タバサのTS物語   作:ディア

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ディア「俺…この小説が完結したらこれのシリアスverを書くんだ。」
タバサ「完結出来るの?色々な小説を放置プレイしまくっているあなたに?特にNARUTO原作の小説やhunter×hunterの原作の小説などなど…待たせている人が多いのに無視している貴方に?」
ディア「…本編スタート!!!」


第36話

「タバサ!」

授業を受け終わり、図書館へといくとそこにはサイトがいた。

「お前の相棒貸してくれてありがとな!おかげでシエスタも無事に済んだぜ。」

貸してくれてって…シルフが勝手に動いたんだけどね。

「そう。」

「お礼を言いたいんだけどさ…何か出来ることないか?」

「貸し一つ。それだけで充分。」

僕はそう言って本のところへと向かっていった。ブリミルに関する本なんてものは調べたくない。ブリミルの美化した姿を書くというフォルサテの苦労する姿を思い浮かべてしまい、同情して読めなくなる。

「そう言わずにさ、ほら!俺が本探すのを手伝うから!」

僕はイーヴァルティの勇者を手に取り、それを歩きながら読み始める。

「必要ない。本の場所は覚えている。」

イーヴァルティは謎が多く、著者によって老若男女が分かれるが主人が魔法は使えないけど立場の高い貴族(公爵やその近親)だったり王族だったりと王家に連なり、主人公であるイーヴァルティ本人はその逆…つまり平民であることが多い。

貴族が見栄を張るこの世界では普通は逆で主人公は貴族、ヒロインが平民となるがこれだけは別…だから面白いのかもしれない。

「じゃあ紅茶でも淹れるよ、俺紅茶淹れるの得意なんだ。」

まだいたのか…僕は本を閉じて机へと向かった。

「飲食禁止。」

僕はサイトを突き放し、その場を去ろうとした。

「ちょっ…待て…うわぁっ!?」

サイトが転び、僕は左肩を掴まれその巻き添えを食らいサイトを上にするような形で仰向けに倒れた。

 

プニッ♡

 

「…ん?」

男であるサイトに胸にあってはならないものがそれはあった。

「あの〜?タバサさん?」

いやいや、僕の勘違いだということも考えられる。サイトが困惑しているけど僕に関係ない!

「…」

僕はサイトの腹を両手で囲み…腕を上げていく…そして…

 

プニッ♡

 

…僕の親指が胸の脂肪にあたり、サイトは気持ち良さげにしている。

「サイト?この胸は何?」

「おっぱいだよ、おぱーい!」

ふざけた態度で返事したので腹に一発殴った。

 

「そう言えば言ってなかったけか?俺は女だよ。」

どっからどう見ても顔の整った男にしか見えない…しかし胸はものすごく気持ちよかった。確かに量(大きさ)はキュルケやテファ──あんなものに勝てる巨乳の方が知りたい──の方が上だけど弾力や柔らかさ、質においては完璧だ。これは女だと言わざるを得ない。

「いいな…男らしくて。」

だけど僕は羨ましかった。あの変態の息子とはいえ王族の一員であるので暴走することはあっても貴族の教養があり、ガサツには生きられない。上品さはあってもサイトのような男らしさは僕にはない。

「親の影響でそうやって生きてきたからな。俺は。でもそうしていくうちに俺は女としての感情が薄くなってしまった…」

「サイト…」

僕は女装させられることはあっても恋愛対象が男になることはない。僕の中で感心と同情の二つの感情が混じっていた。

「だからかな?俺はシエスタを取り戻そうと動いたのもそうだし、何かが俺を動かしているんだ。」

サイトはどこか遠い目をしてその表情は自分が何者なのか理解していないような悲しげな感じだった。

「…」

僕は何も言えない。何故ならサイトは苦しんでいるとは言っていないし、助けたところでサイトの性格上、逆に怒らせるだけだ。

「だからタバサ。お前には感謝しているんだぜ。」

そう言って僕の頭をクチャクチャと撫で、微笑んだ。イザベラお姉ちゃんが男になったらこんな感じなんだろうな…

「そう…」

「じゃあな!いつか借りは返すぜ!」

サイトは図書館から去り、ルイズと合流した。

 

「ご主人、ここにいたのか!?」

後ろからシルフに話しかけられ、本を閉じる。

「シルフ…何?」

「サイトについてだが…ナニがついてなかったぞ!」

「知ってる。」

だから大声だすな。図書館ではお静かに…

「え?まさかご主人…私の性別は見切れなかった癖にあいつの性別は見切ったというのかーッ!?」

「うるさい。」

杖で思い切り叩き、シルフを黙らせた。

「きゅい〜…酷い。」

潤んだ目で見てくるがイケメンの顔なので尚更ムカつく。

「黙れ。」

「冷たい!ご主人が渾名のように冷た…」

シルフのセリフを遮り、黙るまで杖でボコボコにした。

 

それから数分後、シルフは完全に黙り、土下座した。

「…」

流石にここまでやっては僕が悪者なので土下座を止めさせ、口を開いた。

「サイトの性別は本人から聞いた。」

「え?」

「サイトは親の影響でああなった。僕は何とかしてやりたいけど彼女はそれを望まない。」

「だったら簡単だ。私とサイトは度合いが違うだけでほぼ同類だ。故にサイトの気持ちも共感出来る!」

「理解出来るわけない。サイトとシルフは別。」

「ご主人…まさか風韻竜である私がサイトを乗せたのが悪ふざけだと思っているのか?」

「それ以外に何がある。」

今思えばこいつは悪ふざけしかしていない。翼人退治は悪ノリ全開、吸血鬼退治はマッチョ、ミノタウルスは洞窟破壊。どれもシルフの悪ふざけだ。それだけでもお仕置きする価値はあったと思うと残念だ。

「ご主人…私の背中を預けるのは信頼出来る奴とご主人の仲間だけだ。何故だかわかるか?」

「悪ふざけをしても許されるから?」

「半分は正か…痛っ!」

このやろう。そんな風に見ていたのか。

「ちょっ、待ってって!ご主人!私が背中を預けているのは悪ふざけをしても許されると思ってしまうほど信頼している人たちなんだよ。ご主人の仲間も基本的には善人だから殺すような真似はしないでしょ?」

…まぁその通りなんだけど、伯父様とイザベラお姉ちゃんは殺る時は殺るし意外と冷徹なんだよね。ただそこまでさせるほどシルフはアホじゃないし、イザベラお姉ちゃん達の沸点はそんなに低くない。

殺す殺さないの以前の問題にマジになったシルフを倒せるかって聞かれたら無理と答えられる自信がある。だって悪ふざけでトライアングルの僕のウインド・ブレイクを相殺するような奴だよ?そんなのに勝てる訳がない。風韻竜じゃなくてエンシェントドラゴンの親戚なんじゃないかって最近は思う。

「それは怒らせなければの話し。怒ればマジに殺しにかかる。」

もっとも殺しにかかるだけで実際は不可能といっていい。仮に出来たとしても何千何万の犠牲の上にハルケギニアは世紀末となる。…イーヴァルティの勇者と言われているケンオウの例えなら国が荒れ、治安などが乱れることを世紀末というらしい。

「そりゃ気をつけないとな…まあ何にしても私に任せてくれ。何せ乳を語り合うなまかだからな!」

最後にシルフを蹴り出した僕は何も悪くないと思う。

 

「ん?ご主人…どうやらまた手紙だ。」

シルフが立ち直るとまたガリアから手紙が届き、僕はため息を吐いた。

「…」

今度は賭博場潰し…タチの悪い賭博場を経済的に潰せ…か。難しいことを言っている。物理的ならシルフに任せればどうとでもなるけどそういったことはシルフの専門外だし…仕方ない。マチルダを使うか。




ディア「ターニア冒険記がネタが思いつかずに今年中に書き終わらねえ…」
そんな状況なのに関わらずこれを書いている私はやっぱりバカ。

ちなみに、なまかは誤字ではありません(笑)

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