キュルケと交際してからしばらくして僕は手紙を読んでいた。
「…っ!?」
その内容は…イザベラお姉ちゃんがぶっ倒れたから至急戻ってこいのことだ。…イザベラお姉ちゃんは大切な人だしどんな状態なのか気になるし僕はガリアへ帰国することにした。
僕はキュルケのところに行って事情を説明した。
「あらそう…でも浮気しないでよ?私はタバサのことが好きなんだから…」
キュルケは優しくギュ…と抱きしめてくれた。
「ん…」
キュルケの体温が僕を包み込んでくれて心地よくなったところでキュルケが離してくれた。
「さ、行ってらっしゃい。私は男作らずに待っているわ…」
キュルケは笑顔で僕を見つめた。優しいな…キュルケは。
「ありがとう…」
僕はそう言ってキュルケのおでこにキスをして帰国した。
~グラン・トロワ~
「よく来たな…7号。」
伯父様がそう言って迎えてくれた。
「いえ。伯父様や団長の為なら…なんでもありません。」
変態を少しでも改善しようと動いてる伯父様にイザベラお姉ちゃんはありがたい存在だ。もし二人がいなければ僕は今頃変態に汚染されていただろう…
「さて、イザベラの様子だが…過労による疲れだ。俺は何とか耐え切ったがイザベラが倒れるのも無理もあるまい。朝から晩まであの変態達のせいで始末書に追われる毎日だ。倒れるなというのが無理だ。しかしイザベラの代行者がお前しか見つからない…というわけでやってくれるな?」
イザベラお姉ちゃんが過労でぶっ倒れたから僕が代わりに団長をやれってことか。なんとも面倒くさい…
「わかりました。やります。」
イザベラお姉ちゃんがどれだけ大変か知りたいし、少しでも役に立たないと…
「それじゃフェイスチェンジを唱えてイザベラに化けろ。そうしたらプチ・トロワに向かって堂々と座って苦情が出たら対応しろ…書類の方は俺がなんとかする。」
「御意。」
僕はイザベラお姉ちゃんが着ているドレス、背を誤魔化す為の靴などあらゆる物を使ってイザベラお姉ちゃんに変装し…僕の団長代行任務は始まった…
~プチ・トロワ~
「団長!過労から立ち直られたのですか!?」
そう言って北花壇警護騎士団の1人が僕に話しかけてきた。
「問題ないよっ!全く…ほらやるべきことやって散れ!」
僕はそう言ってイザベラお姉ちゃんの団長としての姿を演じた…
これでいいのかな?イザベラお姉ちゃんってこんな感じで威張っているし大丈夫でしょ。
「は、はいっ!」
ふう~…一応上手く行ったみたいで良かった。
「ところで団長…座高が縮んっ!?」
僕が最も気にしているところを突かれたので僕は思い切り腹を殴っておいた。
「なんか言ったかい?」
僕は威圧をだしてその場にいた兵士たちやメイド達を黙らせた。
「いいえ!なんでもありません!」
そう言って全員が答えたのでイザベラお姉ちゃんが団長やっている時の空気の重さに似てきたので僕は内心笑った。
その後、色々あったが僕の名演技が功を奏して誤魔化せたが…一番の問題が目の前に現れた。
「シャルロット~!!会いたかったよ!!!」
そう言って現れたのは変態こと僕の父であるシャルル・オルレアンだ。何故ここにいるのかはどうでもいい。やるべきことはひとつ…刑務所に脱獄した変態を戻すことだ。
「叔父上…とうとうボケましたか。」
僕は全力でぶん殴った。すると…
「残念!それは偏在だ!」
などとほざきやがって変態は僕の背後をとってドヤ顔していた。
「スンスン…!やっぱりシャルロットの匂いだ!ちょっとイザベラとは違う匂いも入っているけど…間違いない!」
変態は背後から僕に抱きつき、匂いを嗅いだ。
「ちょっ…やめっ!!」
僕は必死で抵抗するが変態は離れなかった。
「はっはっはー。脱獄者シャルル・オルレアン。貴様の企みもそこまでだー。」
いきなり登場したのは目元をハイカラな青のメガネで隠し、貴族が着るような服装ではなくこれもハイカラな服装の男だった。
「カッコイイ…」
僕はそのセンスの良さに惹かれてそう呟いていた。
「どこまでも邪魔をするんだね…兄さん。」
えっ!?あれが伯父様?!…いやいやどこに伯父様の要素があるの?伯父様はもっと老けた感じがするし(とは言え30代前後に見える)、彼は20代後半に見えるくらい若々しい感じがする。
「違うぞシャルル。俺の名前はムノーブルーだ。何度言えばわかる。決して貴様の兄などではないっ!」
ほら、ムノーブルーだってそう言っているじゃん。
「ムノーブルー!そんなことやってないで助けなさい!」
とは言え僕の状況は変態に触られていることに変わりない…僕はムノーブルーに助けを求めた。
「待ってろイザベラ姫!今行くぞ!」
ムノーブルーは一瞬で僕のところに詰め寄り、僕をつかんで変態の手から離れた。
「やるじゃない。後で表彰しておくよ…」
僕の本音は「ありがとう!サインして!」だが今の僕はイザベラお姉ちゃんなのでそうしか言えなかった。もしも僕が女の子だったら目をハートにして告白しているだろう…
「いや気持ちだけで充分だ。それよりもやるべきことがあるから下がってな。」
気取らないところがカッコイイな…
「わかったよ。」
僕はそう言って下がった。
「くたばれ!ムノーボンバー!!」
ムノーブルーが手を前に出してそう唱えると変態が爆発した。
「グフッ…!」
そして変態はボロボロになり気絶してムノーブルーは高笑いした。
「正義は勝つ!」
そう言ってムノーブルーは変態を運んで去っていった…後で伯父様に聞いてみよう…
~グラン・トロワ~
そして仕事が終わり…グラン・トロワに伯父様に今日のことを報告した。
「ムノーブルーって一体何者なんですか?」
僕は伯父様にムノーブルーが何者か尋ねた。
「ムノーブルーはそうだな…ガリア、いやハルケギニアの平和を守るためにいる人物だろうな。ガリアにとっては必要な人物だ…どこにいるのかわからんがお前が無事だっただけでもムノーブルーに感謝しよう…」
平和を守るためか…カッコイイな。
「ムノーブルーのように僕も頑張ります。」
「そうだな。俺も見習うべきところがあるしムノーブルーのように頑張るか!」
僕達2人はムノーブルーを尊敬するようになった…
~おまけ~
今回ジョゼフが用いた服装は東方…所謂シェフィールドの故郷よりもさらに東にある極東の服装をモチーフにしたものだった。
「まだまだジョゼフ様の魅力を引き出せたわけじゃないわ…」
もちろんそれはシェフィールドの知識を用いて製作したのだがまだまだ改良の余地はあった。
「ムノーブルーがハルケギニア中…いやエルフの砂漠や東方においても響き渡るようにしないといけないわ!」
シェフィールドは再び思考し始めた…彼女の場合はジョゼフの壊れたところを見て悪影響を受けてしまった被害者である。
~おまけ2~
その頃…トリステイン魔法学院では…
「あのキュルケのボーイフレンド…生意気…!!」
ダンっ!
ルイズは机を叩き、苛立ちを少しでも減らそうとするがタバサをことを思い出してしまいどうしようもなかった…
「なら…タバサとかいったっけ?そいつのあれ…チョッキンしちゃうしかないわね。」
ルイズがここまでキュルケの恋人のことを気にするのは珍しい…その原因はタバサがルイズを攻撃したことにある。
「そんなことはこのタバサたんを愛する会一同が許さん!」
前回鼻血で倒れた議長がそう言うとルイズの周りにいた生徒たちが覆面及び仮面を被った。
「な、何よ!?あんた達!?」
ルイズはそれに怯えてしまい、足が震えた…
「我々はタバサたんを愛する紳士及び婦人だ。故に貴様の発言は許されんことだ。やれ!」
議長がそう言うと生徒たちはルイズを取り押さえた。ここにいる生徒たちはタバサに対して欲情はするがルイズに対して欲情もしない…そのためルイズを抑えることはなんでもなかった。
「ちょっと放しなさいよっ!」
ルイズは抵抗するが多人数の力には敵わなかった…
「さあ…覚悟しやがれ!」
そして処刑が始まった。
「あははははっ!やめて~っ!!」
その処刑は10分間くすぐりの刑だった。ルイズの整った顔はヨダレや涙でベトベトになり汚くなりルイズは気絶した。
「よし!撤収!」
そう言って議長が解散させるといつもの学院に戻った…汚染しすぎであるこの学院。
えー…この小説のR18版を要望する読者の皆様に答えるか答えないべきか迷っています。
そこで活動報告にて詳しくアンケートを取りたいと思いますのでくれぐれも感想に書いたりしないで活動報告にてお答えください。