タバサのTS物語   作:ディア

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第4話

「いけません!お嬢様!」

ペルスランに北花壇警護騎士団に入団したことを報告したらそういってきた。

「ペルスラン、お父様とお母様を救う為なんだ。それと女の子扱いしないで。」

あの変態達をノーマルに戻す為には僕が頑張る必要がある。伯父様は飴と鞭を使って変態達を治そうとしている。今の時点で鞭はすでに用意出来ているけど飴はまだ用意出来ていない…その飴こそが僕の役割。僕が頑張れば頑張るほど伯父様も困らなくて済むし、あの二人も治りやすい…

「ですが…暗部の北花壇警護騎士団となれば汚れ仕事も多いはずです!シャルロット様お考え直してください!」

ペルスランの気持ちもよくわかるよ…だけど伯父様は何も考えずに北花壇警護騎士団に入れた訳じゃないんだよね。僕自身の為でもある。国王ともなれば必ず汚い物を見なくてはならないし、戦争になった時強い精神力がものをいうしね。

「それにこれは伯父様の命令…僕が選べるものではないよ。」

僕はそういってペルスランを納得させた。

「仕方ありませんな…私達一同はこの屋敷を綺麗にして待つしかありません。」

ペルスランは諦めてそう言った。

「ありがとう…ペルスラン。」

僕は納得して貰えたことに少し安心した。

「ではお嬢様、北花壇警護騎士団の仕事頑張ってください。」

「だから女の子扱いしないでてっば!台無しだよ!」

ペルスランの一言で全て台無しになった。

 

結局僕達は一度やりなおすことにした。

「ではシャルロット様、私達はここでシャルロット様及びシャルル様、奥様のお帰りを望んでいます。」

「うん…それじゃ行ってくる!」

僕はそういってイザベラお姉ちゃんがいるプチ・トロワへと向かおうとした。

 

「その必要はない!」

そういって僕を止めたのはガリアの兵士…いやイザベラお姉ちゃんの部下にあたる人だろう。

「その必要がないとは…?」

ペルスランがそう言って僕の聞きたかったことを聞く。

「7号…任務がある。受け取れ。」

そういって渡して来たのは依頼書だった。

「では任務が終わり次第イザベラ様のところへ行くんだ。」

彼が竜に乗って立ち去って、僕はそれを開いた…

 

その依頼内容は…『地方に住む竜の討伐』早速ハードなものが来た…

「なっ…竜の討伐ですと!?」

ペルスランが驚くのは無理もなかった…竜を殺せば竜殺しと呼ばれ、戦うメイジとしては名誉とされているほど竜は危険な生き物だった。それを狩るということは相当辛いはず…だけどあの変態達を治すためにも僕はやらなくてはならない。

「お嬢様!あまりにも危険すぎます!」

ペルスランが僕のことをまたお嬢様と言ったのでイザベラお姉ちゃんに会ったら髪の毛を切って貰うことを決意した。

「僕は大丈夫!」

僕はそういってその場所へと向かった。

 

~某地方~

馬車を使って移動すると目的地に着いた。

「ここが…竜の生息地…」

僕はそう呟くとトライアングルになったので風の動きを読むことが出来るようになったので、風の動きで竜を感知した。

「…!」

早速感知してその場に向かった。すると目的の竜を見つけた。幸いにもこっちには気付かれていないみたいだ。気付かれていたら真正面から戦うしかない…何故なら竜は犬よりかは劣るけど鼻はとてもいい。そんな竜が僕の匂いを覚えて民間に被害を与える可能性も否定出来ない。そうなれば僕は囮になりつつも応援を呼ぶしかないからだ。

「グゥゥゥ…!」

しかしトライアングルになると風の動きに敏感になるって本当なんだ…信じられなかったよ…この感覚を感じるまでは…

「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ…ウィンディ・アイシクル!」

僕はまともに竜と戦えるほどの強さを持ってもいなければ蛮勇でもない…それゆえに不意打ちをかけた。

「グォォォォォッ!?」

当然、竜は不意打ちに対応できずに氷の矢が突き刺さった。だけどまだまだ終わらない!

「アイス・ストーム!」

竜に当たらなかった氷の矢と新しく増やした氷の矢を利用して氷の嵐を作り…竜は先ほどとは違い氷の矢が前後左右上下関係なく突き刺さり…心臓のあたりに命中すると絶命した。

「グァ…ァ…!」

竜の断末魔が聞こえたので僕は突き刺さった氷を錬金で油に変えて竜を発火で処理した…

 

そしてその感想は…

「グロかった…」

僕はこれしか言えなかった。というのも途中で内臓とか、骨とか中途半端に出てくるから気持ち悪くなったけどあの変態達を治す為だと思い僕は我慢した。でももう限界だ。

「おえぇぇ…」

僕はグロさに耐えきることが出来ず吐いてしまった…

 

~プチ・トロワ前~

それから僕は思い切り、出したのでプチ・トロワへと向かった。だけどそこへ待ち構えたのは…

「ロッテ…いや7号よく帰ってきたね。」

なんとイザベラお姉ちゃんだった。

「おっと…7号、よく聞きな。お前のことだ。私のことをイザベラお姉ちゃんなんて呼ぼうとしているんだろう?少なくとも北花壇警護騎士団の一員である以上は私のことは団長か1号と呼びな。」

イザベラお姉ちゃん…いや団長はそういって私の手を引っ張って広間まで歩いていった。

「さて7号…もうわかっているとは思うけどお前は私の配下だ。それ故に仕事の依頼は絶対にこなして来な。そうすりゃ私もお前も得をする。わかったね…?」

「う…いえ、はい。」

危うく、うんっていうところだった…今話しているのはイザベラお姉ちゃんではなく団長なんだよね…

「それと、ある程度は自由にしてもいいけどここに来るように指示があったらここへ来ること。」

団長はそれだけ言うと「もう用件はないから帰りな…後プレゼントのネックレスつけてくれてありがとう…」と最後はボソッといって僕をオルレアン領に帰らせた。やっぱりイザベラお姉ちゃんはイザベラお姉ちゃんだ。ああいうこと言われたら僕も頑張ってみようって気になるなる。

 

あ…そういえば誰に髪の毛切って貰おうかな?あの感じだとイザベラお姉ちゃんは無理っぽいし、やっぱり自分で切るべきかな?今まであの変態達に任せて来たから女の子と間違われる羽目になったし自分で切ろう…

 

~おまけ~

その頃、牢獄では…

「おい!まただ、また逃げたぞ!」

どうやら脱獄が起きたようで兵士が騒々しく動いていた。

「急いで一班はジョゼフ様を呼べ!二班は女たちを使って止めろ!男に近寄らせ…」

そこで指揮官らしき男の声が止まった…というのもそこに現れたのは女装癖、ホモとなり変態化したシャルル・オルレアン公が立っていたからだ。

「男《獲物》達をどこにやるつもりだい?」

シャルルの言った男というキーワードは指揮官からは獲物と聞こえてしまったのは無理ないといえる。

「あーっ!!」

指揮官は速攻で逃げようとしたが…シャルルはどこからともなく杖を出して空気の手錠をかけた。

「そこまでだ!シャルル!!」

ようやく我らがヒーロー、ジョゼフが現れ、シャルルを止めに来た。

「ああ…兄様、なんて素敵な顔なんだい?」

ジョゼフはそのセリフを聞いて戸惑うことなくシャルルの服を錬金するようなイメージで爆発させ…シャルルを気絶させた。

「シャルルを止める人材が欲しい…」

ガリアではジョゼフ以外にシャルルを止められる人間がいないのはわかっていた…というのもシャルルは魔法に関しては天才的である。そのため予測不可能なジョゼフの爆発以外の魔法だと見極められ、返り討ちにあう。メイジ殺しも聞いた話しだと精々トライアングルが最高でシャルルには到底及ばない…割とジョゼフは本気で悩んでいた。

「全く情けない限りだ…」

ジョゼフは弟がこんな変態になったのも、その弟を止められるのも自分だけが頼りだと言う事実に胃に穴が開きそうだった。


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