オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
あのリザードドーパント(仮称)はどうやら、ツインテールの女の子の他にぬいぐるみを持った幼女を探しているようだ。
うん、俺も何言ってるのか分かんないけれど、アイツらが発した言語をそのまま言ってるだけなんだ。信じてほしい。
そして、この事態をトゥアールさんは知っていたのであろう。静かに奴らの動向を見ていたのだが、それどころではない事態が目の前で起こっていた。
「……会長…」
「え?ホントじゃない!」
「なんでここに神堂がいるんだよ!?」
そう、そこには我らが生徒会長であり俺のクラスメートでもあるロリっ子的存在、神堂慧理那がいた―――――!
ここからは神堂の声は聞き取りづらいが、どうやら正義感が勝ったのであろう。普通なら気後れしそうな状況であるのにも関わらず、怪物に立ち向かっているではないか。
しかしドーパント(仮称)はどこ吹く風、むしろお眼鏡に叶ったのであろう、神堂にぬいぐるみを持たせどっから持ってきたのかピンク色のソファーに座らせて……喜んでいた。
しかも隣では総二がトゥアールさんに訳を聞こうとして、痴女ってる答えに愛香ちゃんの
この状況、カオスであると同時に危険極まりない状況であることも事実。オレはいつでも
横で痴女と野獣のコントが続いているが、状況を理解できたのであろう、トゥアールさんはやっとこさ真面目に説明を始めた。
「総二様、お渡ししたブレスレットで変身してください!」
「変身!?」
「さっきまでの行動、完璧に関係ないじゃない!!」
そんな愛香ちゃんのツッコみを無視してトゥアールさんは続けていく。
曰く、身体機能を強化する戦闘スーツを纏える。そしてソレを用いればあの怪物と互角にやり合えるということであるらしい。
どうやらオレが考えていたのとは違うようだが、変身するところだけを見れば俺の持つそれと大きく変わらないということがわかった。
この説明のためになぜ服を破り捨てなければいけなかったのか、オレには一切分からなかったが………。
「ちょっとまってよ!なんでそーじなのよ!?」
「馬鹿野郎!アイツらはツインテールを狙っているんだぞ!」
「いや、総二、そこがな、普通は納得できないんだって」
ぶんぶんと首を縦に振り同意してくる愛香ちゃん。しかしながら総二にとっては重要なことらしく、守りたいって気が立ち昇っている。
「愛香ちゃん、こうなった総二は常識を彼方に飛ばしてしまうぞ」
「なんで、ここ一番の時に常識人から逸脱すんのよ、アンタはぁ…」
「しかしながら、それでいいんです。ツインテールを愛する総二様だからこそ、このブレスレットは使えるのです。飾った正義感など必要ありません」
「いや、一応俺にも正義感はあるんだけど……」
なんなんだろう、この状況は…?
だが、そんな風にのんきに構えていることができる状況でもなくなったようである。
「ちょっ!2人ともあれ見て!」
綺麗に車を吹っ飛ばした駐車場には集められた女性たちが機械的な輪に通されていた。
その輪を通された女性は括っていた髪を緩やかにほどかれ、そして意識を失ったように倒れこんでいく。
そして、それは神堂も例外ではなく、くぐらされ、そして意識を失っていく。
それはさながらあるべきものが失われてしまうように、倒れた女性たちから何かが抜け落ちたように感じてしまう。
「――――――アイツら!」
「落ち着いて下さい、総二様」
「落ち着け、総二」
「いや、そこまで大げさなもの?」
「お前、愛香!そんなに安いものなのかよ!ツインテールにかけた思いは!」
「そ、そーじ、落ち着いて……」
馬鹿たれが!
「総二、愛香ちゃんに当たってどうする。それから愛香ちゃんも、多分それだけじゃない気がする」
「あ、ごめん、愛香」
「ううん。でも、それだけじゃないって…?」
落ち着いた総二と愛香ちゃんにオレが感じたことを伝える。
「なんというかあるべきもの、心の中のもんをガッツリ奪われたように見えんだよ」
これはオレが1度死んだから身に付いたものなのか、そういった心の気配とでもいうべきものを感じられるようになったからこそ分かるのだ。しかしながら普段は大まかな感情のようなものしか分からない。怒っているとか、そういった大きい区分でしか分からない。にも関わらず、今回は明瞭にわかってしまった。一体どういうことだ…?
「それっていったい…?」
「俺にもよくはわかんねぇ」
「えー…」
「兄さん、そこはわかった。だからこそ、トゥアール!これの使い方を教えてくれ」
はぁ!?
「ちょっと、そーじ本気!?」
「愚かでも危険でも構わない。オレはツインテールを弄ぶあの化け物が許せないんだ!」
……どうやら、本気のようだ。こんなことで本気になられるとはなぁ……。
「心の中で強く念じてください。変身したい、と。それでブレスレットは応えてくれます」
「それだけでいいのか?」
たったそれだけ。しかしそれこそが難しいことをオレはヒーローから学び知っている。だからこそ、オレにも戦える力があるのに、それを使おうとしていないのだから。
「よし、それなら俺でもいけそうだ」
「ちょっと、そーじ!」
愛香ちゃんの制止も聞かず、総二は念を込める。そう、それだけで腕輪は反応し展開し、強烈な光を放った!
光は一瞬で収まった。しかし総二がいた先には、アイツの姿がなく赤髪ツインテールの幼女が未来的なスーツに身を包み、そして敵に向かっていった!
「ま、まさか……」
「そうです、あれこそまさしく最強の盾と矛である武装、
「何が大成功かぁぁぁああ!!」
ドゴン!という人体から発しちゃダメな音を出しながら崩れ落ちるトゥアールさん。
息も絶え絶えに曰く代償、もとい彼女の趣味で幼女化したらしい。
いや、女性化はまだいい。正体バレしにくくしているということが分かるから。しかし幼女はダメだろう。
しかし、能力は一級品らしく、総二はまだまだ扱い切れておらず、振り回せれていた。
リボンから出した剣で戦闘員たちを薙ぎ払っていくが、リザードドーパント(仮称)が音もなく近づき、何かを言ったかと思うと総二は悲鳴を上げて後ずさりしていく。
あの眼は、完全に変態に引いちまった目じゃないか…!
あれじゃあ、おそらく総二は十分に戦えない。なら、どうするか。決まっている。家族の、弟、いや妹?の危機に兄貴がじっとしているわけにはいかないじゃないか!
「助けてくる!」
「えぇ!?生身では無理ですよ!?」
「一樹さん、ダメですって!」
2人は止めてくるが、大丈夫だ
「大丈夫だ、オレも戦えるんだ」
やっと決心がついた。遅すぎるのかもしれないが戦える力があるのなら、ソレを使う。それがオレの憧れたヒーロー達の背中だったんだから!
懐から出した『ロストドライバー』を腰に当て装着し『ジョーカーメモリ』を右手に構える。
「えぇ!?何を出してるんですか、一樹さん!?」
「私の知らない、テクノロジー、ですか…」
メモリのボタンを力強く押し込む!
《Joker!》
そしてロストドライバーに装填し、ロストドライバーを展開する!
《Joker!!》
オレは黒い旋風を纏い走り出す、なびく2対の髪とともに…!
…………ん?髪?
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「お?そろそろ原作の始まる頃かぁ。いやぁあの青年はどういうリアクションを見せてくれるのかなぁ」
「なんて言っても彼の特典は仮面ライダーであって仮面ライダーじゃない」
「あの世界に合わせた仕様にしたんだからなぁ」
「そう、特典名は………」
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another SIDE
「離れろぉぉぉぉおおお!!」
赤い幼女に迫るリザードドーパント(仮称)にその存在は拳を叩き込んだ。
「ぬ?むおぉぉぉおおっ!?」
そしてそれによりドーパント(仮称)は物の見事に吹き飛び、幼女と存在から大きく離された。
幼女は見る。自身を助けてくれた
黒いドレスのようなスーツを纏い、腰にはごついベルトを装着し、そして何よりも目を引く綺麗な黒髪の大きなツインテール。
その少女は綺麗なソプラノボイスで話しかけてくる。
「大丈夫か、総二」
この姿を見て、自分のことをそういうのは幼女――総二に心当たりがあるのは1人の人物しかいない。
「まさか、君は、にい、さん?」
「おいおい、いくら仮面を被ってても…あれ?」
そこで少女も気付いたのであろう。自身の変化に。顔を触り、髪を触り、全体を見て、総二が自身の姿を見たミラーを見て、自身が少女の身であることに気付いたのであろう。
「な、なんじゃこりゃぁぁあああっ!!?」
そう、大きな声で叫んだのであった。
今ここに仮面ライダー『少女』ジョーカーの果てしない戦いの始まりの時でもあった――――――!
あぁ、石を投げないで!
投稿を始めた時からこうしようと心に決めてました。
理由としてはあの世界はツインテールの戦士をメインとしています。
だったら、追加戦士もこうであるべきだと思ったんです。
ただ、ヒーローとして出すのでは面白くもないですし、ね(一番の本音)
タグも今回から追加しました。