そしてお祖父様が死に、正式に伯父様が国王となった…あの変態が国王になったら、このガリア王国は色んな意味で終わる…女装ホモだらけの国…嫌すぎる。そんなことになったら僕は絶対に国外逃亡して永遠にタバサとして生きる。
ちなみにお祖父様が伯父様を国王として認める際のやりとりは…こんな感じ。
「この国の王をジョゼフ、お前とする。」
「だろうな…」
「…シャルルはなんでああなったのか聞いているか?私はせめてそれだけが知りたい…」
「父上…少なくともシャルロットが産まれてから暴走し始めたことは確かだ。」
「シャルロットが産まれた時からか…しかしだ。例えシャルルがまともであっても私はお前を後継者として選んだだろう…」
「何故?」
「それは…」
「父上?」
その後伯父様はお祖父様が亡くなったことを確認して自分が国王となったことを発表した。ちなみにあの変態達も亡くなったことになっており新しいオルレアン領主が僕に変わったことも発表された。
そのせいか…
「オルレアン公!優秀な職人がまたこの地を去りました!」
「オルレアン公!新田開発についてですが…」
「オルレアン公!私めを罵倒して下さい!」
おかげで大忙し…髪の毛も切る暇もなかった。当然最後のは監獄行きにした。ちなみに団長から出された僕の任務は領土の内政をして経験しろ…だって。おかげで本を読んで知識を得ないと何も出来ない…
「お嬢様…少し休んだらどうですか?」
そう言ってペルスランが心配し、声をかけた。
「ペルスラン…人が苦しんでいるのに僕だけ楽する訳にはいかないよ。それと女の子扱いしないでって何回も言っているでしょ?」
なんで僕のことを女の子扱いするんだろう…絶対に今年中には切ろう。
「しかしこのままではあまりにもシャルロット様の負担が大き過ぎます。せめてシャルロット様以上の方がそれを何とか出来れば…」
そう言ってペルスランは悔しそうな顔をする…待てよ…?!
「そうか!人が足りなきゃ集めればいいんだ!!」
「お、お嬢様?」
「ペルスラン、どうやら何とかなりそうだよ!今回は女の子扱いしたことは許すよ!」
そう言って僕は準備をした。
~1ヶ月後~
オルレアン領に様々な人が集まった…
「シャルロット様、一体何をするつもりですか?」
ペルスランがそう聞いて来る。そういえば説明してなかった。
「まあこれからやることは引き抜きだよ。」
「引き抜き…?」
「そう…何か一番の特技を持っていればオルレアン領で優遇するって言って人を集めさせた。」
「なるほど、『竜骨より始めよ』ですな。」
竜骨より始めよ…それはかつてトリステインの全盛期に最も近づけたルイ1世の取った策だ。ルイ1世は史上最強の竜と言われた竜の骨をかなり高値が買い取り、こう言った…
「もしこの竜を超える竜が生きているならばこれよりもずっと高値で買おう、そしてその者には名誉も与えよう」と…
そうして貴族達は皆、その金額と名誉に目が眩み、竜を捕まえて国に献上した。次にルイ1世は同様にして竜騎士達を集め…結果トリステインは最強の竜騎士団を結成し、全盛期並の力を誇ることが出来た。
つまり僕はそれを別の方面に生かし優秀な人材を揃えようと考えた。
「これなら僕の負担も少しはマシになるはずだよ。」
「う~む…まさか私の一言でこんな発想が産まれるとは思いもしませんでした。」
「それじゃ頑張ってくるよ。」
僕はそう言って杖を持った。
「あーあー…皆さん聞こえますか?」
僕は拡声の魔法を使って一箇所に集まった皆に呼びかけた。
「…オホン!僕の名前はシャルロット・エレーヌ・オルレアン。この場にいる皆さんを集めた本人だ。」
僕がそう言うと場は騒がしくなる…僕は顔をフェイスチェンジで変えているがそれでも幼い声に驚いたからだ。
「それでは早速特技を説明して貰うために面接を行いたいので番号を係員に呼ばれたら目の前にある赤いテントに入って下さい。」
そう言って僕はテントの中に入っていった。
「それでは貴方はなんの特技があってここに来たんですか?」
僕や他の二人を合わせた三人が一人に聞くタイプの面接でどんな特技があるか聞いて、それを書き込む…
「はい、私は数学を研究しているのですがゲルマニアやアルビオンでは中々認めてもらえずここにきました。数学のことならなんでも聞いて下さい!」
なるほど数学者か…どのくらい出来るのか試してみるか。
「では貴方が得意としている数学、およびわかっている数学の式を四則法則以外で書いて下さい。」
そう言って僕は紙を渡した。
「では失礼して…」
すると僕ですらまだ見たことのない式が次々と書かれていく…有用だな。
「このくらいですかどうでしょうか?」
もうこの時点で決まったようなものだ。
「こんな訳のわからない式をスラスラと書けるようであれば優遇しましょう。一月20エキューの支給!」
そう言って僕は大声を出してテントの外にいる人たちにも聞こえるようにした。
「やった!」
「では明日からよろしくお願いします。」
こんな感じで面接は順序良く進んだ…ちなみに戦いが得意という人たちは翌日戦わせて誰が一番強いかを決める大会を開くことにした。
そして最後の面接が終わり…
「お二人方ご苦労様でした…」
そう言って付き合ってくれた二人に礼を言った。
「いえ、このくらいはたやすいものです。」
この二人は東西の花壇騎士団の人たちだ。おかげでスムーズに面接が進んだよ。
~さらに1ヶ月後~
そして案の定、大成功して僕の代わりの人材がいくらでもいるようになった。
「これで僕がしばらくの間はいなくとも大丈夫だね。」
もう集めた人たちが優秀過ぎて少し自由にさせた程度で勝手にいい方向へと動くし、特産品も増えてオルレアン領単体で貿易とかも出来るようになったせいで蓄えも前よりも多くなったし、いいことずくめだよ。ただ変態を治す医者はいなかったけどね。
「まさかここまでとは…」
ペルスランが感心したように頷く。
「まあこれでオルレアン領は安泰だよ。」
王家に結構特産品とか献上しているし、王家からは睨まれることはないしむしろ後ろ盾になる…とはいれこれは任務の一貫だけど、やるときはやんないとね…
~おまけ~
グラン・トロワにて…ジョゼフはご機嫌だった。というのも…シャルロットが内政に励んでおり、まさか単体で外交も出来るようになっていたからだ。その上献上品も数多くガリアの金は潤っていた。
「シャルロット…やはりお前はシャルルの息子だ。お前さえまともに育っていればこの国も安心だ。」
そう言ってジョゼフは次の資料を見て一気に憂鬱になる…
「しかし、どうやってあいつはこんなところに仕込んでいるんだ?」
それはとある話しが書かれている小説もどきの紙の束だった。
「またか…俺はシャルルとは違ってその耐性はない…錬金。」
ジョゼフはその紙束を錬金で爆発させて粉々にした
そう…その中身はBLの小説だった。しかも今までもそんなことがあった。多い順からシャルル×シャルロット、シャルロット×シャルル、ジョゼフ×シャルル、ジョゼフ×シャルロット…(以下省略)となっていた。
とにかく中身はBLである。これを書いた著者は…なんとシャルロットの母親にしてシャルルの妻…前オルレアン公夫人…いやオルレアン公腐人となっていた。しかも牢獄にいるにもかかわらずどうやっているのかわからないが紙を用意して書き終わったらそれを報告書と報告書との間に入れるのだ。
「あいつはシャルルよりも厄介だ…」
ジョゼフがそう言ったのには理由がある…腐女だという理由ならまだマシだ。
「会いに行けばS○Xに来たと思われる、かと言って放っておけば何故か喜ぶ、シャルルを連れて説得しようとしても発狂しながら喜ぶ…何か打つ手はないのか…?」
そう…オルレアン公腐人は究極のドM、腐女子だった。その為、シャルルとシャルロットがくっつくことを強く望んでいた。そうすれば自分は寝取られたことになりドMの魂に火がつくし、腐女子としての魂も火がつく…まさにシャルル×シャルロットはオルレアン公腐人にとっては理想の関係だった。
「シャルロット…本当にお前の人材に変態を止められる奴はいないのか?」
しかしシャルロットに1週間前にそう聞いたところ、いなかったらしいのでどうしようもなかった…
「この世に誰かあいつを止められる奴はいないのか…?シャルルは止められてもあいつは止められん…」
ジョゼフは胃の穴が開いていくのを感じて早めに寝た。
今回は内政でしたね…まあかなりオリキャラっぽいことしていますがタバサは原作では女王となっていますし問題はないと思い書きました。