深夜
真夜中…僕はキュルケの部屋にいた。…これは事情がある。僕の部屋はエルザとシルフの2人が寝ているからだ。エルザは変態吸血鬼という理由から預ける訳にもいかないし、シルフはシルフで外で何かやからしそうなので2人とも室内で寝させている。それに最近なんか変な声が聞こえるから寝れないんだよね…幽霊なんて信じてないよ?2人が早く寝て怖くなったなんて思ってないからね?
「タバサ~…私に黙っていくなんて水臭いじゃない?」
デロンデロンに酔ったキュルケが絡み、僕の息子を触りに行こうしたのでサッと避けるとキュルケは頬を膨らませた。
「あ~ん!タバサのいぢわる!」
キュルケは泣き顔になり、上目遣いを始め僕にすり寄り頬擦りを始めてすぐに止めた。
「タバサぁ…zzz」
えっ?!キュルケも寝ちゃった…どうしよう…
ギィ…
その音を聞いた途端僕はベッドに潜り込んだ。幽霊にびびったんじゃないからね!
「あれ~?おかしいわね…タバサがここにいると思ったんだけど…」
ルイズの声がドアの方から聞こえ布団の隙間からそっちを見るとルイズがノートを持っていた。もしかして僕に座学のテストのことで聞きに来たのかな?ルイズも僕も学年主席を争う立場だけど勉強仲間だ。僕が2勝1敗と少し有利だけどそれでも僕の勉強仲間なのは変わらない。
「…そんなところで何をしているのよ?タバサ。」
ルイズと目が合ってしまいルイズに失望されそうになったので僕は弁解した。
「これは訓練。万が一敵が来た時の為に伏せる訓練。」
僕はそう言って布団をめくってベッドから起きた。
「見苦しい言い訳…それよりもテスト勉強しましょう?あと…」
ルイズの様子がおかしくなり僕が近づくと…ルイズに唇を奪われた。
「んんーっ!?」
あまりにも突然だった。ルイズはこんなことをする性格ではなくイザベラお姉ちゃんと同様に常識人だ。シルフに唇を奪われた時もフォローしてくれたからまさかこんなことをするとは思わなかった。
「んんっぅ…」
ルイズが舌を入れると僕の気持ちも高ぶり始めた…いや違う。ルイズが可愛く見えた。テファと同じくらいの可愛い顔つきに加え、エルザのような体つきだけどルイズのは可愛らしく見え、僕を興奮させた。どんなことをしても手に入れたい…そう思ったけどキュルケを捨てることは今更出来ない。うまく言いのがれてしまおうとキュルケを幸せにしつつもルイズを手に入れようと僕は最低なことを考えていた。
「ぷはぁっ…ねえタバサ。キュルケと私…どっちがいい?」
ここで素直に答えるならルイズって答えたい…だけどそれはキュルケに対する裏切り。でもキュルケは今寝ている…言っても問題ない。
「…ルイズだよ。」
「本当?!」
「うん…ルイズ愛している。」
僕達はルイズの部屋へ直行して舌と舌の戦争が始まった。
☆☆☆☆
さて何故タバサがこうなったかというとルイズに原因があった。それはルイズがキュルケの部屋に来る5分前の事だ。
「何か飲み物ないのかしら…あの犬はメイドといちゃいちゃしているし…」
ルイズはブツブツと愚痴りながら歩いているとバカップルことギーシュとモンモランシーがテーブルの上でいちゃいちゃしていた。
「これ飲まないなら飲むわよ!」
ルイズはそのバカップルさにイラつき、それを飲んでしまった。それこそが原因だったのだ。それは遅効性の惚れ薬であり飲んでから数分経った後、異性を見るとその異性の人物を好きになるというものだった。どうでもいいがギーシュもそれに引っかかっていた。
そして数分後…丁度その時にルイズの前に異性であるタバサがいたのだ。ルイズはタバサをタバサたんを愛する会のメンバーのように男の娘とは見ておらず友達という意味でのボーイフレンドとして扱ってきた。だが今回はそれが逆に仇となった。友達としての感情が恋の感情に変わり一気に発情した。その結果がタバサへの接吻だ。さらにその接吻には惚れ薬の成分が残った唾液が含まれており、タバサにそれを味わせて惚れさせたのだ。
しかしそれでは遅効性の惚れ薬なのに関わらず何故すぐにタバサがルイズに惚れたのかという説明がつかない。遅効性の惚れ薬は唾液によって成分が分解されるのでルイズの口の中ですでに惚れさせる惚れ薬が出来上がっていたのだ。つまりタバサは効果の強い即効性の惚れ薬を飲まされたのだ。
早い話がモンモランシーはディープキスをしてしまえば2人とも相思相愛になれるような惚れ薬を作りそれを実証してギーシュとモンモランシーは相思相愛になったが夢中になりすぎてルイズが飲むのは誤算だったのだ。その結果が今の有様である。ちなみにギーシュ達2人を除くタバサたんを愛する会のメンバー達は会議をしており、タバサが幽霊の声だと思ったのもその会議によって生み出された声である。解説もこれで終わりである。
☆☆☆☆
「タバサぁ…大好きぃ…」
ルイズの可愛らしい声が僕の目覚ましになって僕は接吻してその口を塞いだ。
「もう…タバサったら…」
「ルイズは拒否してない。」
「そうじゃないわよ…ムードよ。ムード!誰にも入られないようにロックがかかっているから一日私を食べてね♡」
か、可愛い…僕は生まれて初めてケダモノになりルイズを食べようとすると…キュルケが無理やり入ってきた。
「ちょっとルイズ!タバサ知らない!?昨日はいたのに今日はい…ない…の…よ…?」
僕とルイズがいちゃいちゃしているとキュルケが僕達の前に現れた。…最悪だ。
「タバサ…これはどういうこと?」
キュルケのドスの効いた声が僕の耳に響き、僕は身体を縮こませてしまった。
「だってキュルケ…僕をおもちゃみたいに扱うんだもん…」
女の子として見られるよりも恥ずかしいもん…
「仕方ないじゃない…タバサが可愛いのが悪いんだから!」
「それだよ!僕は男として見られたいのに…可愛いなんて褒め言葉でもなんでもないよ!」
皆そう…イザベラお姉ちゃんや伯父様以外は僕を子供か女の子として扱ってない。唯一生徒の中ではルイズが僕を男…それも友達として扱ってくれた。だからルイズに惹かれたのかもしれない。
「そう…もう知らないわ。お別れね。」
それを聞いた僕は内心慌てた。謝りたい。だけどそれをすればルイズは拗ねる。ルイズが拗ねているのも可愛いけど笑っている方が良い。
「タバサ…ごめんね。私にはこんなことしかできないの…」
そしてルイズは僕にキスをした。
〜〜
「何これ…?」
それがこの本を読んだ僕の感想だった。そう、これは僕の視点でキュルケが書いた小説だ。確かに僕みたいだけど…
「え〜?それだけ〜?せっかく私が振られるような小説を書いたのに?」
いやそれは良いんだけどさ…
「なんで僕達の名前を使っているの?それに色々と突っ込みたいところがあるよ!」
例えば僕が幽霊を怖がっているとか!全然怖くないんだからね!
「え〜?だってタバサって時々怖くなって私のところに来るじゃない。それに怖くておねしょしたことも知っているのよ!」
「違う。それはキュルケが無理やり引き連れた。」
1人の時にフレイム使われたら僕じゃ抵抗出来ないよ…
「でもおねしょは本当でしょ?」
おねしょっていうけど実際はあれだよ?ほら…その…男ならしてしまう白い液を寝ている最中に出す行為の事だよ。
「それは男なら当然の現象!女の子なら生理みたいなものだよ!」
「ふ〜ん…でもタバサがエッチなのは変わりないわね。エルザから聞いたわよー…亜人まで手を出すなんて…この下はどうなっているのかしら?」
「それは違うよ。偶にそうしないと暴走しちゃう。」
「でも今日は私のエッチ確定!」
そして僕は久しぶりにキュルケに襲われた…