そして遂に二年生の進級試験…使い魔召喚の儀式が始まった。…変態ご先祖様ことブリミルはSMカップルという意味で相性の良いサーシャが召喚されたみたいだけど…そんなことはないよね…?あれは僕の夢ってことにしたい。伯父様やイザベラお姉ちゃんのような常識人のフォルサテが全力を尽くしてドMのご先祖様から偉大なご先祖様に書き換えたとかありそうだから…それはそれで凄いけど。
「さて、それでは皆さん。名前を呼ばれたら前に出て使い魔を召喚してくださいね。」
火の魔法教師ことコルベールがそう言うと名前が次々と呼ばれて行った。
「ねえ、タバサ…どんな使い魔が召喚したいの?」
同じクラスになった恋人のキュルケがそう言って僕に話しかけてきた。
「もちろん…まともで強くて有能な使い魔。」
そうでもないと僕の身が持たない。
「それではミスタ・タバサ。召喚をお願いします。」
おっと…僕の番がきたようだ。
「行ってくる。」
僕はそう言って前に出てスペルを唱え始めた。
「我が名はタバサ。まともかつ、有能で強い使い魔を召喚せよ!」
僕は通常とは違う方法で使い魔を呼び出した。すると出てきたのは…フォルサテかそれ以上のイケメンだった…モゲロ!
「私を呼んだのは君か?」
うわっ、声までイケメン…マジでモゲロ!!
「そう…」
絶対に関わりたくない…その思いが伝わったのか彼は眉をハの字にした。
「ミスタ・コルベール。やり直しを申請する。」
僕はそう言って彼を指さし、抗議した。
「ミスタ・タバサ…いくら彼がイケメンで気にくわないとは言えそれは出来ない。個人的には許したいくらいですが我慢してください。」
ミスタ・コルベールの手を見ていると確かに今すぐにでも魔法を唱える準備をしていた…
「それに召喚した生き物が死なない限りサモン・サーヴァントは出来ない。さっさとやってください。」
ぐっ…でもこいつにキスするってことはキュルケを裏切るってことになる…見た目は確かに美人同士のキスでいいんだけど…僕からしてみれば同性とキスするってことになるからどうしても嫌悪感がする。
どうするか迷った僕はキュルケとアイコンタクトを交わしたが…「ヤらなきゃ殺る!」と目で言っていたので僕は唇を軽く交わし、契約を終えた。
「これが使い魔のルーン…」
そう言って彼はルーンが刻まれた右手を見た…
「ほほう…なるほどありがとうございます。では次、ミス・ツェルプストー!」
コルベールがいつの間にか来ており、彼の右手のルーンをスケッチした…どっから湧いてきたんだ?
「は~い!」
そう言ってキュルケは草を炎で燃やし、最後は炎上して消した…ド派手すぎだし、魔力のことを考えなよ…
「それじゃ行きます…」
その後キュルケは魔力を消費した所為もあって火竜ではなくサラマンダーを召喚した。…キュルケの実力なら火竜を召喚してもおかしくないくらいなのに…勿体無い。
ルイズ?ゼロのルイズならちょっと変わった服を着た平民を呼び出した。
「あんた誰?」
ルイズはその平民に尋ねた。
「俺は平賀あ…いや平賀才人。そっちの呼び方だとサイト・ヒラガになるのかな?」
そう言って平民はニコリと笑ってルイズを赤面させた。…今のはこいつ以上にイケメンだったからむかつく!殴って良し!
などと思っているとルイズは僕と同じやりとりをして契約を交わした…そっちは異性同士で羨ましいことだよ…サイトは痛がっていたけど笑顔になった。
「なあ…俺、めちゃ幸せだわ。だからさ…」
サイトは純粋な笑顔でルイズにそう言った。
「だから何よ…」
ルイズはプイと真っ赤になった顔を逸らしてそう聞いた。
「だから殴ってくれないか?本当に夢なら覚めないはずだ。」
それを聞いてルイズはプルプルと震え…爆発した。
「この馬鹿犬ぅ~!!」
ルイズはサイトの望んだ通りに思い切り殴った…GJ!
「あらルイズ、彼気絶させてよかったの?」
それを見てキュルケがルイズをからかいに来た…
「うるさいわね!」
キュルケ曰く、ルイズの家はキュルケの家と敵対関係にあり、ルイズはそれを根に持っているとかでルイズはキュルケのことを一方的に嫌っている。
「それじゃ私が運んであげるからあんたは指を咥えて見てなさい。」
キュルケがレビテーションで持ち上げ、召喚したサラマンダーに乗せた。
「あ!こら~っ!!待ちなさい、キュルケ!」
「ゼロのルイズはどうせ魔法使えないんだから大人しくしてなさいって。」
なんだかんだいって親切なキュルケを見て微笑ましい…
そして僕も帰ろうとしたその際に彼…僕の使い魔がここに残るように言われたので残ることにした。
「何のよう?」
僕は使い魔にそう聞いた。
「さて…誰もいなくなったところで自己紹介しよう。私はイルルクゥ…こう見えても人間ではない。」
人間ではない…?それじゃ亜人?
「私の種族は韻竜…かつて絶滅したとされている種族だ。」
「!!」
僕はそれを聞いて目を開いた…韻竜といえばお伽話しか出てこない動物だ。
「驚いているようだな…ふふふっ!」
こいつ一回殴っておこう…僕は杖をイルルクゥに振ったが…掴まれた。
「全くデリカシーのないご主人様だ。女である私を殴るなんて…」
へっ!?…こいつ女なの?!
「まあ私は韻竜の間でも男だとよく間違われるが女だ。」
衝撃的な事実を知った僕は固まった…信じたくない!こんな奴が僕よりも男らしいなんて信じたくな~い!!
「まあご主人も性別間違われるだろう?」
僕はそれを聞いて立ち直った。僕のことを男として見られたのは久しぶりだ…
「ご主人様は女だろ?」
ドガッドガッドガッ!
僕は目にも見えないスピードでイルルクゥを殴った…
「痛い…」
イルルクゥは頭を抑え、涙目になっていた。
「自業自得…僕は男。」
僕はそう言ってイルルクゥを睨んだ。
「すまない…ところで使い魔としての名前をつけてくれないか?」
イルルクゥはそう言って名前をつけるように提案した…確かにイルルクゥなんて名前はあまり思いつかない名前だし、怪しまれるね…
「わかった。」
何がいいかな…イルルクゥの雰囲気といえばイケメンだけど…女性だからあまり男っぽい名前は止めておこう…せめて女の子らしい名前なら…決めた!
「シルフィールド…なんてどう?」
「シルフィールド…風の妖精の名前か…なるほどいい名前だ。」
イルルクゥには絶対似合わないからシルフって略するけど!
「それじゃ帰ろうかご主人様。」
そう言ってイルルクゥ…もといシルフは僕をお姫様抱っこした。
「この馬鹿シルフゥ~っ!!」
僕はシルフを思い切り杖で殴った。
「げふっ!?」
シルフは僕を落とした後、さらにタンコブが増え気絶した。
~おまけ~
その頃、ルイズ達はというと…
「だからツェルプストーの助けなんかいらないわよ!」
ルイズはキュルケに抗議していた。
「でもその華奢な身体じゃ無理でしょう?彼…持ち上げられるの?」
そう言ってキュルケが指さし、サイトをサラマンダー(以後フレイム)から降ろすように命じた。
「ふんっ!うに~っ!!」
ルイズが顔を真っ赤にしてそう叫んで持ち上げようとするがルイズの華奢な身体では無理だった。
「ほら、おとなしく私に任せなさいって…」
そう言ってキュルケはレビテーションで再び持ち上げた。
「後少しで持ち上げられたのに邪魔しないでよ!」
ルイズはキュルケがレビテーションをするとそう抗議してキュルケの杖を掴んで振り回して止めようとした。
「こら!やめなさいって!」
結果レビテーションの操作がめちゃくちゃになりサイトは寝ながら酔った。
「うぇ…ぷ…」
顔はどんどん青くなり、ルイズが諦めるまでそれは止まらなかった。
そしてその際に二人は気づかなかった…サイトに喉仏がなかったことに…