があるものだ。

 

これが、一週間前までの私の感想だ。

 

今はどう思っているって? ……聞くな。

 

 

 

・二人目、眼鏡ドジッ娘教師

 

 わ、私別にドジッ娘じゃありませんよ! そりゃ確かに時々ヘマをする時もありますけど……でもだからってドジッ娘はないでしょう! 私、こう見えて二十歳過ぎてるんですからね! 修司さんより年上なんですから!

 

え? その修司さんについて聞きたい? し、失礼しました。……コホン、私から見た修司さんは普通に良い人って感じでしたね。格好いいし、性格も良いし、頭も凄く良くて、オマケに人当たりも良い。この間の学園祭の時だって生徒達の無茶振りにも笑顔で応えていましたから、きっと悪い人ではないんだと思います。

 

悪い人では……ないんですよ。ええ、ただ少しばかり天然な所があって時々私達の度肝を前振り無しで抜きに来る時があるんですよね。

 

しかもその規模が無駄にデカい。お陰で私はここ最近、胃薬を常備しているようになりました……。知ってます? 胃薬ってレモンを付けて飲むとメロンの味がするんですよ~(オメメグルグル)

 

 

 

・三人目、専用機持ちその1

 

 こ、今度はまた随分と大雑把に纏めて来ましたわね。まぁ別に宜しいんですけど……で、白河修司さんについてでしたわよね? 前に先輩の方にもお答えしましたが、基本的に紳士的で人当たりの良い御仁ですわ。

 

……ただ、敵に回しては絶対にダメだという事。決してあの方を怒らせてはならないという事。それさえ守れば決して悪い人ではないと言う事、私から言えるのはそれだけですわ。

 

では、これで失礼致しますね。少々悪寒がしてきたものですので。お、オホホホホ……。

 

 

 

・四人目、専用機持ちその2

 

 えっと、うん。普通に良い人だよ。僕が学園に来て間もない頃、一夏───君と一緒になって色々良くしてくれた人だったから。

 

授業の分からない所はないかと聞いてくれるし、僕なんかよりも凄くISに詳しかったりしたからね~。

 

それに……アハハ、ISって人間の手で飛んだり回転したり跳ねたりする事も教えてくれたしね。ホント、オモシロイヒトダヨネー?

 

……人間って、何だろ?

 

 

 

・五人目、専用機持ちその3

 

 白河修司さん? あぁ、良い人だ、……ん? アレ? 人? 人って……何だ? ヒトと言うのはISを素手で殴り飛ばせるモノだったか? オカシいな、アレ? 何故か最近あの人の事を思い出すと震えが止まらなくなる……。アレ? どうしてだ?

 

あの人は私の恩人で、標を示してくれた人なのに……何故躯が震えるんだ?

 

あ、千冬先生、スミマセン。今インタビューの最中でして……え? そんな事は良いから休め? 何故です? 私は別に疲れてなんか……(インタビューはここで途絶えている。

 

 

 

・六人目、専用機持ちその四

 

 やっぱりね。私の読み通りの人だったわね。あの人をどうにかするには千冬さん位しかいないわよ。

 

え? 何の話かって? こっちの話よ。気にしなくていいわ。……あぁでも、もしあの人にちょっかい出そうとするのなら悪いこと言わないわ。やめておきなさい。

 

───死にたくなかったらね。

 

 

 

・七人目、専用機持ちその五

 

 既に他の者達から粗方聞いていると思うので、私は短く纏めたものにしておく。私はこの学園に来て……いや、あの人から学んだ事が一つある。

 

それは“悪い事をしたのなら心の底から謝る”という事だ。社会において自分の非を認めることは簡単な様で難しい。子供ならば叱られて終わりになるが、大人はそうはいかない。自分が悪いと認めても責任というモノを負わねばならないからだ。

 

そして私は軍人だ。子供として扱われる事はない。故に、私はあの人の言葉は教官の言葉と同意義にするつもりだ。

 

既に私はあの人に許されないことをしてしまった。この学園に来て間もない頃、知らず知らずの内にあの人に怪我を負わせてしまったのだ。

 

───覚悟は出来ている。後はあの人が帰ってくる一ヶ月後を待つばかりだ。既に部隊の後任はクラリッサに任せるよう、一ヶ月後に退役届けを出す準備も済ませている。

 

悔いはない。自分の不始末に片を付けるだけなのだから。───あぁ、けれど……もう少し、生きていたかったなぁ。

 

 

 

・八人目 専用機持ちその六

 

 私から言えるのは一言だけ。

 

白河修司さんは良識あるけど常識が無い人。

 

あの人を表すのはこれが一番適切だと思う。

 

 

 

・九人目 専用機持ち七

 

 ───俺は、あの人に対して思い違いをしていたのかもしれない。

 

気前が良くて、人当たりが良くて、俺の悩みを一つ一つ真面目に聞き入れてくれる頼りがいのある人、そんな風に決めつけていたのかもしれない。

 

学園祭の時、俺は知った。強さっていうのはなんなのかを、そしてあの人は身を以て俺に教えてくれた。

 

人は、強さというのは、自分を極限にまで高め、その果てに見つける自分の答えなのだと。努力という言葉だけでは届かない極地。それを目の当たりにして漸く俺は知ることが出来た。

 

あの人も、きっとそんな極限の領域を何度も体験してきたんだろう。何度も死にかけて、死ぬような思いをして、その果てに自分の答えを得た。

 

俺が目指していた頂は遙か高く、そして遠かった。けれど、道は出来た。自分が目指すべき頂きに続く道が……。

 

いつか、俺もあんな背中になれるように……こちらからも止まらず研鑽を続けていこうと思う。

 

……え? 結局俺から見た修司さんはどんな人かって?

 

───フッ、言葉で現せる程、あの人は浅くはないよ。

 

 

 

・十人目、学園生徒会長

 

 解せぬ。

 

 

 

・十一人目、学園の元祖用務員。

 

 ティンと来たので。

 

 

 

 

 

 ────以上、11名からインタビューを受けたのだが……こんなんどう記事にしろってんだよ!?

 

まともに応えてくれたのは数人しかいないじゃねぇぇかぁぁぁ!?

 

というか白河修司、あんた一体ここでなにしたんだよぉぉぉ!? ただの用務員じゃねぇぇのかぁぁぁ!? 何で専用機持ち三人もトラウマ抱えているんだよぉぉぉっ!?

 

 

 結論:白河修司の人物像は……色々強烈な人?らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっきし! 何だ? 誰か噂してる?」

 

 




シャルロット&箒の主人公に対する印象
怪しい人&恩人→トラウマ

ラウラの主人公に対する印象
ジャパニーズNINJA!?→以前主人公に傷を付けた事を思い出して→やっぱりトラウマ

一夏の主人公に対する印象
頼れる兄貴→目指すべき頂


大体こんな風に変わりました(笑)

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