オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
学期末テスト
を
中間テスト
に訂正しました。
さて、夏服になったり、慧理那がエロ本買いに行って、それを総二が見守っていると、オウルギルディなるエレメリアンと交戦しただの、結局年齢制限に引っ掛かり買えなかっただの、といろいろあった数日を越えて。
もうすぐ中間テストが近づいていることと夏服に変わったこともあり、1時限目は全校集会となっており、オレ達生徒及び教員は全員が体育館に集められ、教員の長ったらしく眠気の誘う演説を聞きながら、オレは連日の濃ゆいイベントスルーしてきたおかげか、疲れも取れてきており、周囲の学生と比べてその姿は真面目に演説を聞いているように見えるだろう。実際はそんなことはなく、どうすれば変態どもの明後日の方向にシフトしていく生活を改善できるのかを考えている当たり不真面目なのかもしれない。
でもいいじゃないか。こういう時でもない限りゆっくり考える時間なんてないんだから……。
なんか、桜川先生が同僚のメイドさん達に引き摺り下ろされていたけれども、まぁ、どうせいつものように婚姻届がどうとか言っていたんだろう。焦らなくても、美人なんだから、その焦りさえなけりゃ独身教諭からお付き合いの誘いが来ると思うんだけどなぁ………え?だったらお前がもらってやれって?やだよ。タイプじゃないし。
と、まぁそんなテキトーなことを考えていると時間は慧理那の演説の時間だった。毎度の事ながら生徒会長としてよく働いてると思う。こういう時一度でも休まず必ず壇上に上がってるんだもんなぁ。
そんな風に考えていると、なにやらざわめきが大きいようであった。一体どうしたというのだろうか?と、気になって壇上の方を見ていると慧理那が壇上に登っていたところなのだが、その慧理那の様子がいつもと違っていたのだった。それは、慧理那がツインテールを解いていたのだ。
確かに煩わしく思っていたから、解くことには何も疑問は沸かないが、それでも折り合いをつけていたのだから、急すぎることだと思ってしまう。
と、壇上の慧理那と目が合う。その目には、強い意志が感じられた。
………そうか、これが起こしたアクションなんだな。だったら、今はオレは静観するしかない。今無理に行ってもいいようにはならないだろうことは目に見えているからな。
「あの……なにか、おかしいでしょうか?」
まぁ、それでも生徒たちの反応には驚いているようでそんなことを言ってしまってはいたが。
まぁ、ロングでも似合っているから、問題はないんだよな……………ウチの弟以外。なんか視界の端に崩れ落ちてる
しかもなんか叫んでるしよ。どうなってんだよ、あのバカは……。
「なぁ、観束、あの叫んでるのお前の弟じゃ……?」
「しらん。オレは何も知らん」
お願い、そう思わせて。ツインテールが解かれたことで慟哭してるようなの兄なんて嫌すぎるから。
と、オレが密かに頭を抱えていると、壇上に和服の美人が現れた。
「慧理那」
その姿は慧理那を大人にしたような女性だった。おそらくは……
「下がりなさい、慧理那。今のあなたに、生徒の長として話す資格などありません」
「お母様……」
慧理那の母親なんだろう。しかし厳格そうな感じのお母さんだなぁ……ウチの母さんとはえらい違いだ。
「何故ツインテールを解いたのです、慧理那」
「わたくしは何度も怪物に襲われていますわ。ツインテイルズにこれ以上迷惑をかけないためですわ」
「それらしいことを!母の目は節穴ではありませんよ!慧理那!」
なんとも静かな恫喝だろうか。そこまで声を張っているわけではないというのに響く声だな……。
「お母様……」
「百歩譲って、怪物の脅威に怯えてツインテールを止めたのならば……母として、娘の安全を願うのは当然。多くは言いません。しかし慧理那。あなたがツインテールを止めたのは、そんな理由ではないはずです。つい先日までの気勢はどうしたのです!ツインテールを守り戦う少女と、それを心の限り応援したいと願ったあなたに心打たれ、母は支援すると決めたのですよ!!」
………そういえば学園と家の総力を挙げてやってたんだっけなぁ、ツインテイルズの応援って。
「家の事情を皆様の前でお話するわけにはいきません。お母様、2人っきりで話がしたいですわ」
「いいでしょう。……皆様、不肖の娘が失礼を致しました。どうか、よき夏を過ごして下さいましね」
と、こっちに向かっては一転して朗らかな笑みを浮かべて壇上を下りていき、それに倣うように慧理那も下りて行った……。その時もう一度目があい、強くうなずいていたのを見るに、オレが突入するタイミングは今この時以外にないのだろう。
こうなったら、すぐさま行動に移すか……。
オレは、はけていく学生の波から抜け出し、1人理事長室を目指す。目指すのだが……
「理事長室ってどこだ………?」
あの後、神堂家のメイドさん(NOT桜川先生)と落ち合うことができ、彼女達の誘導の元無事に理事長室前に辿り着いたのだが、そこには既に総二達、1年組も来ており、何やら総二が今にも突入しそうであった。おいおい、お前の出番じゃないんだよ、今日は。
「はいはい、総二はちょっと、待てよ~?」
と、総二の襟首を掴んで止める。
「に、兄さん!」
「一樹さん!?」
「お義兄さま!?」
なんか久々な愛称を聴いた気がするな。
「残念だけど、総二。今回はオレのターンなんだよ」
「はぁ!?いいから離してくれよ!俺は……!」
「いいからだぁってろ。こっからはオレと慧理那の問題なんだよ」
あの時相談に乗ったオレと、相談を持ってきた慧理那の問題なんだ。悪いが、どうせツインテールの事で頭に来てるんだろうが、オレも頭に来てんのは同じなんだよ。
何が掟か。何が結婚か!慧理那にそんなことさせてやるかってんだ!!
つーわけで、だ
「愛香ちゃん、総二を持っててくれな?」
愛香ちゃんに総二を渡す。
「え、あの!?一樹さん、何をする気なんですか!?」
ふむ、結構厚い扉だな。まぁ、どうせ鍵がかかってんだろうけど、関係ないか、何故だかやれそうな気もするし。
「観束兄。任せたぞ」
桜川先生のお墨付きも貰ったし(貰ってない)、やるか!
「てなわけでお邪魔しまーす!!」
《ドガーンッ!!》
「きゃぁあ!?」
「な、何者です!?」
思い切り扉を蹴り破いてやったぜ♪
「「「ええええぇぇぇぇっぇええええええええ!!?」」」
なんか1年組が驚いてるけどスルーしようそうしよう。
どうやら、2人は机を挟んで話していたようであった。慧理那の目には若干の涙が浮かんでいた。多分、オレが来る前から相当言われてたんだろう。
この時オレの中の何かが切れたような気がした。
慧理那を泣かせた、その1点が、オレは妙に癇に障った。
なぜかとても腹が立ったんだ。
「どーも、2年の観束一樹です。突然の訪問ですみません」
「ほう!?」
どうやらいきなりの乱入者だろうと学園の者であるからか、話は聞いてくれるようであった。まぁ、それよりも先にオレは言わなくちゃならないことがある。
「……慧理那」
「はい……」
「助けに来たぜ?」
「……はい!」
ちょっと短いですがキリがいいのでここで切ります。