僕はトリステインに戻り、キュルケを探した…
「誰を探しているの?」
するとキュルケが後ろから話しかけてきた。
「…」
僕は無言でキュルケを指差した。
「もうタバサったら可愛い~っ!」
そう言ってキュルケは僕に抱きついた…
「!!?」
いくら童貞を卒業したとはいえ恥ずかしいものは恥ずかしい…僕は顔を赤くした。
「ん…?ねえ、タバサ。ちょっと女の匂いがするわよ?」
何でだぁぁっ!?そりゃイザベラお姉ちゃんを看病したけど…制服にはついていないはずだよ!?
「タバサ…まさか浮気したんじゃないでしょうね?」
キュルケの声が怖い…僕は正直に言うことにした。
「それは姉の看病をしていたから…」
僕にとってのお姉ちゃん…イザベラお姉ちゃんの看病をしていた。何故かメイド服に着替えさせられて部屋に行かされてとっても恥ずかしかった…イザベラお姉ちゃんは顔を真っ赤にしながら僕に同情してくれた。
僕にメイド服を渡した馬鹿女はその後処分され変態のいる牢獄にいる。その姿をみて同情する程だったけど変態が治るならそれでいいやと思って懇願も無視した。
「姉?タバサに姉なんていたの?」
キュルケは僕に姉がいたことを疑問に思ったのかそう尋ねた。
「うん…といっても血筋からすれば従姉妹だけど僕にとっては姉だよ。」
僕はこれを言った瞬間後悔した…キュルケの雰囲気が変わった。
「浮気確定ね。」
キュルケはそう言うと僕の腕を掴んで、首にキスをした。
「どうして?」
僕はそれしか聞けなかった…イザベラお姉ちゃんとは姉弟みたいな中だし大丈夫でしょ?
「従姉妹ってのは結婚出来るからこうでもしないとね~…」
「でも!」
「タバサ、男らしくないよ。そこは認めないと。」
「あの人とは姉弟みたいな間柄だもん!」
僕のそのセリフで空気が凍った…
「フォォォーッ!!」
すると僕の近くにいたデ…ふとましい男子生徒が覆面を被った…変態だ。
「タバサたん、もう一度お願いいたします!」
その変態は一瞬で僕に近づき、アンコールを求めた。
「何を…?」
僕はそいつに呆気に取られ、反射的にそう尋ねた。
「もちろん!『あの人とは姉弟みたいな間柄だもん!』の部分です!」
僕は無言でデブを蹴った。
「ああっ!ありがとうございます!」
こいつ変態過ぎ…
「貴様ぁ~っ!タバサたんに蹴られるとは何事だ!?」
僕がドン引きしていると男子生徒がそういって仮面をかぶって現れた。
「私だって蹴られたことないのよ!」
今度は女子生徒が仮面をかぶって現れ、現れた男子生徒と共に変態を縛り上げた。なにこの集団…
「やめろ!何をする!」
覆面の男子生徒は豚の丸焼き状態になりもがいて縄を解こうとするけど…
「貴様にはたっぷりと聞きたいことがある。さあ行くぞ!」
男子生徒と女子生徒は豚を連れて立ち去って行った。
その際に「酔う!酔う…オェェェッ!」「汚ねえ!」「ヒャッハーッ、汚物は消毒だ!」などの声が聞こえた気がするが関係ない。
「…ところでキュルケ…なんで僕の腕を縛っているの?」
それよりも気になるのはキュルケがさりげなく僕の腕を縛っていたということだ。
「もちろん…私の部屋に行くからに決まっているじゃない。」
「そんなことしたら僕も変態の仲間入りだよ!解いて!」
このまま歩いたら絶対ドン引きされるから!
「あら、SMカップルは私達の代名詞で既に知られているわよ?」
もう嫌だ…こんな世界…だからと言ってブリミルがいる時代にはもっと行きたくない…
「…うう~っ、僕は変態じゃないのに…」
僕はそう言って渋々とキュルケの部屋に歩いて行った。その後たっぷりとイザベラお姉ちゃんのことに聞かれ、白い何かを搾られた…
~翌日~
「ここは…?」
見慣れた天井に見慣れたベッド…そして見慣れたドレス…ドレス?
「…~っ!!」
どうして!?なんで!?なんであの変態達が送ったドレスを僕が来ているの!?とにかく着替えないと…
僕は慌てて制服を探した。
ガチャッ…
「あら、タバサおはよう…」
…終わった。僕の常識人の学園生活…
「…タバサそのドレスよく似合っているわよ。」
そういってキュルケは笑いながら部屋に入るとドアをロックした。
「キュルケ…何するつもり…?」
僕は顔を引きつらせながらそう聞いた…そのくらいキュルケが怖かった…
「もちろん、タバサの着せ替えショーよ!」
その後僕は抵抗出来ずにキュルケの着せ替え人形となってしまいましたとさ。
めでたくないめでたくない。
~おまけ~
キュルケはタバサ不在の時にタバサの部屋を荒らしていた…というのも…
「タバサって読書好きだから春画(エロ本)とかあってもおかしくないのよね~…」
そう…タバサのエロ本探しだ。タバサがどんな女性を好みとしているのかキュルケは知りたかった…
「ん?何よこれ…?」
キュルケが見つけたのは箱だった。キュルケはその箱の中身が気になりそれを開けると目を開いた。
「タバサって女装趣味だったのね…」
そう…シャルルとオルレアン公腐人の送ったドレスが入っていた。タバサはそれを見てすぐさま処分用の箱に入れていたが…キュルケはその処分用の箱を開けてしまった。
「これは大切な資料だから私の部屋に持って行った方がいいわね。」
そう言ってキュルケは資料と言って箱ごと持ち運び、自分の部屋へと向かって行った。